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♪VEE JAY STORY

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Big Boss Man -The Vee Jay Story- / Various Artists

チェスと並ぶシカゴの黒人音楽レーベル、ヴィー・ジェイ。
ゴリゴリにディープなチェスも素晴らしいですが、ヴィー・ジェイの音はもう少し洗練されていてゆるゆるなのが魅力。少し都会的っていうか、チェスよりもやさぐれていないっていうか、マディーやエルモアのゴリゴリのブルースではちょっとへヴィーすぎる、と感じるときにはヴィー・ジェイがよく効くのです。

大物ブルース・マンとしては、エルモア・ジェームズは“It's Hurts Me Too”、ブギーの王様ジョン・リー・フッカーも“Boom Boom”、“Dimples”などの名演をヴィー・ジェイにいくつか録音を残しているけれど、代表格はなんといってもジミー・リード。“Honest I Do”をはじめとするゆるゆるのブルースは、なんだかとてもほっとします。
そのジミーの相棒だったエディー・テイラーの“Ride 'Em On Down”。あるいはメンフィス・スリムなんかもゆるいブルースが得意だった。
ブルース以外では一等好きなのは、“Duke Of Earl”や“Man's Temptation”のジーン・チャンドラー、ジーン・チャンドラーにもたくさん曲提供しているカーティス・メイフィールドがいたジ・インプレッションズの“For Your Pressious Love”。そして当初インプレッションズのメイン・ヴォーカリストだったジェリー・バトラーの“He Will Break Your Heart”。或いは“Just a Little Bit”のロスコー・ゴードン、“Raindrops”のディー・クラーク、ストーンズもカヴァーした“You Can Make It If You Try”のジーン・アリソン、ドゥー・ワップなら“At My Front Door”のエルドラドスに、“For All We Know”のオリオールズ、“I Really Do“のファイヴ・エコーズ、“Good Night Sweetheart”のスパニエルズ。
いずれもどこかほっこりして温かみがある感じがするのですよね。

ヴィー・ジェイ・レコードを創設したのはヴィヴィアン・カーターとジェームス・ブラッケンというふたりの黒人の若者で、ふたりの頭文字からヴィー・ジェイとなったんだけど、ラジオのDJだったブラッケンは、ラジオでよくかけられる曲の多くは生出演の生演奏主体でレコードで買うことができなかったことが不満でレコーディングを始めたのだそうで、当初から「黒人による黒人のためのレーベル」を掲げていたそうです。アトランティックやチェスの、「売れるので結果的にブルースやR&Bの名レーベルになった」のとは成り立ちそのものが違う。そのインディペンドなスピリットがかっこいいですね。
設立当時の1953年ごろといえば、黒人たちの間ではまだ公民権運動など黒人であることの意識の向上は考えとして定着しておらず、都会で定職を得て少し裕福になった黒人たちはむしろ「黒人はダサい、白人に近づくことがかっこいい」という意識があったようです。そのことを反映してか、まだ当時の黒人音楽は、黒人としてのアイデンティティを歌うよりは、黒人の芸人性を押し出したエンターテインメント的なものや、より白人ポップス的に漂白されたようなものが主流だったのだけど、ヴィー・ジェイが録音したものの多くは、黒人としてのアイデンティティは保ちつつも都会的に洗練されたものが多く、田舎っぽいコテコテのブルースも受け入れられずかといって白人のコピーもなんだか、と思う中流意識の普通の黒人たちに広く受け入れられていったようで。
今、都会にいる黒人がリアルに求めていて、洗練されつちも黒さも残したポピュラーな音楽を提供していく・・・都会に住む黒人達の日常にリアルに必要とされるポピュラーなブラック・ミュージック・・・そんなカラーを持ったヴィー・ジェイの、良くも悪くも中庸だからこその魅力を持った音楽が広く受け入れられたことは、黒人であることの意識を普通に広く自然なかたちで浸透させていくという点で、実は、後の黒人解放運動の爆発の下準備というか大いなる無意識の背景になったのではないかと思ったりします。

まぁ、そういう蘊蓄話はともかくとしても、ヴィー・ジェイの録音には、どこか柔らかさや明るさが感じられるんですよね。ブルーな気分をポジティブな方向へ向けてくれるような静かな強さ、腕力ではない心の強さというか。
過激で極端な物言いがやたらと強気な姿勢を示すご時世だからこそ、こういう穏やかな強さが素敵だな、と思う今日この頃。
こういう音楽のように穏やかで、かつ強くありたいものだと思います。



♪CHESS STORY

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Chess Story Vol.1 From Blues to Doo Wop / Varios Artists
Chess Story Vol.2 from R&B to Soul / Various Artists

アトランティックと同じ時代に、もっと小規模ながら、黒人たちのための黒人音楽を録音していたのがシカゴのチェス・レーベル。
当時シカゴでは、マディー・ウォータースやウィリー・ディクソン、ジミー・ロジャースリトル・ウォルターらそうそうたるメンツが南部直送のどす黒くてへヴィーなブルースを日夜プレイしていた。
そしてハウリン・ウルフエルモア・ジェームスジョン・リー・フッカーサニーボーイ・ウィリアムソンロウエル・フルソン、それからなんといってもロックンロールのパイオニア、チャック・ベリーとジャングル・ビートの創始者ボ・ディドリー。畏れ多いほどのビッグ・ネームがバリバリに活動していた50年代のシカゴってのは、相当にヤバい街だったんだろうな。

たくさんの黒人たちが綿花畑で働いていたミシシッピ州やテネシー州。
1865年に奴隷制度こそなくなったものの、地主たちによる酷使と搾取の構造は変わらず、黒人たちはプランテーションで厳しい労働に従事していた。
1927年にはミシシッピ川の大洪水で大きな被害を受け、さらに化学繊維の発達で綿の需要は細っていった。一方で北部の大都市・シカゴやデトロイトでは第二次世界大戦での需要を背景に重工業が盛んになっていくが、移民受け入れを制限したこともあって、新しい労働力として南部から黒人たちが大挙して北部の都市へ移動していったのだ。このことが、シカゴで黒人音楽が大きな発達を遂げることと深い関わりがある。
メンフィスとシカゴの距離は850kmあるけれど、ハイウェイを走る夜行バスに乗れば一晩で着く距離。日本で例えれば、甲信越や東北と関東との関係、或いは九州や四国、北陸と関西の関係に近かったんだろうな。
故郷を捨てて遠く離れた大都市へ流れてきた黒人たち。近いとはいえ、たやすく行き来できる距離でもない。成功者のつてをたどって一攫千金を夢見てなけなしの金で大都会へやってきはしたものの、夢叶わず落ちぶれていくものが大半で、そんな吹き溜まりのような街で、故郷の訛りで歌われる南部のブルースは、黒人たちの心を癒したのだろう。
チェス・レーベルは、そんな黒人たちのために黒人たちの音楽を録音し続けたのだ。

チェスといえばブルース、なんだけど、実はドゥー・ワップやリズム&ブルースやロックンロールもたくさんリリースしていた、というのがよくわかるのがこのコンピレーション盤。
ドゥー・ワップならムーングロウズフラミンゴスブルージェイズリー・アンダーソン&ザ・ハーツ
“Rockrt88”のジャッキー・ブレントン&ヒズ・デルタ・キャッツ“ Searching For My Love”のボビー・ムーア&リズムエイシズ
それから、一番の稼ぎ頭だったのはシュガー・パイ・デサントエッタ・ジェームス
ボビー・チャールズの“See You Later Alligator”デイル・ホーキンスの“Susie Q”といった白人R&Bプレイヤーのも入ってる。
どのアーティストもどこか泥臭いというか、垢抜けない感じがして、そこが魅力的ですね。

京都も大阪も寒いけど、シカゴの冬はもっと凍えるように寒いんだろうな、なんて思いながら、このレコードをしんみりと聴く残業帰りの冬の夜。
ミシガンを越えてくる凍てつくような冬の風が吹き付けるシカゴの裏町で、暖かい南部の故郷を思いながら、一夜の酒盛りやギャンブルに身をやつしていく自分を想像しながら、ブルースな気分に浸ってみる。
だって、60年前のシカゴだろうが2017年の大阪だろうが、人が暮らしを営んでいる以上、ブルースの種なんていくらでもゴロゴロ転がっているんだからね。


♪ATRANTIC RHYTHM AND BLUES 1947-1974

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ATLANTIC RHYTHM & BLUES / Various Artists

リズム&ブルースのコンピレーション盤といえば、何はともあれアトランティックです。
これは1947年から74まで、アトランティック・レーベルの歴代R&Bヒットを網羅した7枚のシリーズ。
実は金がなくって中古をバラ買いしたので、未だにVol.1だけが揃っていないのだけど(笑)。

なんといっても最初にガツンときたのは、66年から69年のヒット曲がたっぷり詰まったVol.6だった。
ウィルソン、ピケット“Land of 1000 Dances”“Mastung Sally”、エディー・フロイド“Knock On Wood”、オーティス・レディング“Try A Little Tenderness”、サム&デイヴ“When Something Wrong With My Baby”“Soul Man”、アーサー・コンレイ“Sweet Soul Music”、ジョー・テックス“Show Me”、後半は“Respest”“Do Right Woman,Do Right Man”“Baby,I Love You”“Chain Of Fools”“A Natural Woman”などなどアレサ・フランクリンのヒット曲オンパレード、〆はブルック・ベントン“Rainy Night In Georgia”と、これでもかっていうくらいのエキサイティングでグレイトなナンバーが満載。ちょうどストーンズのかっこよさに目覚めて、このあたりを聴きあさりはじめた頃で、あ、なるほど、ルーツはここなんだって感じでがっつり聴きまくりました。

少し時代を下ったVol.7は、69年から74年。タイロン・デイヴィス“Turn Back The Hand Of Time”やキング・フロイド“Groove Me”、ベティ・ハリス“Clean Up Woman”などソフィスティケイトされつつもファンキーな楽曲が登場すると同時に、ロバータ・フラックやダニー・ハサウェイら内省的でシンガーソングライター的要素を含んだニュー・ソウルっぽいものが主流になっていく時代の変化がよくわかる。

遡ってVol.5には62年から66年まで。ここはソロモン・バーク“If You Need Me”、ルーファス・トーマス“Walkin' The Dog”、ドン・コヴェイ“Mercy,Mercy”などストーンズがすぐにカバーした黒光りのソウルてんこ盛りに、“Mr.Pitiful”“Respect”“I've Been Loving You Too Long”などオーティスの数々のヒット曲。それからホリーズがカバーしたドリス・トロイの“Just One Look”。
ただ、泥臭くディープなソウル一辺倒でもなくて、エスター・フィリップス“Release Me”、バーバラ・ルイス“Baby,I'm Yours”といったストリングスなんかも入ったちょっとオールド・スタイルな感じの曲も幾分含まれていて、50年代のスタイルがロックンロールの影響を受けてよりビートの効いたものへと変わっていく感じが見えてくる。

58年から62年のVol.4はレイ・チャールズとラ・ヴァーン・ベイカーとコースターズとドリフターズ/ベン・E・キングのヒット曲大会。“The Night Time Is Right Time”に“What'd I Say”に“Saved”、“Charlie Brown”に“Poison Ivy”、“This Magic Moment”に“Dance With Me”、“Stand By Me”に“Don't Play That Song”。
レイ・チャールズはゴスペルとブルースを強烈に混ぜ合わせ、ラ・ヴァーン・ベイカーはルース・ブラウンのパンチのあるシャウトをさらに発展させ、コースターズはドゥー・ワップをより洗練されたポップに仕上げ、ドリフターズはコーラス・グループの基礎を作った、最初の黄金時代とでもいうべき時代。

若い頃はこのあたりまではよく聴きまくったのだけど、それ以前の40年代後半~50年代前半モノには苦手感がありました。古臭くてイケてない感じがしていたのかな。
ところが年を重ねるごとにこういうのが気持ちよくなってきて、最近はVol.2やVol.3のほうばっかり聴いている。
Shake,Rattle,and Roll”や“Honey Hush”のビッグ・ジョー・ターナー、ルース・ブラウンの“Lucky Lips”や“Wild Wild Young Men”。ドゥー・ワップでは“Good Lovin'”や“Lovey Dovey”のクローヴァーズに“Sh-Boon”のコーズにダイヤモンズやカージナルス。クライド・マクファターのドリフターズは“Such a Night”や“Money Honey”をヒットさせ、プレスリーに大きな影響を与えた。
元々30年代や40年代、主流の音楽はビッグ・バンドのスタイルだった。グレン・ミラーとかベニー・グッドマンとかカウント・ベイシーとかの楽団。ビリー・ホリディだってビング・クロスビーだってフランク・シナトラだって、楽団のヴォーカリストだったのだ。それがコンパクトなコンボになり、ルイ・ジョーダンやワイノニー・ハリスらのジャンプ・ブルースが生まれる。弾き語りが主だったシカゴやテキサスのブルースもバンド化し、一方でストリートでは楽器も買えない貧しい連中がドゥー・ワップを始め。そういう大きな流れが、アトランティックというレーベルの中で混ざりあって渾然一体となって、次にロックンロールが生まれてくる土壌ができあがっていった、みたいな。

こういう音楽を聴いていると、ぜんぶ繋がっていくんですよね。そこにそれぞれの時代背景と社会の変化があって、これはもう書き始めると本が一冊できてしまうレベルに膨大になるけれど、そういうことを知る中で、今という時代の座標を確認できたり、自分もまた社会の流れと繋がりの中で生きていることを感じたり、まぁとにかく深いですわ。
そういう深さと広さを感じさせてくれるこの7枚組は、一生ものの値打ちがあります。


♪AMERICAN GRAFFITI

冬休み、娘がどーしても行きたいって言うんで、とある娘がお気に入りのバンドのインストア・ライヴに付き添いで行ってきた。
ついこの前までは女児アニメやゲームにしか興味がないと思っていたけど、娘ももう15才、熱中するバンドのひとつやふたつあってもおかしくはない。ティーンエイジャーだもんね。そして、僕もそうだったもんね。
別にうらやましくはないけれど、若いっていいよね。
これから先、夢中になれるものがいっぱいある。

あるアーティストを好きになる最初はやっぱりシングルなんですよね、いつの時代も。僕もそうだったもんね。
RCサクセションなら“トランジスタ・ラジオ”、佐野元春なら“SOMEDAY”、ブルーハーツなら“人にやさしく”。
洋楽の入り口も最初はシングルだった。ラジオから流れるヒット・チャートの番組や、ヒット曲の特集やらをせっせとエアチェックして。いつの間にか、アーティストの表現の深さはアルバムにある、なんて背伸びして、シングルっぽい売れ線の曲なんて子供だましだよ、なんて意気がるようになっていったものの、やっぱりポップでキャッチーで、わずか3分ちょっとでその世界観を表現してしまうシングル曲っていうのは素敵ですよね。
そもそもリズム&ブルースやロックンロールが産声をあげた40年代末や50年代には、アルバムなんてものはなかったし、日本でも歌謡曲や演歌がそうだったように、アルバムなんて2、3のシングル曲を中心にしてあとはどうでもいいような曲を集めたコアなファン向けの寄せ集めだったんだから。
なので、リズム&ブルースやロックンロールは、アルバムで聴くよりもシングルを集めたベスト盤やコンピレーション盤で聴くのがあるべき正しい姿なのではないか、と思うわけで。

最初に手にしたコンピレーション盤ってなんだったんだろう、っていうと、おそらくはビートルズのベスト盤。それからジョン・レノン。
オムニバス盤はというと、あー、そうだ、これだった。
金曜ロード・ショーとかでやってたのを観たんだろうね。

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41 Original Hits from the Soundtrack of American Graffiti

ほとんどがロックンロール黄金期の1954年~59年くらいの録音。
なんかいいよねー、元気で、やんちゃで、甘くて、せつなくて。
カセット・テープに全部入りきらなかったのか、その時気に入った曲だけを選んで録音したのだったか、よく覚えている曲とそうでない曲の差が激しいのだけれど(笑)。

オープニングはロックンロール誕生の曲とも言われるビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの“Rock Around The Clock”。チャック・ベリーの“Johnney B.Goode”もファッツ・ドミノもバディー・ホリーも入ってるけど、当時気に入ったのはむしろデル・シャノンの“Runaway”やプラターズの“Smoke Gets In Your Eyes”だったかな。“Only You”はさすがにちょっとオヤジくささを感じたけど。
けっこう好きだったのは、スパニエルズの“Goodnight, Sweet Heart”やフランキー・ライモン&ティーンエイジャーズの“Why Do Fools Fall In Love”、ハートビーツの“A Thousand Miles Away”あたりかな。わりとメロウ系のドゥー・ワップ。

当時は「入り口」として夢中になりはしたもののすぐに「これは甘っちょろすぎる、女子供の音楽だ」ってなって、もっとハードで渋いものへとどんどん向かっていったのだけど、今聴くとこの甘さがとてもいい。
入り口としてこーゆーレコードに夢中になったっていうのは、やっぱり原体験として大きな影響があるようです。






♪ヒルビリー・バップス

冷えますねー。
こんなよく冷えた冬の夜に聴きたくなる大好きな曲がありました。
ヒルビリー・バップスの“真夜中をつっぱしれ”。
1987年だから、20才の冬の頃のヒット曲だったんだな。
これねぇ、めちゃくちゃかっこよくって、かつ、青春っぽい甘酸っぱい気持ちがキュンキュンするんですよね、今だに。
50'sっぽいベースのリズムと、ドゥー・ワップっぽい低音コーラス。甘くスリリングなストリングスでスイートな気分がぐんぐん盛り上がって。
そしてなんといってもヴォーカルの宮城宗典の甘くて男前な声。
これはほんと名曲ですよ。

でも、実はあんまりちゃんとアルバムとか聴いたりはしなかったんですよね。「所詮アイドルなんだろ?」って感じで。清志郎が“バカンス”を提供したり、チャボの“ティーン・エイジャー”をカバーしていたりでRCとの関わりも深く、興味はあったんだけど。ウッド・ベースの川上剛はその後タイマーズにも関わってるし。
でもやっぱりね、20才の男子が聴くにはあまりにもアイドルっぽい売られ方だった。
そして、これからいよいよ、っていうデビュー2年めの全国ツアーの初日の夜にヴォーカルの宮城くんが命を絶ったことで伝説になってしまった。

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GOLDEN☆BEST / HILLBILLY BOPS

Youtube観てたらちゃんと聴きたくなって、今更ながらにアルバムをゲット。
これがね、ほんとにかっこいいんですよ。
ベースがブンブンいってめっちゃロカビリーな“微熱なキ・ブ・ン(とびきり16才)”。ホーン・セクションも元気でいいし、宮城くんのヴォーカルもけっこう男っぽい。
激的バーニング・ラブ”も“ビシバシ純情!”も、トシちゃんやシブがき隊みたいにアイドルチックなタイトルとは裏腹に、やんちゃで疾走感のあるロックンロールだったり、“僕たちのピリオド”もポップで、ソウルフルなコーラスがかっこよかったり、“5時からのレボリューション”は、当時けっこう好きだった「SO WHAT」っていう映画の中で高校生バンドが演っていた曲だったことを思い出したり。
カバーでジーン・ヴィンセントの“Be Bop A Lula”やバディー・ホリーの“Peggy Sue”も演ってたり、ロックンロールやロカビリーが大好きだったんだな、って感じがビンビン伝わってくる熱い演奏とクールなアティテュード。もしもあの時代に生まれ変われるのならば、女の子に生まれ変わってヒルビリーズの追っかけをやりたい!とマジで思うくらい。

宮城くんが亡くなって、もう30年近く。
生きてりゃ52才、きっと吉川晃司ばりにかっこいいおっさんになってたんだろうと思うと残念だよね。
僕もすっかりトシは食ってしまったけれど、自分でも意外なくらい今もロックンロールにビンビン心を踊らせ、ラブソングにキュンキュンする気持ちになれる。
それはとてもうれしいし、とてもありがたいことだと思う。
甘酸っぱくてドキドキしたり、時にはヒリヒリするような青春の気分をこうしてそのまんまパッケージしたアルバムにこのトシになっても出会えるってことも。
若くて絶頂のときにこの世からおさらばしてしまいたい、って気持ちはわからないでもないんだけど、今はやっぱり生きててよかったと思います。


最後にもう一曲、宮城くんのラスト・レコーディングから、“Dear Friend”を。



♪シャネルズ

50'sやR&B、とりわけドゥー・ワップに影響を受けた80年代のバンド、ということで思い出したのがシャネルズ。

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Mr.ブラック / シャネルズ

チェッカーズ同様にロック・サイドからの評価は低いですが、メジャーなフィールドで日本人が本気で黒人のソウルに取り組むという点で実に画期的なバンドだったのではないか、と改めて思うわけで。
黒塗りのふざけているような出で立ちで、ドリフなんかにも出てコメディーなんかも平気でやったりして、軽薄な人たちなんだろうと当時頭の固い中学生だった僕はそんなに惹かれはしなかったし、案の定その後事件を起こして謹慎になったりして(人生幸朗師匠がよくネタで宴ってましたね、 「ランナウェイ、連れていってあげるよ。お前らが連れていかれとるやないかー。」って。)、あーあ、やっぱり柄の悪い人たちだったんだ、なんて思ってた。
浅いぜ、14才。

今聴くと、やや安っぽいところはあるにせよ、鈴木雅之はじめ彼らのソウルはやっぱりホンモノだ。佐藤さんと久保木さんの渋い声、田代まさしもいい味出してる。桑野さんが黒塗りではないのは白人トランペッターという設定だからだそうだ。
ヒット曲の“ランナウェイ”はもちろんだけど、勢いのある“ダウンタウンボーイ”やスイートな“月の渚”、それからB面の“Shama Lama Ding Dong”や“Sh-Boom”や“Chapels Of Dreams”といった50'sドゥー・ワップのカヴァーなんて、ちゃちいけど憧れいっぱいでそれが好きでたまらない感があって、ストリート感も含めた黒人文化への憧れや共鳴が感じられてリアルです。
アーティスティックなのがかっこいいって思ってたんだよね。テレビなんかには出ないのが、シングルヒットなんて出さないのがアーティスティックだと思ってたんだよね。愛だ恋だの歌よりももっと反抗的だったり哲学的だったりするのがかっこいいって思ってたんだよね。
浅いぜ、14才。

彼らのポップな姿勢、ギャグなんかも平気でかましちゃう姿勢,、なにがなんでも楽しませてやろうというアティテュードそのものが、ブルースやR&Bから受け継いだスピリットだったんだということに気づいたのはずっとずっと後になってからのこと。
安っぽいパロディーではなく、ブラック・ミュージックへのリスペクトをひしひしと感じさせてくれます。


♪チェッカーズ

お正月休みは三が日だけ。大晦日の土曜日も出勤しているから、その代休と考えれば、実質ただの三連休やん。
なので、お正月だからといって特段何かするでもなし、基本だらだらごろごろ。唯一のイベントは、高校のプチ同窓会に参加したくらい。ずっと疎遠にしていたけど、昨年のクラス同窓会以来妙に距離が縮まって。

高3だったのは1984年。もう33年も前になるんやね。そんなに時間が経った気があんまりしないのだけど。
1984年といえば、世間で一番人気があったのはチェッカーズだったな。
松田聖子と中森明菜をはじめ、堀ちえみに早見優、石川秀美、田原俊彦、近藤真彦、シブがき隊とアイドル全盛だったあの時代。元々は50'sっぽいロカビリーやR&Bを演っていた九州のローカル・バンドだった彼らもなぜかアイドルっぽい売られ方をされて。まだまだロックは商売にならない、そういう時代だったんだね。
当時大好きだったのは、RCとモッズ、ARB、アナーキー、ルースターズ。チェッカーズなんて「所詮アイドルじゃん。」と小バカにして鼻で笑ってはいたものの、実はけっこう好きだった。ちょっとつっぱった佇まいはけっこうロックっぽかったしね。熱狂的な女の子のファンがたくさんいたから当時とても「好き」といえる感じはなかったんだけど(笑)、何しろ現代とは比べ物にならない国民的な大ヒットをいくつも連発してたわけで、いやでもあちこちから聞こえてきてた。1ダース以上もある当時のヒット曲、全部普通に歌えるもんね。
ギザギザハートの子守唄涙のリクエスト哀しくてジェラシー星屑のステージジュリアに傷心と、1984年だけで5曲のヒット。その人気は僕が大学生になっても収まることはなく、あの娘とスキャンダル俺たちのロカビリーナイト神様ヘルプ!OH!! POPSTARと大ヒットを連発。“俺たちのロカビリー・ナイト”とか、”Song for U.S.A.とか、けっこう好きだったんですよね。

レンタル・レコード店でバイトしていたこともあって、その後もチェッカーズのヒット曲はずっといつも耳にしていたんだけど、自作の曲をシングルに採用し出したNANA以降は、脱アイドルというか、より男っぽさが増してサウンドもカッコよくなった。
I Love you,SAYONARAWANDERERBlue RainONE NIGHT GIGOROJim&Janeの伝説素直にI’m SorryRoomCherieFriends and Dream運命 (SADAME)夜明けのブレス・・・今聴いてもかなりかっこいい。
50'sのドゥー・ワップやロカビリーをベースにしつつ、ソウルやR&Bにファンクやレゲエなんかも取り込んだサウンドだったんだな、と今更ながら気づいたりして、今なら素直にかっこいいと言える。
近頃、R&Bといえばダンスものばっかり、ロック・バンドといってもフォークの進化系かヴィジュアル系くずればっかりで、こういうソウルっぽいものをベースにしたものが見あたらないんだよなー。

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COMPLETE THE CHECKERS ALL SINGLES COLLECTION / ザ・チェッカーズ

いろいろあって再結成はとても叶いそうにないけれど、だからこそわだかまりを捨ててもう一度集まってほしいですね。
ある程度の年を経て、若い頃のことが客観的に見れるようになったとき、当時共に過ごした人たちと何の気負いもなく話ができるというのは、思いの外良いものでした。

とりあえず今度カラオケ行ったら、チェッカーズ歌おう(笑)。



というわけで、今年もだらだら書いていくと思われます。
今年もよろしくお願いいたします。


♪Our Love

2016年もいよいよ終わり。
まぁ、一年の終わりなんて単なる区切りにしか過ぎないのだけれど、といいつつ毎年、一年の終わりにはその年を振り返る記事を書いている(笑)。
世界的にはいろいろと荒れた2016年だったけど、個人的には過去49年中でも珍しいくらいに穏やかな一年だったな。
反省も心残りもまるでない、フツーに穏やかな一年。
イラつくことやムカつくことがほとんどなかった。
それは実際にそういう気分を発火させるような案件が少なかったのかもしれないけれど、それ以上に、自分自身がちょっとのことでイラついたりムカついたりすることがなくなってきたのかも、という感じ。
ムカつくことがあっても表には出さず、ニコニコ笑いながら厳しいことが言えるようになってきた。本心ではないかもしれないことでもさらりと当たり障りのない気遣いの言葉が自然に言えるようになってきた。そんな感じ?いいトシの大人なら当然?50も前にしてやっと今頃かよ!という突っ込みも笑って受け入れましょう(笑)。

まぁ、そんな穏やかな年の瀬に似合う一曲、これなんてどうだろう。
マイケル・マクドナルドの“Our Love”。

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Sweet Freedom / Michael McDonald

穏やかで、包み込むようなあたたかさが素敵。
心からあなたを愛してるわ~♪、的にくどく盛り上がらず、淡々と、深く人生を見つめるような感じがいい。
それから、“My Love”じゃなくて“Our Love”なのがいいよね。自分だけの思いではなく、誰かとの間に育まれる共有の思いこそが愛なんだよ、なんて。

 Lost and lonely lives
 Floating like waves at sea
 We make it day by day
 Watching the world go by

 In a moment where time stands still
 From here we look out on forever

 Darling, our love
 One love that never fades away
 Our love
 This love will light the world on its way

「この愛はその方法で、この世界を照らしてくれるだろう」

イラつくことやムカつくことが少なくなった、その理由をたぐっていくと、行きつくキーワードは「愛」なんですよね。艶っぽいハナシではなくって、なんていうか、自分を取り巻く人やモノやコトをきちんと受け入れることができるかどうかのベースの部分でやっぱり「愛」が大切だな、と。
どんな人だって自分の思い通りになんて動くはずはない。それを権力や暴力で従わせようとするのはやるのもやられるのもまっぴら。まずはその人やモノやコトに愛情をもって接すれば、そのポジティヴな面が見えてくる。こちらがどう接しようとしているかは伝わるものなんですよね。うまくいくこともあればうまくいかないこともあるけれど、「愛」のある接し方をしていればだんだんと受け入れられていく。少しずつ信用されていく。愛されることがまた次の愛へのエネルギーになっていく。
そんなことに確信が持てるようになってきたようなね、気がします。
世界的にはいろいろと荒れた一年と書いたけど、まだまだこれからもっと荒れていく始まりでしかないようにも思えるんですよね。
そういう世界だからこそ、やっぱり「愛」が大事だと思いたい。

今年も一年、お世話になりました。
Wish You a Happy New Year,and Keep Our Love.



♪Christmas Time In Blue

クリスマス・イヴにどこで誰と過ごすのかは、ある時期とても大きな問題だった。
親や兄弟と一緒にいるのが嫌で、行く宛もないのに冷たい風の中を自転車こいでうろうろしていたこともあった。
アルバイトで居酒屋で夜中まで働いていた夜もあったし、彼女のいない男連中と汚い下宿で鍋してた夜もあった。つきあいはじめたばかりの彼女とふたりで過ごしていたら、そのことを知らない友だちが遊びにきて気まずい思いをした夜もあった。奮発してレストランでディナーをとったらなんだかその取り澄ました雰囲気があまりにも居心地が悪くて辟易したこともあった。
クリスマス・ケーキの配達に追われっぱなしのパン屋時代。クリスマスということすら思い出さないくらい仕事にまみれていた時期もあった。ボランティアで被災地で迎えたクリスマスもあったな。

今はもう、クリスマスをどこで誰と過ごすのかなんてことは気にならないけど、めずらしくのんびりした休日のクリスマス・イヴ。
ちょっといろんなことを思い出しながら、この歌を聴いていた。

佐野元春“Christmas Time In Blue”。

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No Damage Ⅱ / 佐野元春


愛してる人も愛されてる人も
泣いてる人も笑っている君も
平和な街も闘ってる街も
Mary Mary Christmas
Tonight's gonna be alright

大切な人も離れてゆく人も
よく働く人も働かない人も
うまくやれる人もしくじってる人も
Mary Mary Christmas
Tonight's gonna be alright

お金のない人もありあまってる人も
古い人達も新しい人達も
教えてる人も教えられてる人も
Mary Mary Christmas
Tonight's gonna be alright



ずいぶん風が冷たくて、雪になりそうなクリスマス・イヴ。
たくさんの人が、小さな幸せを少しでも感じられる夜であるといいな。


♪My Vintage & 蔵出しCD まとめ記事

My Vintage108枚+番外編10枚+蔵出しCD138枚、あわせて256枚。
2012年の10月からかれこれ4年と少し、好きなアルバムについて1枚ずついろいろと書いてきました。
256の意味するところは、ツー・ゴー・ロク、すなわちTo Go Rock、です。
今、こじつけました(笑)。

ピックアップしたものをこうして並べてみると、我ながらあっちこっちにとっちらかった好みだとあきれもするけれど、10代半ばから50直前の今までの間に自分自身がどういうものを好んできたか、そのときどきの自分が何を指向 /思考/嗜好してきたのかが浮かび上がってくるようでちょっと楽しいな。
そのときどきのそれぞれの自分が、この256枚の中から立ち上がってくる。
彼らの思いは今も損なわれずにこういう音楽の中で息づいている。それはつまり、僕の中でそのときどきの自分が今も生きているということだと思う。
この10年、ブログを書いてきてよかったな、と思うのは、そういう、ともすれば日々の忙しさや自分自身のルーズさによって時の彼方へ埋もれさせてしまうような思いや考えを言葉にしておけたことだと思う。
言葉にしたことは残る。形としてもそうだし、このブログがやがて消滅したとしても書いたことで自分の中に残る。
残してきた言葉がきっと、この先の自分自身のひとつの指針になるのだろう、と思うのです。

まぁ、そんなこんなの指針としてのTo Go Rockな256枚。
またいつか読み返すことがあるはずのその日のために、リストアップしておくことにします。
並びはざっくり年代順。


Billy Holiday/Lester Young “Musical Romance”
Count Basie “The Best of Early Basie”
Bud Powell “The Amazing Bud Powell”
Robert Nighthawk “Ramblin Bob ”
Jimmy Reed “I'm Jimmy Reed”
Stan Getz “East of The Sun”
Jimmy Rogers “Chicago Bound”
Ella Fitzgerald & Louis Armstrong “Ella & Louis”
Maharia Jackson “Sunday Morning Prayer Meeting”
Elvis Presley “Elvis Presley”
Art Pepper “Meets The Rhythm section”
Buddy Holly “The Best of Buddy Holly”
The Clovers “The Clovers”
Donald Byrd “Fuego”
Ben E King “The Very Best Of Ben E King”
Blossom Dearie “Once Upon a Summertime”
Everly Brothers “Gratest Hits”
Roy Orbison “The All Time Gratest Hits Of Roy Orbison”
Sam Cooke “The Man & His Music”
Jackie Wilson “Gratest Hits”
Marvin Gaye “Stubborn Kinda Fellow”
Gene Chandler “20 Gratest Hits”
Smokey Robinson “The Tracks of My tears”
The Rolling Stones “The Roling Stones”
The Beatles “For Sale”
The Kinks “Kinks”
The Who “My Generation”
Manfred Mann “The Singles Album”
Paul Butterfield Blues Band “Paul Butterfield Blues Band”
Mitch Ryder & the Detroit Wheels “Break Out”
Dextor Gordon “Gettin' Around”
Otis Redding “Live in Europe”
Gladys Knight & The Pips “Ultimete Collection”
The Doors “The Doors”
Eric Burdon & The Animals “Everyone of Us”
The Rolling Stones “Beggers Banquet”
Marvin Gaye & Tammi Terrell “Gratest Hits”
The Beach Boys “20/20”
Rahsaan Roland Kirk “Volunteered Slavely”
Simon & Garfunkel “The Best Of Simon & Garfunkel”
The Beatles “20 Golden Hits”
Free “Fire and Water”
The Velvet Underground “Loaded”
John Lennon “Plastic Ono Band”
Carole King “Music”
The Kinks “Muswell Hillbillys”
Yes “Fragile”
Rod Stewart “Every Picture Tells A Story”
Little Feat “Sailin' Shoes”
Al Green “I'm Still in Love With You”
Ringo Starr “Blast from Your Past”
Jeff Beck Group “Jeff Beck Group”
The Rolling Stones “Exile On Main Street”
Donny Hathaway “Live”
Aretha Franklin “Young Gifted and Black”
Bobby Charles “Bobby Charles”
友部正人 “にんじん”
Paul Desmond “Bridge Over Troubled water”
Paul Simon “There Goes Rhymin' Simon”
Donny Hathaway “Extansions of a Man”
Bonnie Raitt “Taking My Time”
Gram Persons “GP”
The Band “Moondog Matinee”
Tom Waits “Closing Time”
Harry Nillson “Pussy Cats”
Bryan Ferry “Another Time Another Place”
Dr.John “Gumbo”
Bobbi Humphrey “Black and Blues”
Bruce Springsteen “The Wild,The Innocent & The E Street Shuffle”
The Faces “Ooh La La”
J Geils Band “Bloodshot”
Dollar Brand “African Piano”
Johnny Winter “Still Alive and Well”
The Who “Quadrophonia”
Neil Young “On The Beach”
Ry Cooder “Paradise & Lunch”
Eric Clapton “461 Ocean Boulevard”
Bob Dylan “Planet Waves”
Joni Mitchel “Court and Spark”
The Faces “Snakes and Ladders”
Nils Lofgren “Nils Lofgren”
Dr.Feelgood “Malpractice”
Jimmy Cliff “In Concert”
Bruce Springsteen “Born To Run”
John Lennon “Rock and Roll”
上田正樹と有山淳司 “ぼちぼちいこか”
Lou Reed “Cony Island Baby”
David Bowie “Young Americans”
Curtis Mayfield “There's No Place Like America Today”
Bob Marley & the Wailers “Live!”
Allen Toussaint “Southern Nights”
Jackson Browne “The Pretender”
Ronnie Lane's Slim Chance “One For The Road”
Peter Tosh “Equal Rights”
友部正人 “1976”
RCサクセション “シングルマン”
Stevie Wonder “Songs In The Key of Life”
Mott The Hoople “Gratest Hits”
Jimmy Cliff “Follow My Mind”
Rahsaan Roland Kirk “Boogie woogie String Along for Real”
Ramones “Ramones Mania”
Johnney Thunders & The Heartbreakers “LAMF”
Sex Pistols “Never Mind the Bollocks”
Television “Marqee Moon”
Ian Dury & The Blockheads “New Boots and Panties”
Elvis Costello “My Aim Is True”
Richard Hell & the Voidois “Blank Generation”
泉谷しげる “80のバラッド”
The Jam “Extras”
Chaka Khan “Chaka”
Nicolette Larson “Nicolette”
Linda Ronstadt “Living In The U.S.A”
Van Halen “Van Halen”
Southside Johnny & The Aspberry Jukes “Hearts of Stone”
Dave Edmunds “Tracks On Wax”
中島みゆき “親愛なる者へ”
The Eagles “Long Run”
The Clash “London Calling”
Van Morrison “Into The Music”
PANTA & HAL “マラッカ”
The Blues Brothers “Briefcase Full of Blues”
Rickey Lee Jones “Rickey Lee Jones”
Thin Lizzy “Black Rose”
Tom Petty & The Heartbreakers “Domn The Torpedoes”
Bruce Springsteen “The River”
ルースターズ “The Roosters”
The Rolling Stones “Emotional Rescue”
Judy Mowatt “Black Woman”
柳ジョージ&レイニーウッド “Woman &I”
RCサクセション “ラプソディ”
Parliament “Gratest Hits(The Bomb)”
Boz Scaggs “Hits!”
Bill Withers “Gratest Hits”
Bobby Womack “The Poet”
Joe Jackson “Jumpin' Jive”
浜田省吾 “愛の世代の前に”
RCサクセション “Blue”
佐野元春 “Heartbeat”
Paul McCartney “Pipes Of Peace”
John Lennon & Yoko Ono “Milk & Honey”
Dexy's Midnight Runners “Too Rye Ay”
Huey Lewis & The News “Picture This”
Littele Steven “Men Without Women”
Joan Jett & The Blackhearts “I Love Rock'n'Roll”
中島みゆき “寒水魚”
佐野元春 “Someday”
アナーキー “Live”
ARB “魂こがして”
John Couger “American Fool”
Nick Heyword “A North of a Miracle”
Billy Joel “An Innocent Man”
The Pretenders “Learning to Crawl”
John Cougar Mellencamp “Uh-Huh”
Echo & The Bunneymen “Ocean Rain”
Big Country “The Crossing”
尾崎豊 “十七歳の地図”
The Police “Syncronicity”
James Ingram “It's Your Night”
UB40 “Lobour Of Love”
Michael McDonald “Sweet Freedom”
Peter Wolf “Lights Out”
ARB “Yellow Blood”
Lou Reed “Live in Italy”
The Alarm “Decralation”
Twisted Sister “Stay Hungry”
The Cars “Heartbeat City”
小山卓治 “ひまわり”
Glenn Frey “The Allnighter”
The Honeydrippers “Volume 1”
Tom Petty & The Heartbreakers “Southern Accents”
John Forgerty “Centerfield”
Marshall Creshaw “Down Town”
Willie & The Poorboys “Poorboy Boogie”
The Waterboys “This is the sea”
Nick Lowe “The Rose Of England”
仲井戸麗市 “ザ・仲井戸麗市・ブック”
憂歌団 “Summer Doze”
Phil Collins “…Hits”
The Style Council “Our Favoulite Shop”
Lone Justice “Lone Justice”
ザ・バブルガム・ブラザーズ “Soul Sprit PartⅡ”
Tom Waits “Rain Dogs”
Gregory Abbott “Shake You Down”
Billy Bragg “Talking with the Taxman about Poetry”
Ornette Caleman &The Primetime “Virgin Beauty”
Steve Winwood “Back In the High Life”
Dire Straits “Brothers In Arms”
The Costello Show “King Of America”
Bob James/David Samborn “Double Visions”
Peter Gabriel “So”
あがた森魚 “永遠の遠国の歌”
渡辺貞夫 “Goodtime For Love”
Paul Simon “Graceland”
忌野清志郎&Razor Sharps “レーザー・シャープ”
Los Lobos,Others “La Bamba”
P.I.L “Compact Disc”
Prince “Sign O' the Times”
Billy Vera & The Beaters “By Request”
レッド・ウォリアーズ “Casino Drive”
エコーズ “Good-Bye Gentle Land”
Suzanne Vega “Solutude Standing”
Pogues “If I should Fall From Grace With God”
RCサクセション “Marvy”
Patti Smith “Dream Of Life”
ザ・プライベーツ “モンキー・パトロール”
Fairground Attraction “First of a million Kisses”
Boy George “Sold”
Ruben Blades “Nothing But Truth”
RCサクセション “カヴァーズ”
ボ・ガンボス “Live at 磔磔 1988”
George Adams “America”
佐野元春 “ナポレオンフィッシュと泳ぐ日”
エレファントカシマシ “浮世の夢”
Anita Baker “Giving You The Best”
Bonnie Raitt “Nick of Time”
シオン “Strange But True”
Vaughan Brothers “Family Style”
Aztec Camera “Stray”
George Thorogood & The Destroyers “Boogie People”
Luther Vandross “Power of Love”
川村カオリ “Church”
麗蘭 “麗蘭”
忌野清志郎 “メンフィス”
Patty Smyth “Patty Smyth”
上々颱風 “愛があるから大丈夫”
Roy Orbison “King Of Hearts”
ブルーハーツ “Stick Out”
Stray Cats “Original Cool”
Peabo Bryson “Through the Fire”
Doug Legacy “King Cake Party”
The Rolling Stones “Voodoo Lounge”
Charlie Haden/Hank Jones “Steal Away”
Nevil Brothers “Mitakue Oyasin Oyasin”
石田長生 “Juke Box”
山下達郎 “Treasures”
Joe Zawinul “My People”
Patti Smith “Gone Again”
Curtis Mayfield “New World Order”
Nanci Griffith “Blue Roses From The Moons”
Marc Johnson “Sound of Summer Running”
Cee Cee Winans “Everlasting Love”
三宅伸治 “615”
U2 “All That You Can't Leave Behind”
矢野顕子 “Home Girl Journey”
Joe Strummer “Streetcore”
Paul Weller “Modern Classics”
ハナレグミ “日々のあわ”
Littlle Willies “For The Goodtimes”
Matthew Sweet & Susanna Hoffs “Under the Covers”
原田知世 “Music & Me”
古謝美佐子 “廻る命”
Rod Stewart “Soul Book”
夏川りみ “おきなわうた”
Buddy Guy “Living Proof”
佐野元春 “Zooey”
Aaron Neville “My True Story”
The Rolling Stones “Blue and Lonesome”





♪BLUE & LONESOME

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Blue & Lonesome / The Rolling Stones

Just Your Fool
Commit A Crime
Blue And Lonesome
All Of Your Love
I Gotta Go
Everybody Knows About My Good Thing
Ride 'Em On Down
Hate To See You Go
Hoo Doo Blues
Little Rain
Just Like I Treat You
I Can't Quit You Baby

長らく続けてきたこの「蔵出しCD」のシリーズ、今回が最終回です。
ラストに選ぶのは、実に11年ぶりの、待ちに待ったジイサンたちの新譜。
出たばっかりのニュー・アルバムを「蔵出しCD」と言ってしまっていいのかとも思いつつ、コレに関してはいいのだ。なにしろ“構想50年”というシロモノですから。

最初、ストーンズがブルースのカヴァー・アルバムを出すと聞いたときにイメージしたのは、キースのソロみたいな渋い感じのもの。キースの顔に刻まれたシワみたいに年輪を感じさせてくれるような枯れた感じのブルース・アルバムになるのかな。ジイサンたちももう70越えだもんな。新しいもの尖ったものばっかり出てくる方が不釣り合いだし、そういう熟成されたストーンズを聴いてみたいな、という思いもあった。
で、そのイメージが、こうも見事に気持ちよく裏切られるとは!というのが正直な感想。
やられました。
あー、なるほど。
ストーンズが素直にすごすごと年相応に枯れたブルース・アルバムなんぞ、そもそも出すわけないよね、って。
なにしろ元気な音。やかましいくらいの。
ギターもギュンギュン鳴ってるし、リズムもタイトだし、何よりミックがものすごーく気合い入ってるよね。

ふと思い出したのは、もう30年も前に山川健一がパリでミックにインタビューしたときのエピソード。ミックが初ソロ“She's The Boss”をリリースした頃だから1984年だな。「好きなブルース・マンは誰ですか?」との山川氏の問いに「マディー・ウォータース、それからハウリンウルフは最高だよな。」と答えていた。
なるほど、カバーした12曲のうち、ハウリンウルフが2曲というのはミックの好みなんだろう。
ジミー・リードとエディー・テイラー、ライトニン・スリムあたりは確かにミックもキースも大好きなんだろうな、という気がするけど、リトル・ウォルターが4曲も、ってのはちょっと意外。おそらくはミックがハープを吹きまくりたかったからなんだろうな(笑)。或いはミックもキースもそのときたまたまそういう気分だったのか。

先の84年のインタビューで、ミックはこんなことも言っている。

「ストーンズは、ブルースの、もって回った言い回しを使わず言いたいことをそのまま言う、って方法で出発したんだ。好きだなんて言わずに、やりたい、とかね。」

「それまでのイギリスにはつまらない音楽しかなかったけど、俺たちはリズム&ブルースを発見した。こいつは素晴らしい音楽だ、と思ったんだよ。それを一人でも多くの人に知ってほしかった。そういう使命感を俺は今でも持ってるんだよ。」

当時のきらびやかなミックのソロ・アルバムからは裏腹に感じたし、使命感なんてものがミックのイメージとは真逆で意外に思いもしたのだけれど、表向きああやって新しいものを追いかけて派手に商売しているようでも根っこのところでは自分のルーツを大切にしているんだな、って。
その当時はわからなかったんだけど、人間多少トシ食ったからってそうそう変わるものでもないんだろうね。
当時40代前半だったミックの中では、10代の頃に鮮烈に衝撃を受けたブルースという音楽への敬意や憧れが、10代の頃とまったく変わらないままあったんだろう。誰がどうみても世界をうならせるトップ・スターのミックの中に、普通に10代の落ちこぼれの少年が存在していて息づいている。周りが言うほど、環境が変わったほどに本人自身はまるで変わってはいない。
そういうものなんだな、ということは自分自身が40代になってようやくわかった。
そして、そうだとすると、70を過ぎたミックの中にはきっと今も10代の少年が息づいている。ブルースに出会った頃の「こんなふうに歌いたいことをストレートに歌うんだ」という思いや、ストーンズを始めた頃の「ブルースの伝道師」としての使命感がミックの中では今も自然に、普通にある。
古い音楽、懐かしい思い出としてではなく、10代で聴いた衝撃をそのままに今もミックの中で鳴っているブルースを今までと同じように演ってみた。
きっとそういうことなんだろう。
だとすれば、老いることなんてまるで恐れることはない。
今、胸の中で鳴り響いているものをそのまま持ち続ければいいのだ。
この活きのいいブルース・レコードから、僕はそんなふうに力をもらったのだ。


♪THE BEST OF SIMON & GARFUNKEL

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The Best Of Simon & Garfunkel / Simon & Garfunkel

The Sound Of Silence
Homeward Bound
I Am A Rock
The Dangling Conversation
Scarborough Fair/Canticle
The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)
A Hazy Shade Of Winter
At The Zoo
Fakin' It
Mrs. Robinson
Old Friends/Bookends
The Boxer
Bridge Over Troubled Water
Cecilia
The Only Living Boy In New York
Song For The Asking
El Condor Pasa (If I Could)
For Emily, Wherever I May Find Her (Live)
America
My Little Town


 こんにちは、暗闇君
 僕のたった一人の古くからの友人
 今日も君と話をしたくって
 なぜって
 僕が眠っている間に幻影が残していった種が
 僕の脳みその中で育っては繰り返すんだ
 沈黙の音楽を伴って

 不安定な夢の中を僕は一人歩いていた
 コブルストーンの狭い通りを
 街灯に目が眩み 
 僕は寒さに襟を立てて黙り込む
 ネオンライトのフラッシュが僕の目に突き刺さり
 夜は引き裂かれ
 沈黙の音楽に触れた

 そして裸の光の中で僕は見たんだ
 1000人、いやもっとそれ以上の人々が
 話すことなく語り合い
 聴くことなく耳を傾け
 決して分かち合うことが出来ない声で歌を書く
 そしてそのことに誰も気に留めることすらなく
 沈黙の音楽を乱すものは無い

 「そんな馬鹿な」と僕は呟く
 沈黙はまるで癌のように転移していく
 僕が君に伝えたかった言葉を聴いてほしい
 あなたへとさしのべた手をとってほしい
 けど僕の言葉は静かに降り注ぐ雨粒のように
 沈黙の井戸の中でこだましているだけ

 そして人々は拝み祈る
 自分たちで創り上げたネオンの神様に
 ネオンサインは激しく警告し続ける
 「預言者の言葉は地下鉄の壁や下水道の穴に記されている」と
 沈黙の音で囁いている
       (The Sound Of Silence)

音楽に言葉が必要か否か、二者選択でどうしても答えなければならないとするならば、必ずしも必要ではないと答えると思う。
音楽とは、リズムであり音色でありメロディーでありハーモニーでありアンサンブルである。演奏者たちの“思い”や“気”がそこにあるとき、言葉そのものの持つ意味は二次的なものになる。
けれど、時に音楽に言葉を乗せることが、言葉の持つ意味を、演奏者の表現したい世界観を、はるかにわかりやすく聴き手の心の奥深くに届かせてしまうことがある。
そのことを初めて体感したのが“The Sound Of Silence”だった。
こんなにも美しいメロディーとハーモニーを持った歌が、こんなにもシュールでペシミスティックで絶望的な世界観を持っているなんて。或いは、こんなにもシュールでペシミスティックで絶望的な世界観を持った歌が、美しいメロディーとハーモニーに乗ることで、違う響きを持って多くの人の心に届いていくなんて、という驚きがあった。
それが中学生の頃だ。
それ以来、サイモン&ガーファンクルはずっと大好きなアーティストであり続けているのだけれど、正直ロックやパンクやブルースの世界を知れば知るほどに、サイモン&ガーファンクルの音楽はどこか優等生的で軟弱な音楽のようにも感じられて、あまり人前でサイモン&ガーファンクルが好きだと言うことはなかったと思うし、実際今でもそうなんだけど、40代を越したくらいからようやく、彼らの音楽の持つ深みを素直に受けとめられそうな自分がいることに気付いたりしたのだった。
どことなく落ち着くというか、心の少し深いところで安心して受け入れることができるような癒しを得ることができる音楽。また情感のみならず思考や思索を促されたりという点でも共感要素が高いところがあって。
“Scarborough Fair”の静寂の中にあるひりひりとした痛みの感覚。“El Condor Pasa”にある叶わないものへの憧れと悲しみ。“America”で歌われる未来への不安感や果てしない怖れ。去っていく友を励ましつつ独り取り残される密やかな孤独感を歌った“The Only Boy In New York”、こんちくしょう!って叫びながらなにもかもぶっ壊してしまいたくなるように胸がしめつけられるような狂おしさを持った“The Boxer”、大人になっても生まれ育った町での経験に引き戻されてしまうことへのなんともいえない気持ちを歌う“My Little Town”。
全部が全部、心の中にある窪みみたいな場所の形とぴったりとフィットするようにはまるんだな。

 「神様はいつも私たちの行いを
 全てご覧になられています」
 そう信じこまされていたんだ
 生まれ育った小さな町で
 なんだかすごくうっとおしかったんだ
 神様は僕が壁に向かって忠誠を誓うよう
 僕の頭を押さえつける
 なんだかな
 今も思い出させられちゃうよ
 僕の小さな町でのこと
    (My Little Town)

そんな気持ちを抱えながらあの町を出て、早や32年。
今ではもうその頃のことを思い出して悔しくなったりうちひしがれたりすることはないにせよ、サイモン&ガーファンクルの歌はいつもそんなふうだった自分のことを思い起こさせてくれる。
ただ、懐かしさを呼び起こすのではなく、その頃に感じていたいろんな悔しさややりきれなさを。
そして、そういう場所と今いる場所をひとつに結んだ上で、その先に向かうべき方向を指し示してもくれる。
そんな気持ちの時に聴く“Bridge Over Troubled Water”なんかには、ほんとうに力と勇気をもらえるような気がするんですよね。

 元気をなくしてしまったとき
 自分がとても小さく思えてしまうとき
 涙が浮かんでしまうのなら
 乾かしてあげたいとそう願う
 あなたのそばにいるよ
 時代がどんなにすさんでも
 友が見つからなくても
 
 荒れる海の中に身を投げ出している
 あの橋のようでありたい
 荒れる海の中に身を投げ出している
 あの橋のようでありたい  
    (Bridge Over Troubled Water)

ピアノから入って、弦楽団が盛り上げて、というおよそロックっぽくない、イージーリスニング的リスナーに媚を売ったようなあざといアレンジではあるけれど、そのあざとさも含めていい曲だな、と思う。
なんか背筋が伸びるというかね、しゃんとしなくっちゃ、って、まるで国旗掲揚のときに国旗がするすると昇っていくのを見守るように背筋が伸びる。
まだもうちょっとがんばらなくっちゃね、って気持ちになる。
今年ももう12月、2016年もあっという間に過ぎ去ろうとしている。
あと何年、あとどれくらい、どんな想いを経験していけるんだろうな。
なんて。

サイモン&ガーファンクルの歌を聴くと必要以上に感傷的になってしまう。
でも、そういう音楽が持つ効果に、僕たちはいつも救われているのだと思う。



♪QUADROPHENIA

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Quadrophenia / The Who

I Am The Sea
The Real Me

Quadrophenia
Cut My Hair
The Punk And The Godfather
I'm One
The Dirty Jobs
Helpless Dancer
Is It In My Head?
I've Had Enough
5:15
Sea And Sand
Drowned
Bell Boy
Doctor Jimmy
The Rock
Love, Reign O'er Me

冷たい冬の風が容赦なく吹いて嵐になりそうな海の音。
遠い叫び。
そこへ、ジョン・エントウィスルのベースがガツーンとと唸りをあげて、キース・ムーンがドカドカと叩きまくる。ロジャー・ダルトリーがシャウトを決めて、ピート・タウンゼントがジャキジャキと空気を切り開く、オープニングの“The Real Me”。
頭の中、真っ白になる。
この瞬間のためにこのアルバムがあるといっても言い過ぎではないくらいかっこいい。

このアルバムにある怒涛の勢い、圧の高さは圧倒的だな。聴いているうちに気を失いそうになる。あっち側の世界へトリップしちゃうような気分になる。
聴き終わったあとには、トータルの物語性やそれぞれの楽曲の細部とかよりも、ドドドドドーンと圧倒されてしまった印象だけが強く強く残る。

ザ・フーというのは不思議なバンドだ。
それぞれがそれぞれに好き勝手にやりたい放題にやっているようでいて、その4人の演奏がまとまるとものすごい破壊力を発揮する。
ラブ・ソングなど一曲もない辛口で抽象的で哲学的な世界観と太くて荒々しい音の塊、一見融合しそうもない繊細さと豪快さが見事に同居している。鋼鉄の塊みたいに重く、かみそりみたいにシャープで、しかし頭はとてもクールで冴えている。愛も憎しみも高尚も低俗も道徳も不道徳も希望も絶望も全部、しかもそれは裏表や左右の対になる関係性ではなく、地続きの同じ場所で入り混じって見る角度によっていかようにも見えるようにして存在している。
まるで難解な抽象画みたいに。
でも、わかりにくい抽象画だからこそ、非現実的な景色をそのまま伝えてくれるようなところがあって。
世の中って実際そうだもんな。
誰かが100%の敵で誰かが100%の味方なら、或いは何かが100%の正義で何かが100%の悪ならば、そんなにわかりやすいことはない。現実を単純化してそのように解釈してしまうことも可能だろうけれど、それは単純な風景画みたいなものでしかなくって、現実はやっぱりもっと複雑に入り組んで混沌としている。
そういう場所にいるんだ、そういう場所から物を考えなくてはいけないんだ、ということをザ・フーの音楽は示唆してくれるのだ。
そして、その複雑で混沌とした世界を渡っていくためにやるべきことの手掛かりとして、好きに、思った通りにやってみるのもアリなんじゃないか、って思わせてくれる。



♪TREASURES

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Treasures / 山下達郎

高気圧ガール
スプリンクラー
ゲット・バック・イン・ラブ
風の回廊
アトムの子
エンドレス・ゲーム
踊ろよ、フィッシュ
ターナーの汽罐車
土曜日の恋人
ジャングル・スウィング
世界の果てまで
おやすみロージー(Angel Babyへのオマージュ)
クリスマス・イブ
さよなら夏の日
蒼氓(そうぼう)
パレード

中学生の頃に意識的に音楽を聴き始めてから、かれこれもう35年以上。早いものですよね。
その当時すでにトップ・ミュージシャンで、かつ今までずっと継続して質の高い音楽を作り続けているミュージシャンといえば、井上陽水、小田和正、松任谷由実、桑田佳祐、そして山下達郎の名前が浮かぶ。
山下達郎って、最初はもっと軽薄なミュージシャンだと思ってたんだ。
夏・海・タツロー、という言葉があったくらい、おしゃれでイケてるナウなヤング(笑)向けのリゾート・ミュージックの人だと。かっこいいと思ったよ。“Ride On Time”も“Sparkle”も。『For You』もよく聴いていたし。でも、田舎の新興住宅街のしょぼくれた童貞中学生にとっては、共感要素ゼロだったのだ。かすりもしない(笑)、憧れすらしようもない。
で、どんどんロックを聴くようになってからはどんどん遠ざかっていった。あんな軽薄なもの、聴けるもんか、って。
それが、意外とシリアスなミュージシャンなんだな、って思ったのが、大学生になってから出た『Pockt Music』。聴けるもんか、って言いながら聴いてたのね、実は(笑)。で、その次のアルバム『僕の中の少年』でそれが決定的になった。このベスト・アルバムの中で唯一シングル曲ではないのに収められている“蒼氓”が入っていた。

 さみしさは琥珀となり ひそやかに輝き出す
 憧れや名誉はいらない 華やかな夢もほしくない
 生き続けることの意味 それだけを待ち望んでいたい
      (蒼氓)

あ、あの達郎さんがこんな歌を歌うんだ、って。
もちろん、シリアスだったら高級だ、色恋沙汰やリゾートの音楽が低俗だ、っていうものではない。
でも、表現するということは何であれ生き方と向き合うということであって、達郎さんの音楽にはそういう人生と真摯に向き合うアティテチュードが表現の核にあるのを感じるのですよね。表面上に見えている部分の奥にある見えていない部分、それがあるからこその深みというか。

学究的に深く音楽を追求し、マニアックな音作りをするミュージシャンはたくさんいる。ポップなフォーマットで広くリスナーを獲得するミュージシャンもたくさんいる。自分の思いを歌にのせて歌うミュージシャンもたくさんいる。
でも、クリエイターとして「パッと聴いてもいい」、「じっくり聴き込んでもいい」、一般リスナーからマニアまでを広くとらえるクオリティーとポップさを保ちつつ、パフォーマーとしては自己がにじみでるような親しみのある表現をし、批評家としての視点と表現者としての深みを併せもった人というのはそうそういないのではないかしら。
そういうスタンスから生み出された作品は、安っぽい「真実」だとか「自由」だとか「魂」だとかいうボキャブラリーで余ったエネルギーをただ吐き出すだけの自称ロック、なんかよりも遥かに真実により近く、自由で、魂が込められているような気がするのです。





♪STEAL AWAY

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Steal Away / Charlie Haden & Hank Jones

It's Me, O Lord (Standin' in the Need of Prayer)
Nobody Knows the Trouble I've Seen
Spiritual
Wade in the Water
Swing Low, Sweet Chariot
Sometimes I Feel Like a Motherless Child
L' Amour de Moy
Danny Boy
I've Got a Robe, You Got a Robe (Goin' to Shout All over God's Heav'n)
Steal Away
We Shall Overcome
Go Down Moses
My Lord, What a Mornin'
Hymn Medley: Abide With Me/Just as I Am Without One Plea/What a Friend We Have in Jesus/Amazing Grace

すっかり深まった晩秋の何でもない一日に、ぼんやーりしながら聴いているのは、ピアノとベースの二重奏です。
録音当時76才のハンク・ジョーンズ師と、チャーリー・ヘイデンのデュオ。
このレコードから聴こえてくる、何気ない穏やかな感じがなんともいい感じなのです。
演奏されているのは主に古い黒人霊歌や讃美歌。
なんだか日曜日の教会を思い起こさせるような。
おばあちゃんに手を引かれて礼拝堂に入って、周りの大人たちの普段とは違う神妙な面持ちに少し戸惑いつつも「人間にはいろんな面があるんだな」なんて感じながら見よう見まねでお祈りの言葉を口にする、そんな経験があるわけではないのに、そんなことを思い出すような不思議な感覚になってしまう。
教会の机の木の香り、ひんやりとした空気、ステンドグラスの不思議な色合い、その向こうに見えた大きな木に揺れる緑の葉っぱ、薄い水色の高い空。そんなことを思い出す。確かな記憶かどうかですら定かではないのに、ぼんやりと、けれどはっきりと。

ヘイデンさんのベースの、なんとも包容力のある音が素敵ですね。
あたたかくて丸みを帯びた音。それもただ丸いだけではない。長い年月を経て熟成されて角がとれてきたような丸み、というか。芯のところでは強い意思を保っていて、それが深いコクとまろやかさのある極上の味わいになっているのだと思う。
寄り添うハンク・ジョーンズさんのピアノも実に味わい深い。でしゃばらず、穏やかな微笑みを浮かべながら、楽しそうにピアノを歌わせている。
なんていうか、このお二人の演奏には、敬意が感じられるのです。
音楽への敬意、普通の暮らしへの敬意、普通に生きている人々の日々の営みへの敬意、そういう暮らしを繰り返してきた先人たちへの敬意。
忙しい毎日でついつい忘れてしまいそうな、そういう感覚。
大切なことだと思います。
そういうことを感じさせてくれるお二人の演奏に感謝。



◇カラスの教科書

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駅から仕事場へは徒歩5分くらいなのだけれど、直通の大通りではなく、少し回り道になる裏通りを歩くようにしている。理由は、出勤前にタバコを一本吸っていきたいから。人通りの多い大通りではとても吸えないから。
その裏通りは、夜は飲み屋街で、朝イチにはあっちこっちにゴミが出してあって、そのゴミを狙ってカラスがたくさんうろうろしている。近所には大阪城公園もあるのでねぐらも多いんだろうね。
そのカラスを観察するのが、この裏通りを歩くもうひとつの楽しみで。
カラス見るのって楽しいよね、っていうとちょっと怪訝な顔をされるのが関の山なんだけど、実際楽しいし、よくみるとけっこうかわいいんですよ、カラスって。
おっ、今日も元気に漁ってるな、なんて。

先日東京へ行ったときも、朝から歌舞伎町でカラスの観察して遊んでました。
午前9時を過ぎてまだゴミを漁ろうとしているのは、朝イチのまだ人が少ない大漁の時間帯に食いっぱぐれた若いカラス。カラスにはある程度の社会があって、強い奴から順に飯にありつけるらしい。たくさんでゴミを漁っているように見えてもよーく見ると一羽一羽順につついていることが多いですね。
そして、実はとても臆病。
ゴミの山が積んであっても、ちょっとでも人が通るとさっと飛び立ちます。
電柱の上とか、屋根の上からまずはじっと人間を観察しているんですよね。近づくと逃げられるので、警戒されつつ少し離れた場所から観察。
人通りが途切れると、安全な距離を保ちつつ、ひょこひょこと屋根を伝っていく。目的のゴミに最短距離まで近づいたあと、ふわっと飛んで着地、ぴょこぴょこごみ袋に近づいてゴミをつつく。目的物をゲットしたらさっと屋根の上に戻ってから食べる。
こんな具合です。

①     →②    →③    →④
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①高い看板の上からまずは観察
②人が通り過ぎたら、一段下の看板にぴょん
③テントの屋根へとさらに近づいて
④ひらりと飛んで着地、エサをゲットしたらまたひらり

周囲の様子を観察しつつ、じわりじわりとタイミングを見計らいながら距離を詰めていく技。
カラスの臆病で慎重、かつ計画的な様子がよくわかります。


そんなカラス好きにとってたまらなく楽しいのがこの本。
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カラスの教科書 / 松原 始

著者は大学の助教授で、博物館での研究員の傍らでずっとカラスの研究をしているらしいけれど、随所に現れるカラス愛が素敵。
だからといってべったり持ち上げじゃなくって、時には学術的な視点でクールに、時にはあほくさいくらいのカラス愛まるだしで、そのバランス感覚がとても好感が持てるのです。

カラスというと、ゴミを漁って迷惑、ということで嫌われていますが、そもそもカラスはハイエナなんかと同じで自ら狩りをする能力には秀でていない分、強いものが食べ残した死肉などを食べることを生存戦略としてきた鳥のようです。森林の屍のかわりが、都会の強者である人間が残したゴミ、というわけですね。そこにエサがあるから群れる。カラスとしては昔からやってきた方法が、たまたま都会の環境と一致した、というだけのこと。
墓場に集まって不吉、というのも、お墓は人通りが少なくお供えなどのエサがあるので集まりやすい、ということのよう。
人を襲う、とか、女子供を見分けている、なんてこともよく言われますが、仮に襲うことがあるとすれば、それは子育ての時期に人間が不用意に巣に近づいたときだけなんだそうです。女子供は見分けているというよりは、背が低い相手とのほうが距離感を詰められてもまだ大丈夫、ということによるもののようです。
人間は妙に生き物の行動を擬人化したがりますが、彼らには彼らなりの行動論理があるわけですね。

と、まぁ、この本で得た知識も思い出しつつカラスを観察するとより楽しめます。
あー、なるほど、そーゆーことかー、なんて。
人間がなんだかんだ言っても、カラスたちのやっていることは今日を生き延び明日を生きるためのエサの確保と、子孫を残すための繁殖のための行動。彼らの暮らしている環境は都会であっても野生なんですね。そして野生は毎日がサヴァイヴァル。食うか、のたれ死ぬか、やるべきことはシンプル。
そういう意味でカラスの観察は、都会で野生の行動を観ることができる数少ない機会、生き物とは何ぞや?というヒント、大袈裟に言えば生きるとは何ぞや?ということを考える上でもためになります。

ま、そんなこんなでカラスの観察が毎日のちょっとした楽しみになっているのですが、なんでこんなにカラスが気になるんだろ、なんて思いつつ、この本の最後のページの記事、【あなたのカラス度診断】っていう記事を見てちょっと自分でも笑ってしまった。

【あなたのカラス度診断】
1・ワードローブがなんとなく黒いと思う。
2・何でも食べます。好き嫌い?ダイエット?何ソレおいしいの?
3・「情報通」「物知り」と言われる方だ。
4・結構、器用。っていうかムダに器用かも。
5・周囲に「実はヤバそうな奴」と誤解されている気がする。
6・好きな歌を聞くと無意識に口ずさむことがある。しかも完コピ。
7・群れるのは別に嫌いじゃない。義務感はないけど。
8・気になるものを見つけると立ち止まってチェックしないと気がすまない。
9・でも、石橋を叩いて他人に渡らせるタイプだ。掲示板では半年ROMる。
10・見つけたものは食べてもいいと思っている。

これ、ほとんど当てはまる。
要は、俺、カラスだったんだ、って。
ムダに器用、とか、もうそのまんまですわ(笑)。



♪11月12日 東京

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もはや毎年、秋の恒例行事となっている伊勢のロック・バンド“めれんげ”の東京ライヴ。
もう何回めだっけ、って数えてみたら6回目の参戦、つまりは6年目だった。
なんで毎度毎度わざわざ東京まで行くのか、伊勢のバンドが東京で毎年ライヴ演ってるのか。
実はお客さんのほとんどはVo&Gのkonomi氏がご自身のblogからのつながりで集まるのですよね。
遠くは高知や名古屋、石巻から。僕も京都から新幹線でかけつける。
blogつながりの友人がここでリアルの友達になる。毎年毎年そうやって仲間が増えていく。
なじみの皆さんとの年に一度の再会、そして新しい仲間との出会い。
それがまずは楽しいのです。
インターネットって、ほんとすごいよね。
日常の暮らしの中で、大好きな音楽のことを語る機会っていうのは実際限られているし、意気投合できる人もそんなにはいない。でも、日本中には同じようなものが好きで同じような思いで生きている人たちがたくさんいるんだな、って。
同じようなものが好き、っていうのはね、極端な言い方をすれば、心のある部分がとても近い、とても似ているんだと思うんですよね。だから気が合うのも早い。ずいぶん昔から知っているような気がしてくる。
あ、俺だけじゃないよな、ってね、すごく元気をもらえるような気持ちになれるんですよね。

ただ、“めれんげ”のライヴへ僕がわざわざ遠方から足を運ぶのは、それだけじゃない。
konomiさんが友達だからだけじゃない、50過ぎて仕事とバンドを両立させてい頑張ってる皆さんを応援するためだけじゃない。
彼らのライヴに立ち会うことで感じるものがあるからだ。
何かが動いて、大袈裟に言えばその結果として次の日からの僕の人生の何かが少しバージョンアップするからだ。
“めれんげ”の音には、konomiさんの歌には、そういう何かがあるんですよね。
たぶん、本人もそういうことを感じてほしくてこのライヴに本気で向き合ってるはず。
もちろんそんな風には感じさせないように飄々と能天気を装いながら。そういうとこも大好きなんだけどね。

そんなkonomiさんの人柄に惹かれてみんなが集まってくる。
そこには、魅力的な人柄がにじみでた歌がある。
そして、歌の魅力を受けとめて音にしていくメンバーたちがいる。
「俺はね、ほんと恵まれてると思うのよ。譜面書けないからね、こんな感じ、あんな感じって言うと、それを感じてそういう音を出してくれるのは有難いよね。」
ステージでkonomiさんがこんなことを言っていたんだけど、そういうのが一番のバンドの楽しさですよね。

今聴いているのは、そんな“めれんげ”のライヴ音源集。

無題

あれからもう一週間もたっちゃったんだな。
あの日の熱く、それでいて不思議に和やかな空気を思い出します。

konomiさんの歌があって、それを感じて、音を重ねていく。リズムを合わせていく、観客のリアクションがまたメンバーに伝わっていく。そうしてその場に音楽を真ん中においたひとつの共有空間ができあがっていく。
一方的に歌いたいことを歌っておしまいじゃない、バンドとの空気、お客さんとの空気の中ではじめて完結する歌、それがkonomiさんの歌の一番の魅力で、そういう場の空気が、本当に、普段の生活では味わうことができない楽しさに満ちていて。
そういう楽しさっていうのは本当に宝物みたいにキラキラしてて。宝物っていうより、あるステージをクリアした人だけがゲットできる強力なアイテムっていう感じのほうが近いかな(笑)。
「楽しい」や「シアワセ」は、勇気や元気のエネルギー源で、何かめんどくさいことやめげそうなことがあったとき、一歩踏み出さなくっちゃいけないとき、そういう「楽しい」や「シアワセ」をたくさん持っていればいるほど、バッドな出来事でもポジティヴに向きあっていけるような気がするんですよね。

そんな勇気や元気の源をいっぱいくれる“めれんげ”東京ライヴ。
また来年、でもたぶん、来年なんてあっという間やね。



♪BILL WITHERS' GREATEST HITS

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Bill Withers' Greatest Hits / Bill Withers

Just The Two Of Us (With Grover Washington Jr.)
Use Me
Ain't No Sunshine
Lovely Day
I Want To Spend The Night
Soul Shadows (With The Crusaders)
Lean On Me
Grandma's Hands
Hello Like Before
Who Is He What Is He To You

秋も深まるにつれ、懐の深い歌ものが恋しくなります。
どこか不器用でゴツゴツしていて、でもどこか繊細でやわらかくて、おおらかというか懐が深いというか。
というわけで、ビル・ウィザース。
はっきり言って地味です。
きらびやかさやかっこよさ、いわゆるスターっぽさとは無縁。泥臭くて男臭くはあるけれど、いわゆる親分肌兄貴肌のやさぐれブルース・マン的なワイルドさは微塵もなく、ジェントルだけどキザっぽい男のそれとはまるで違う。まるで黙々と働く職人のように寡黙で、繊細。遠慮がちで自信なさげに淡々としているけれど、こと仕事においてはプロフェッショナル。

ビル・ウィザースはウエスト・ヴァージニア州スラブフォークという小さな田舎町で六人兄弟の末っ子として生まれ、17才のときに海軍に入隊。9年間在籍し、その後飛行機の整備士など数々の仕事を転々とし、デビューしたのは30才を過ぎてから。また、生来の吃音であったという。
いろんな経験をしてきたんだろうな、若気のいたりで調子にのって人を傷つけたこともあったのだろう。そして傷つけられもしたのだろう。そんないろんな経験を踏まえた深みがこの人の声にはある。そしてその深みのある声は、とても優しい。

優しさというのは心の許容量のことだ、って昔誰かが言っていた。
相手のことをどこまで許せるか、どれだけ受け入れられるか。相手のふるまいの背景にあるもの、心の奥にあるものをどれだけ慮ることができるか。
僕は心が狭いから、ついつい「むかつく」だの「許せない」だの「いいかげんにしろ」だのめちゃくちゃ言っちゃってから、ああ、またあんなこと言っちゃったな、って反省してばっかりなんだけど、それでもいろんな経験をして、心の許容量は少しずつだけど広がってきているようには思う。まぁ、周りの人から見たときそれはどうなんだかよくはわからないけれど。
優しいだけの男になんてなりたくはないと思ってきた。嫌われても煙たがられても、自分の主張はするぜ、って。
でも、最近特に思うんですよね。
そんなふうに突っ張ってはみても、やっぱり一人では生きられない。自分と違う立場の人のふるまいを一度受け入れたり、いちいちひっかからずに受け流したり、ってことも大切だな、って。
つまらないことにいちいちこだわるよりも、もっと懐を広くもって余裕があるほうがかっこいいよな、って。
たぶん、小さなことにこだわることが自分自身の証だと思っていたんだと思う。でも、もう、いちいち小さなことにこだわらなくっても、そうそう揺るぎはしないんじゃないか、って。

ビル・ウィザースの懐深くあたたかい声には、ついついそんなことを考えさせられてしまうのですよね。
深まる秋、人生もいつのまにかどんどん秋深くなっていく。
それはそれでいいことだ。
秋には秋の楽しみがあるはずだもの。


♪YOUNG GIFTED AND BLACK

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Young Gifted and Black / Aretha Franklin

Oh Me Oh My (I'm a Fool for You Baby)
Day Dreaming
Rock Steady
Young, Gifted and Black
All the King's Horses
A Brand New Me
April Fools
I've Been Loving You Too Long
First Snow in Kokomo
The Long and Winding Road
Didn't I (Blow Your Mind This Time
Border Song (Holy Moses)

史上一番の不人気対決と言われたアメリカ大統領選挙は、政治経験0の不動産屋のおっさんが勝利というまさかの展開。。。
某元府知事みたいに威勢のいい言葉ばっかりが先走ってはみたものの、結局は何にもできずに、民衆の期待はやがて失望に変わり、失望が怒りに変わり、最後は退場、、、ってことにしかならないような気がするのですが、あーゆー人が当選するっていうのは、それだけ現状への不満や鬱屈が民衆の中に溜まっているっていうことなんだろうね。

千載一隅のチャンスを逃したヒラリー女史。
揶揄されるネタもいくつもあるんだろうけど、結局のところこの人が多数から支持されなかった最大の理由は、人間的な魅力の乏しさだろうと思います。
会ったこともないのになんで人間的な魅力が乏しいと感じてしまうのかというと、結局のところ「声」に魅力がないのですよね。べちゃっとして少しヒキガエルのようにつぶれた声からは、聡明さや誠実さよりも、ずるさや冷酷さを感じてしまうのです。

「声」っていうのは人間関係において実はかなり重要なファクターだと言われています。人間がまだ言葉を身につける前、声のトーンや大きさ、ニュアンスで感情を伝えていた時代がずっとあった、その名残なのでしょうけど、実際声のトーンやニュアンスというのは、話している言葉の中身以上に相手に伝わるもの、どんなに丁寧な言葉遣いをしても心のこもらない言い方では気持ちは伝わらないし、例えば電話しながらお辞儀したりするのって、見えていないようでも言葉のトーンで伝わるものだったりするのですよね。
人間関係の上で「声」って、思いの外大事です。
好きな人の声ってとても心地よく聞こえるし、嫌いな人の声はすごく耳障りに聞こえるんだけど、ふと思うんですよね。「好きな人」の声だから心地よいのではなくて、実は「声が好き」だからその人を好きになるんじゃないのか、「嫌いな人」の声だから耳障りなのではなくて、「声が嫌い」だからその人を好きになれないんじゃないか、って。

さてさてところで、それではアメリカ大統領にふさわしい声の人って誰だ?というと、個人的には圧倒的にアレサ・フランクリンだと思うのです。
ローリングストーン誌の読者アンケートでヴォーカリスト部門一位になったくらいの上手さと巧さ、技術もパワーも兼ね備えた偉大なるヴォーカリストであることは間違いないのですが、けっして上手さやパワーだけではない、感情のこめ方のせ方が全然違うのですよね。
何ていうんだろうか、敬意とか、尊厳とか、或いは慈愛とか。そういうものの成分がとても高いというか。
よく言われることだけど、男女のよしなし事を歌っていても、アレサが歌うと人類愛の歌のように聞こえるのです。
アレサの数ある作品の中でも特に深いと思うのが、いわゆるニューソウルの触発された70年代初頭・アトランティック後期の作品群で、この「Young Gifted and Black」なんて最高に深み奥行きがありますね。
黒人としての誇りと希望を歌ったニーナ・シモンの表題曲や“Rock Steady”での軽やかなファンクネスや、オーティスの名曲“I've Been Loving You Too Long”でのブルージーさ、ビートルズの“The Long and Winding Road”やエルトン・ジョンの“The Border Song”での崇高なまでのゴスペル度、せつせつと歌い上げる“First Snow In Kokomo”のせつなさ。このアルバムには入っていない同時期のシングルである“Spanish Harlem”や“Don't Play That Song”、サイモン&ガーファンクルの“Bridge over Troubled Water”まで含めて、人類の世界遺産級の素晴らしさです。
人としての尊厳や、慈愛の心、そういうもので心が満たされていく気がして、心のうちからエネルギーが湧いて出てくるような気分になりますね。
やっぱリーダーに必要なのはこういう力強さだと思う。
ゴリ押しやごまかしやハッタリではなく、心のうちから出てくる強さ。
こういうリーダーがいれば、世界はもっと慈愛の心で満たされるんじゃないかと思うのですがね、残念ながらの今回の結果。世界はいったいどう動いていくんだろう。

ちなみにレコーディングのメンツは、あの名盤「Live At Fillmore West」とほぼ同じメンバー、すなわちDr.バーナード・パーディー、B.チャック・レイニーに、G.コーネル・デュプリーという鉄壁の布陣。
他にも、Dr.アル・ジャクソン、B.エリック・ゲイル、G.ヒュー・マクラッケンらに加え、ビリー・プレストンがゴスペル色の濃いオルガンを、ダニー・ハサウェイがエレクトリック・ピアノを弾いている曲もあるし、フルートにヒューバート・ロウズ、コーラス隊にスイート・インスピレーションズ、ホーン・セクションはウェイン・ジャクソンやアンドリュー・ラヴらメンフィス・ホーンズ。パーカッションでDr.ジョンのクレジットもあったり、演奏陣の深みとノリももちろん世界遺産級です。



♪TRACKS ON WAX 4

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Tracks On Wax 4 / Dave Edmunds

Trouble Boys
Never Been in Love
Not a Woman, Not a Child
Television
What Looks Best on You
Readers Wives
Deborah
Thread Your Needle
A.1. On the Jukebox
It's My Own Business
Heart of the City

自分自身は、あれもこれも広く浅くちょこっとずついろんなものを試してみたい性質のせいか、逆に●●一筋!みたいな人には憧れます。
あれもこれもはできないけど、あることに関してはとことんやっちゃう職人気質。
ロックンロールの世界でもこれぞ職人!という人はたくさんいるけど、デイヴ・エドモンズさんはその中でも指折りの職人中の職人、ロックンロール職人かと。

ほぼ全曲3分ちょっとのシンプルなロカビリー/ロックンロール。ストレイキャッツを見いだしたり、グレアム・パーカーやヒューイ・ルイスらの楽曲をいち早く取り入れて紹介したのもこの方。
シンプルかつ飾り気のないロックンロールに、どうにも垢抜けない雰囲気も職人っぽい。

このアルバムは、そんなデイヴさんの4作めのソロなんだけど、実は伝説のロック・バンド“ロックパイル”の非公式デビュー作品でもあるのです。
ニック・ロウがいたブリンズレー・シュウォーツをデイヴさんがプロデュースした縁で、デイヴさんのソロにニック・ロウ、ドラムのテリー・ウィリアムスが参加。そこにビリー・ブレムナーが加わってロックパイルが結成されたのだけど、ロックパイルの名前ではアルバムは一枚しか残さなかったのは、ニックとデイヴがすでにそれぞれソロとして別々のレコード会社と契約していたためバンド名義ではレコードが出せなかったという経緯によるもの。
そのかわり、ニック・ロウとデイヴ・エドモンズのソロ・アルバムをはじめとするいくつかのレコードに、ロックパイルのメンツでのレコーディング作品がお宝のようにたくさん残されている、というわけ。

まぁ、なにしろ楽しいレコードです。
メンバー全員がロックンロール一筋のロックンロール職人なわけで、ポップでキュートで能天気なロックンロールが次から次へとこれでもかーって繰り広げられて、そりゃもうゴキゲンにならずにはいられない、ってもんです。ビシバシと跳ねるリズム隊に、デイヴさんのトヮンギングないなたいギター。ひょうひょうと軽快なヴォーカル。
ずーっとずーっと鳴っててほしいと思っちゃいますね。


♪HEARTS OF STONE

Hearts Of Stone
Hearts Of Stone / Southside Johnny & The Asbury Jukes


Got To Be A Better Way Home
This Time Baby’s Gone For Good
I Played The Fool
Hearts Of Stone
Take It Inside
Talk To Me
Next To You
Trapped Again
Light Don'’t Shine

男っくさいなぁー。
1曲めの“Got To Be A Better Way Home”から、突っ走るリズム隊とあおりたてるホーンでパツンパツン。続く“This Time Babys Gone For Good”、“I Played A Fool”とゴキゲンかつどこか苦みばしったソウルフルなプレイが続いて、ぐっと渋い“Heart Of Stone”へ。

ブルース・スプリングスティーンやマイアミ・スティーヴとともに、ニュージャージーで下積み時代を共にしたサウスサイド・ジョニーさんが率いるアズベリー・ジュークス。
ニュージャージーでのアマチュア時代の背景からどうしてもスプリングスティーンとの比較で語られてしまうのだけれど、実際このアルバムでもスプリングスティーンが“Heart Of Stone”と“Talk to Me”の2曲を、マイアミ・スティーヴが6曲を書き、“Trapped Again”では3人が共作していて、構図としては先にデビューしたスプリングスティーンとスティーヴが遅れてきた兄貴分をサポートする形になっている。
ロックンローラーであると同時にフォーク/カントリー的な感覚も併せもつスプリングスティーンに比べるともっと真っ黒なR&Bがこの人の持ち味で、ソウルフルで、泥臭くて、いかがわしくて、でもなんだか愛嬌があって、ちょっとかわいらしいところもあったりするんだよね。
彼らの曲を、男くささ丸出しでソウルフルに歌うジョニー兄貴。
こんなかっこいい兄貴のためになら、一肌脱いでやろうか、って気にもなろうってもんです。
僕は全然体育会系的なことがダメで、先輩に可愛がられたり後輩を引き連れて偉そうにしたり、というのがどうも苦手で。
でも、だからなのかもしれないけれど、こういう男くさい世界には純粋に憧れがあったりする。
男同士でしかわからない価値観の共有、「オウ!」といえば「オウ!」と答えるような魂の兄弟みたいな間柄。
表面的なことは違っていても、心の底ではしっかりつながっていて、何か困ったことがあれば一目散に駆けつけて助け合う、みたいなね。
そんな、サウスサイド・ジョニーと、スプリングスティーンやマイアミ・スティーヴやEストリート・バンドの面々の中に流れる、同じ釜のメシを食った兄弟分的な関係って、かっこいいよなぁ、と思うのです。

まぁそれはともかくとしても、このソウル臭さは一級品です。
どこかギラリと鈍く光るような“Take It Inside”、ガールズグループが演ってもはまりそうなポップでキュートな“Talk To Me”、男っぽい陰りがかっこいい“Next To You”、緊迫感があってぐいぐいと盛り上げていく“Trapped Again”と捨て曲なしのソウル一直線で、ラストにはぐっと込み上げてくるような“Light Don't Shine”。
シャウトもリズムもギターもホーンセクションも、全部が塊になってくる感じに、テンションあがる、魂煽られる。
スプリングスティーンに比べればまったくのB級バンドだ。古くさいR&Bをいつも同じように演っているだけのローカル・ヒーローだ。
でも、B級ヒーローだからこその我が道を行く感じ、B級だからこその味わいにね、心惹かれるのですよね。


♪MODERN CLASSICS

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Modern Classics / Paul Weller

Out of the Sinking
Peacock Suit
Sunflower
The Weaver
Wild Wood
Above the Clouds
Uh Huh Oh Yeh
Brushed
The Changingman
Friday Street
You Do Something to Me
Brand New Start
Hung Up
Mermaids
Broken Stones
Into Tomorrow

男から見てもかっこいい男、というのがたまにいる。
態度や佇まいに共感できる、好感が持てる、憧れる、といった意味でのかっこよさではなくって、単純にかっこいいとしか言えないようなかっこよさ。渋い、とか、男っぽいとか別の言葉で置き換え可能なかっこよさではなくって、純粋にかっこいいとしか言えないようなかっこよさ。
例えばポール・ウェラーとか。
若い頃にルックスがそこそこいい男は経年劣化が激しいことが時々あるけれど、今年で58になるウェラーはまったく劣化していないのがすごいですよね。髪はすっかりシルバー・グレイで皺も増えたけれど、佇まいのシャープさはまるで変わっていない。

ポール・ウェラーのかっこよさっていうのは、ひとことで言えば、頑固さとスマートさの絶妙のバランスだと思う。
熱血で一本気、やるとなったらとことんやる、とことん貫く。
その一方で、変わるべきこと変えるべきことはさらっと変えちゃう。
そのしなやかさがね、かっこいいんだな。

そういやこのアルバムにもこんな曲がある。

 I'm the changingman, built on shifting sands
 I'm the changingman, waiting for the bang
 As I light a bitter fuse

 俺は変わり続ける男
 さすらう砂でできている
 俺は変わり続ける男
 爆発を待ち望み、しけった導火線に火をつける
      (The Changing Man)

変わり続けることを受け入れるしなやかさと、変わり続けることを変えない軸のぶれないスタンス。
そのことが信頼を作る。その信頼がまたぶれないスタンスをより確かなものにする。そういうプラスのサイクルをまずは信じて、やりきることが大事なのか、と。

僕もあと数ヶ月でいよいよ50になる。劣化したくないよね。
まぁルックス的には劣化するほど元がいいわけじゃないから幸いだし、年食ってから味わいが出るタイプだと自分では思ってはいるんだけど(笑)。
成熟はしなくても構わないし、まぁ今さら立派な人になろうとも思わないんだけど、ここから先、どんどん劣化していくのは嫌だな。
そのためにも、変わり続けるしなやかさを、変わり続けることを変えない頑固さを、持ち続けていたいですね。
ポール・ウェラーのようにはなれないとしても、せめて自分なりには。




♪VOLUNTEERED SLAVELY

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Volunteered Slavery / Rahsaan Roland Kirk

Volunteered Slavery
Spirits Up Above
My Cherie Amour
Search for the Reason Why
I Say a Little Prayer
Roland's Opening Remarks
One Ton
Ovation and Roland's Remarks
A Tribute to John Coltrane: Lush Life/Afro-Blue/Bessie's Blues
Three for the Festival


これはジャズのレコードなのか?というのが、最初にこのアルバムを聴いたときの感想。
のっけからタンバリンとウッドベースのリズムに会わせて野太いコーラスで始まり、テーマを繰返し循環させていくファンキーで力強い演奏の“Volunteered Slavery”、途中ではなぜか“Hey!Jude”のフレーズがはさみこまれる。2曲め“Spirit Avobe”もゴスペルっぽいコーラスとピアノがリードするソウルフルな曲。3曲め“My Cherie Amour”はもちろんスティーヴィー・ワンダーのあの曲で、ボサノヴァっぽいリズムにフルートの音色がかわいらしく、コーラス隊といっしょに歌っちゃう“Searh for the Reason Why”も楽しい。5曲めはバート・バカラック、というよりはアレサ・フランクリンでおなじみの“I Say A Little Prayer”。これもジャズ・ロック的にイケイケのめっちゃ疾走感のある演奏で、アドリブ・パートではぐいぐいとぶっ飛んでいって。
いわゆる典型的なフォービートのジャズとはまるで感触が違う。ジャズというよりはインストのR&B。
でもどこをどう切っても、ローランド・カークという一人の演奏者の生の息づかいが聞こえてくるような音楽なんだな。
B面はライヴなんだけど、ここではテナー・サックスやフルートの他にストリッチやマンゼロなど何本もホーンを加えて一度に吹いちゃうという曲芸まがいから、コルトレーン・マナーのいわゆるシーツ・オブ・サウンド的なロング・トーンを吹きまくったり。
この一筋縄ではいかないアクの強さは、一度はまると病み付きになってしまう感じがあります。
特にB面の“One Ton”なんてもう圧倒的ですね。
何ていえばいいんだろうね。
つばもよだれも垂らしながら延々とソロを吹ききってしまうような馬力や、どことなくおかしみのあるユーモラスさ、それに触れば壊れてしまいそうなとても脆くて美しい叙情や、ドロリととぐろを巻くようなダーティーな感情。
そんな様々な感情が、カークさんの肉声のようなホーンの音色を通じて聞こえてくると、ぜんぶありだよな、って気分になるのですよね。
粋やかっこつけだけじゃない、ため息もうめき声も鼻水もよだれもぜーんぶ込みの「生」。
でも、生きているっていうのはそういうものなんですよね。
ひとつの感情では割りきれない複雑な気持ちが絡み合いながら何とかそれに折り合いをつけていくもの。
おいしいものを食べることも排泄も一人の人間の中に普通にあるもの。涙もよだれも等価なもの。「愛してる」とささやいた唇と同じ唇で罵りの言葉が放たれるもの。
一定の規範の中でそういうものを表に出さないことをよしとする考え方もあれば、そういうことも含めてさらけださなくては生の実感を保つことができない人もいる。それらの配分の在り方は人それぞれにオリジナルであっていい。
カークさんの音楽には、そんな「何でもありだ。」というメッセージがたくさん含まれていると思う。
「常識に縛られるなよ。型通りに満足するなよ。」「感じたことを感じたままにさらけだすことができなければ表現する意味などないんじゃないか。」って。
そして、この自由さとさらけだしさこそがジャズの本質だろう、って思ったりするわけで。


♪STILL ALIVE AND WELL

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Still Alive and Well / Johnny Winter

Rock Me Baby
Can't You Feel
Cheap Tequila
All Tore Down
Rock & Roll
Silver Train
Ain't Nothing to Me
Still Alive & Well
Too Much Seconal
Let It Bleed

僕が今の部署に来た頃にお世話になった先輩が亡くなられた。
この部署で必要ないろはを最初に教えてくれた人だった。
胃がんだって。
見つかったときにはもうステージ4で手術もできない状態だったそうだ。
入院してからわずか3ヶ月だった。
先輩って言ったって、年はほんのひとつ上、まだまだ働き盛りだ。
どっちかっていうと優しい人ではなかった。いっつも怒っていた印象のほうが強いんだけど、いい商品を見つけた時には「どうや、これ!うまいやろ!」って真っ先に食べさせてくれて、その無邪気な笑顔にはいつも納得させられたっけ。
真っ直ぐなものは必ず真っ直ぐにしなけりゃいけないようなところがあって、そういう部分が苦手な人も多かったみたいだけど、僕はこの方の、熱くなる魂みたいなところが好きだった。
そんなエネルギッシュな人で、病気とも無縁な感じだっただけに、お通夜でお会いした生気の抜けた痩せた顔つきはまるで別人みたいに思えてしまって。
あんなにエネルギッシュだった人が、たった3ヶ月でこんなふうに脱け殻になっちゃうんだな、って思うとなんだかやりきれなくってね。

いつも怒っていて、エネルギッシュで、無骨で・・・例えていうなら、って思い出したのがジョニー・ウィンターさん。
弾きっぱなしで鳴りっぱなしの轟音ギター。
しぼりだすようなシャウト。
熱く若々しいロックンロールというよりは、苦々しく苦しいブルースを、ぶっ飛ばすみたいにエネルギッシュに演るのがジョニーさんの演り方で。
かっこいいよね。
そこらへんのロックごっこ、ブルースもどきとは根っこの部分から違う、加速せずにはいられない、荒々しく叫ばずにはいられない、そんな心の底にへばりついたブルースをぶっ飛ばすためのブルース。
熱くなる魂を抱えたブルース。

いくつか持っているジョニーさんのレコードで一番好きなのはコレだ。
ガツーンとぶっ飛ばす高速ブルースが盛りだくさんで。
中でも大好きなのがタイトル曲の“Still Alive and Well”だ。

 誰もが俺は6フィートも下の
  冷たい土のなかでくたばってると思ってるけど
  お日様が輝いているうちには野原で
 メイク・ラヴしてんのさ
 俺はまだ生きていて
  バリッバリに元気だ
 俺はまだ生きていて
  バリッバリに元気だぜ
 何もかもどんどんハードになっていくけど
 俺は生きていて
 バリッバリに元気だぜ

いろんなことがハードでへヴィーになっていくけど、僕はまだ生きている。
いつどんなことが起きるかなんてわかんないんだけど、まだまだもうちょっと生きていきたいと思っている。
熱くなる魂といっしょにね、もうちょっと生きていたい。





♪親愛なる者へ

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親愛なる者へ / 中島みゆき

裸足で走れ
タクシードライバー
泥海の中から
信じ難いもの
根雪
片想
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小石のように
狼になりたい
断崖-親愛なる者へ-


「みゆき、って言う名前、そんなに好きじゃないのよねぇ。」
そう言ってみゆきさんは大きくため息をついた。
「狼にー、なぁーりたいぃぃぃー、って叫ぶ歌、あるじゃない。夜明け前の吉野家がどうの、俺のナナハンがどうの、ってやつ。」
「『親愛なる者へ』のB面ですよね。」
「なればいいじゃない、って思うのよ。狼に。なりたいんだったら、なればいいのよ。なれもしないってわかってるのに、なりたいって叫んじゃうのって、一番痛くない?」
「えぇ、まぁ。」
「なればいいのよね、狼に。でもなれないのよ。」
「・・・。」
「そういうところがね、きらいなの。でも、聴いちゃうのよね。聴かずにはいられないの。そんな、聴いちゃう自分、聴かずにはいられない自分がね、嫌なの。」
「・・・。」
「もう一杯だけ飲んでく?あんた何にする?」
「えっと、そうですね、チューハイのレモンを。」
「あたしは焼酎、水割りでね。」

みゆきさんはそうオーダーをすると、また大きくため息をついた。
ノースリーヴのワンピースからのぞく白い肩が少し震えている。

「ならなくていいんじゃないですか。」
「えっ?」
「狼に。」
「そう、、、」

狼になれない悔しさを知っている人のほうが、狼になってしまえる人よりきっと何倍も、ほんとうの優しさを知っているんだと思う、というようなことをみゆきさんに伝えたいと思ったけれど、どうしてもうまく言葉にすることができなかった。

「そうかもね、きっとそうよね。」
「そうですよ。」
そういって僕たちは笑った。
「あんたって、“タクシードライバー”の運転手みたいね。」
「そう?あの人って、ただの空気読めないおじさんじゃないの?」
「ハハハ、そうかも。まっ、そーゆーところも含めてよ。」
「なんか誉められた気がしないなー。」
「誉めたんじゃないのかもね。」
「あ、そうなんだ。」
「ね、『親愛なる者へ』の中ではどの曲が一番好き?」
「うーん、難しい質問。そうやなぁ、最初は“根雪”が好きだったかな。それと“小石のように”。」
「どうして?」
「中学生の頃だったからね、一番わかりやすかったんじゃない?」
「ふふふ、そうね、じゃ、今は?」
「うーん、やっぱり“断崖”かな。」
「どうして?」
「うーん、なんていうんだろ。生きていく覚悟っていうのかな、その宣言っていうのかな、倒れちゃったらガラクタと呼ぶだけだ、とかさ、すっごく悲壮感あるのに、飄々とした感じで吹っ切れたみたいに明るく宣言してるじゃない。音楽的にも、後のロック化していく前兆っぽいところもあるし。」
「なるほどねー。あんたらしく理屈っぽくていいわ、その答。」
「ムッ!」
「そうよね、寒いとみんな逃げてしまうものね。」
「みゆきさんは?」
「ぜんぶよ(笑)。」
「それ、ずるいよ。」
「女はずるくてもいいのよ。さ、お勘定。いろいろ聞いてくれてありがと、おごるわ。」

みゆきさんはそう言って席を立つ。
遅れて僕も席を立つ。
うまく伝えることができなかった言葉はまだそこらへんで宙をさまよっていたけれど、みゆきさんはそれを蹴散らすみたいにはらりとカーディガンをまとった。


♪BOBBY CHARLES

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Bobby Charles / Bobby Charles

Street People
Long Face
I Must Be In A Good Place Now
Save Me Jesus
All The Money
Small Town Talk
Let Yourself Go
Grow Too Old
I'm That Way
Tennessee Blues

秋は日に日に深まっていく。
朝晩は少し肌寒いくらい。空は高く、雲は薄く、風は穏やか。
なんとなくせつなくもあり、少しもの悲しくもあり、でもその感情の動きはどことなく好ましいものであるような気もする、そんな季節に、例えばこんなの気持ちいいよね、って思ったのがボビー・チャールズの1972年のこのアルバム。
流すだけで空気が和む雰囲気と佇まい。このゆるさがとても心地よい。
まるでレイ・チャールズみたいな節回し、黒人みたいに渋い声と、ゆるくて穏やかでいながらもファンキーなリズム。 そのリズムの跳ね方は何て言うか、汗臭く泥臭くファンキーとは少し違って、そうだなぁ、生命のリズムとでもいうかね、生きていることの歓びやせつなさを伝えているような気がするのです。
バックを固める演奏陣はザ・バンドのリック・ダンコ、リチャード・マニュエル、ガーズ・ハドソン、レヴォン・ヘルムに、ドクター・ジョン、ジェフ・マルダー、エイモス・ギャレットといった面々で、彼らの演奏がまた、すごくアーシーというか、生命あるもののあたたかみというか、そういうものに溢れていて。
その何てことはない穏やかな演奏に、癒されていく自分がある。
それこそ“I must be in a good place now”と感じることができるような。

 リンゴの花が咲き乱れている
 とても素敵な場所に僕はいるんだな
 七色に染まった空から降りそそぐ陽の光が
 僕の心に落書きをする
 
 とても素敵な場所に僕はいるんだな
 そう、僕はとてもシアワセなのに違いない
     ( I must be in a good place now)

窓を開けて深く深呼吸をしたくなる。
お酒よりも熱い紅茶だな。
お酒で酔っぱらってしまうのはもったいないくらいの心の平安。

ただ、このボビー・チャールズさん、穏やかなだけではない。元々はR&Bシンガーとしてチェスからデビューしたという経歴の持ち主で、シンガーとしては鳴かず飛ばずだったものの、ビル・ヘイリーがヒットさせた“See You Later Alligator”やファッツ・ドミノの“Walking to New Orleans”の作者としても名をはせた人。なんでもチェスが契約をしたときは声だけ聴いて黒人だと思いこんだ、という逸話もあるくらいで、ルイジアナ出身らしいファンキーさもこの人の持ち味。
ドクター・ジョンと思しきピアノが跳ねる“I'm That Way”なんて、すごくファンキーですよね。

  あんたが俺のものを全部かっぱらっていったとしてもさ、
  気にしない、どうってことない
  座り込んでブルースを歌ったりはしないんだ
  あのドアを開いて、何か新しいこと探しに行くさ
  だいじょうぶ、気にしない
  俺はいつもこんな調子さ
    (I'm That Way)

こういうブルース的な感覚、年を食えば食うほどに、しみてくるんですよね。
次の春にはいよいよ50才、人生の5/8は過ぎた。
残り時間はこんなふうに、「俺はいつもこんな調子さ」って感じでいきたいもんだなぁ。



♪GETTIN' AROUND

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Gettin' Around / Dexter Gordon

Manha De Carnaval
Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me)
Heartaches
Shiny Stockings
Everybody's Somebody's Fool
Le Coiffeur
Very Saxily Yours
Flick Of A Trick

ジャズをたくさん聴いたのは20代後半~30代の頃だった、ってのはすでにどこかで書いたっけ。
紹介本なんかも参考にしながら名盤と呼ばれるものを片っ端から聴いていった。
心に残るものもそれなりにはあったけれど、そんなにたくさんでもなかった。
わかったことは、複数の管楽器奏者のアンサンブルみたいなものよりはシングルホーンのカルテットやピアノトリオのように、メインの演奏者の個性がよりわかりやすいもののほうが好きということと、楽器のインタープレイや丁々発止のソロのせめぎあいよりも、音色やトーンやリズムからあふれでる演奏者のメッセージ、すなわちうたごころの部分を聴くほうが好きなんだな、ということ。
デクスターさんの咽び泣くような太くて男らしい、けれどもどこか繊細で優しげな音色は、深まっていく秋の夜長にしっくりきますね。

録音は1965年、デクスター・ゴードンさん(ts)のほか、ボビー・ハッチャーソン(vibes)、バリー・ハリス(p)、ボブ・クランショウ(b)、ビリー・ヒギンス(ds)という揃いも揃って地味渋なメンツが集まって、みんながみんな自分の役割をわきまえた中でデクスターさんの“うた”をサポートするような演奏が実にかっこいいのです。派手なソロもインプロヴィゼーションもまるでない、うたのための演奏。
なんか心安らぐんですよね。

中でも大好きなのは“Everybody's Somebody's Fool”というバラード。
これまでの来しかた、振るまいを反省して、いろんな人に謝りたくなるような(笑)、そんな深みと情緒を湛えた名演奏だと思います。

秋の夜長、いろんなことを思い出しながら、物思いに耽るのも悪くはない。
日本酒だな、こんな夜は。
おつまみには焼いたししゃもとかつおぶしをぶっかけた焼き茄子と、甘い想い出ややわらかい後悔を少しずつ。
空にお月さまがのぞいていればあとはもう言うことないな。


♪ONE FOR THE ROAD

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One for the Road / Ronnie Lane & Slim Chance

Don't Try 'n' Change My Mind
32nd Street
Snake
Burnin' Summer
One For The Road
Steppin' An 'Reelin' (The Wedding)
Harvest Home
Nobody's Listenin'
G 'Morining

フェイセズを脱退したあとにロニー・レーンが残したスリムチャンスとの3枚のアルバムはどれも中古で高値がついていてなかなか手が出ないなぁ、と思っていたら、i-tunesで普通に聴けた。
ネット社会って凄いなー。

ま、それはともかくとしてのロニー・レーン。
なんとも言いようのないせつない気持ちに襲われたときは、いつもロニーの歌に救われる。
なんともやりきれないようなやわらかい後悔と、懐かしいようなくすぐったいような甘い気持ちがいっしょくたになったようななんとも言えない気持ち。

先日、高校のクラスの同窓会があった。
高校時代のことはほんとにいい思い出がまるでなくって、懐かしくもなんともなくって、同窓会なんて誘われたって絶対に行くもんか、ってずっと思ってた。ずっと音信不通でいいや、あいつどうしてるんだか、って思われるくらいでいい、いや、忘れ去られても構わないって思ってた。
多分、5年前ならきっと行かなかったと思う。
会ってみたいなと思う人が幾人かはいるにせよ、30数年もほったらかしにしてきた縁だし、たまたま同じ頃に同じクラスにいたということ以外に特に共通項もない人たちと当たり障りのない会話をしたってきっと虚しいだけだし、ちょっとやそっと話したくらいで、僕が30年のうちにたどってきた思いなんて共有できっこないよ、って。
でも、行ってみてもいいかもな、って気になぜかなってしまった。
なぜそう思ったのかは自分でもよくわからない。
でも、行ってみてもいいかもな、って思ったんだ。
なぜ自分がそう思ったのかに興味が出て来て、実際行くとどんな心境の変化があるんだろう、って思って、それで行ってみることにしたのだ。

自分でも不思議なくらい、楽しかった。
そこに集まっていたのは、それぞれに大人になった、今年で50歳になる大人たちだった。
みんなそれぞれにいろいろあってそれぞれにいろんな思いを抱えながら、それなりの大人になった同い年の人たち。
懐かしさはそんなになくっても、こうしてそれなりの大人になった人たちが、普段のしがらみはいったん置いて、高校生の気分に戻ってワイワイやっている。それってなんだかとっても素敵なことだな、って素直にそう思ったんだ。
この30数年の間にそれぞれでいろんなことがあっていろんな思いがあったんだろうけど、全部ノー・プロブレムだ、全部オーライだ、って素直にそう思えたんだ。
くすぐったいような甘い気持ちと、なんだか意地を張っていた頑なわだかまりがすぅーっと溶けてしまったようななんとも不思議なすっきりした気持ちと、なんだかつまらないことにこだわっていたのかもというやわらかい後悔と。
そんな気持ちをなんとなく心地よく思いつつ、酩酊した。
気がついたらもう終電が出てしまう時間だったのだけれど、でもなんとなくすぐに現実に戻りたくなくって、3次会まで飲んだあと、久しぶりにネットカフェで一夜を明かしたのだった。

I've had my friends
All them that come and ate with me
All them that come and drunk with me
I've had my friends
And there's been loads
All them that said they would stand by me
All them that said they could see what I could see
I've had my friends

And it's one for the road, yes it is
One for the cat's eyes, yes and
One for the white line
That's taking me back home
(One for the Road)

ロニー・レーンはいいな。
澄んだアコースティック・ギターの響きが、澱みを濾過してくれるように優しく響く。
遠く離れてしまった場所へ、優しく呼び戻してくれる。
全部赦すから、僕のことも赦してくれるかな。
そんな気持ちに優しく響く。




♪VOODOO LOUNGE

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Voodoo Lounge / The Rolling Stones

Love Is Strong
You Got Me Rocking
Sparks Will Fly
The Worst
New Faces
Moon Is Up
Out Of Tears
I Go Wild
Brand New Car
Sweethearts Together
Suck On The Jugular
Blinded By Rainbows
Baby Break It Down
Thru And Thru
Mean Disposition

90年代以降のストーンズについてはいろいろと賛否両論があるようで、94年のこのアルバムも評価は様々なようですが、僕はこれ、けっこう好き。
当時のストーンズは、ストーンズ本体よりもソロ活動が充実していて、キースのエクスペンシヴ・ワイノーズでのファンクぶりもかっこよかったし、ミックの『Wondering Spirit』も非常にいい出来映えだっただけに、ちょっと肩透かし感というか、60年代70年代80年代それぞれの自分たちのいい感じのところをなぞってみたような既視感は否めないとは思う。「俺たちって、こんな感じだったよな。」みたいにストーンズらしく仕上げたような。
70年代的なアナログな音を得意とするドン・ウォズをプロデューサーに持ってきたこともあって、やや音の質も古くさい。
でもね、それの何が悪いんだ、って(笑)。

確かに60年代~80年代、ロックという音楽は進化するものだった。
50年代にブルースとR&Bから進化したロックンロールは、カントリーもフォークもクラシックも取り込みながら進化を繰り返してきたし、ストーンズ自身もファンクやレゲエなんかも取り込みながら常に新しい表現方法にチャレンジしてきたバンドだけれど、一方でストーンズは、ハードロックやプログレやパンクやオルタナティブには見向きもせず、ブルースとR&Bのトラディションを根っこのところでずっと守り続けてきたバンドでもあって。
この当時、ストーンズのメンバーは50代前半。
新しいものを取り込んでいくよりも、自分たちの中に蓄積されてきたエッセンスをぎゅうっと凝縮させたようなものを作りたくなったとしても不思議ではない。
実際、曲も演奏も粒揃いだと思うよ。

中でも大好きなのは、ミックとキースのハモりが絶妙にかっこいい“Sweetheart Together”だな。
ストーンズっぽい曲ではないけど、カントリーっぽいほっこりした感じがいいよね。ミックとキースの少年時代からの絆をひしひしと感じるような感じがいい。
ファンクな“Stuck On The Jugular”やハイテンションのロックンロール“You Got Me Rockin'”や“Sparks Will Fly”もいいんだけど、このアルバムに関して言えばスロウ~ミディアムな曲の方が断然かっこいいな。
“Miss You”を少し意識したような“Love is Strong”でのミックのブルージーな歌い方とかハープとか、淡々としているようでタフで奥深い味わいが醸し出されてくる“Brand New Car”とか。バラッドなら“Blinded By The Rainbow”や“New Faces”、キースの歌う“Thuru and Thuru”と“The Worst”。あとはロカビリーっぽい“Mean Disposition”みたいなオールド・スタイルなやつね。
一般的にはストーンズはロックの王者で、いつまでも新しいことにチャレンジしてハードなロックンロールを演り続けてほしいという期待の方が高いんだろうし、このアルバムの不評を受けて次作以降はハードな曲のウェイトが高まったけど、あの2作はなんだかちょっとサイボーグ化したような感じがしていまいち深くのめりこめなくって。
個人的にはこのアルバムみたいに年相応に枯れていくようなストーンズがもっと聴きたい。
年相応に老け込んでいく中で年相応に表現されるロックンロールのスピリットに興味があるのだ。
ハードな音でなくてもにじみ出てくるロックンロールのスピリット。
進化よりも純化っていうか。
俺もこんなふうに渋いジジイになりたい、と思わせてくれるようなのがね。
だって、若けりゃいいってもんじゃない、新しければいいってもんじゃないでしょ。




・・・てなことを思いながら書きかけの記事を手直ししていたら、ストーンズ、ニューアルバム発表のニュースが!
しかもハウリンウルフやジミー・リードらのブルースをカヴァーしたアルバムだそうで。
またまた賛否が割れそうな中身だけど、僕は大歓迎!
12月2日が待ち遠しいです。



♪にんじん

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にんじん / 友部正人

ふーさん
ストライキ
乾杯
一本道
にんじん
トーキング自転車レースブルース
長崎慕情
西の空に陽が落ちて
夢のカリフォルニア
君が欲しい

何て言うんだろうか、この友部さんの声の持つ独特の感じは。
歌はけっして上手くはない。声質はひょろっとして軽く、声量だってないし、音程だって時々怪しいところがある。
でも、この人の歌には、この人が歌うからこその味わいがある。ひょろひょろしているのに芯があって、おどおどしているようでドスがきいている。
味わいなんて軽いものじゃないか、この人の歌にはこの人が歌うからこそ届いてくる感情がある。この人だけが持つ世界がある。宇宙がある。それは、日常に感じる具体性を持った悲しみや怒りや嘆きや淋しさとはまるで違って、もっと宙をつかむように抽象的な感覚なのだ。
そういうところが、同時代にたくさんいたディラン・チルドレンやフォークシンガーとはまるで違っていて、この人が例え具体的な事柄に対して怒りを歌っていても、具体的な怒りの告発の歌には聞こえない。淋しさを歌っていても、ただ“淋しいよー”と嘆くだけの歌にはならない。
そこにあるのは、強烈な「独り」の感覚とでもいうか。
それを“孤独感”と言ってしまうと違うような気がするんだな。社会からつまはじき、のけものにされたような孤独感とは明らかに違う。集団からはみだしてしまった疎外感ではなく、生まれたときから背負っているような「独り」であることの意識。独りであることが空気のように当たり前な感じ、っていうか。

「あんまり長くひとりぼっちでいて 唇もこんなに傾いてしまった」
「北風は狼のしっぽをはやしあぁそれそれって僕のあごをえぐる」
「あぁ中央線よ空を飛んで あの娘の胸に突き刺され」
「僕は夜のスカートに首を締められ 塩っ辛い涙流してる」
「人待ち顔の退屈な毎日だ のっぺらぼうの肉の腕だ」
「たわしの言葉をのどに押し込み ギターのしっぽに火をつける」

とても深いようでいて、ひょっとしたら深い意味などないのかもしれない抽象的な言葉が、友部正人の口から出ると、途端にものすごく深い陰影を持ち、聴き手のイマジネーションをかきたてる。そのイメージされる光景は時にはとてもグロテスクでさえあるのに、質感としては決して重々しくはない。絶望的に孤独感を感じる歌にさえ、どこかひょうひょうとした佇まいがある。
それは、友部正人の引き受ける“孤独”が相対的なものではなく、最初から当たり前の絶対的なものとしてあるからのような気がする。

このひょうひょうとした、淋しくはない孤独感や怒りを告発しない怒り、おどおどしながらドスがきいて懐の座った感じ。
残り30年を、こういうものを手にいれるために費やせたらいいのにな、とふと思った。
どっちにしても最後は、一人で向こう側へ渡っていかなきゃいけない。或いは大好きな人が一人で向こう側へ行くのを見送らなくっちゃいけないことだっておそらくある。
そのとき、友部正人のような一人でいることをひょうひょうと身にまとうようなやり方は、きっと役に立つんじゃないかって、ふと思ったんだ。



Appendix

プロフィール

golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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51NacLGHbDL.jpg Musical Romance 81Jiymj05iL__SL1417_.jpg Ramblin Bob Amazing Bud Powell 1 I'm Jimmy Reed 91nimun-gdL__SX425_.jpg The West Coast Sessions 51N428T8D2L.jpg 71Y7cZxniBL__SL1098_.jpg Ella & Louis Chicago Bound アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション+1 51RNkrRkrKL.jpg ベスト・オブ・バディ・ホリー 51Y1W0GNK4L.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 51r1Jn3KysL.jpg 418FMPHEH8L.jpg 41BMZZ4644L.jpg 91gRh3dMZCL__SL1500_.jpg 41D5N5A2NPL.jpg 71rf2SLpdpL__SL1000_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 41D7S4CZWBL.jpg 41+QbmWm7aL.jpg presandteddycover.jpg clyde mcphater VERY BEST OF Man & His Music A1DhxQZCjXL_SL1500_.jpg marvin-fellow.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg The_Rolling_Stones-1964-The_Rolling_Stones.jpg Beatles for Sale My Generation: Deluxe Edition 51AcnSJcHyL.jpg 51bNj+ULpSL.jpg 51DHQC61ZWL_SX425_.jpg 41o9XeUuZjL.jpg 20 G.H. Live in Europe tomt 51cKCqaKQxL__SY355_.jpg 81DCRuSH25L__SL1500_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg MI0002782768.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg soulman_original_alb.jpg 51FGtOkImKL_SX300_.jpg west_side_soul1.jpg Beggars Banquet エヴリ・ワン・オブ・アス+1 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 71otoVzhCuL__SL1105_.jpg 413AMGT7SFL.jpg 51ds00OKe-L.jpg 616osu5m8iL_SX425_.jpg 305a1614.jpg 81pMwMtFveL__SL1345_.jpg 81f2DLVCzJL__SL1300_.jpg 51uOzyp+Z6L.jpg 71eG2rIxazL__SL1046_.jpg 51ZJJGM2ZZL.jpg Fire and Water 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg Fragile 715IJ+j9EuL__SL1131_.jpg Music Muswell Hillbillies 71ctdmsHsJL__SL1084_.jpg 71PD4tBKioL__SL1116_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 61XXWX6tmCL.jpg 61NAZCOWDDL__SL1100_.jpg セイリン・シューズ(紙ジャケットCD) 71eNbpCI6UL__SL1077_.jpg 511-tyxVUpL.jpg 91gT9fqhZ3L_SX425_.jpg I'm Still in Love With You 414HP65MBKL.jpg 51X8dY66CsL.jpg 愛と自由を求めて 51RXYQ9OO3L.jpg Takin My Time Closing Time There Goes Rhymin Simon 明日に架ける橋(紙ジャケット仕様) ひこうき雲 GP Moondog Matinee 716rGZASCKL__SL1425_.jpg 41SSP93BHWL.jpg 51zJyUc+r6L.jpg 51jCzIh4qRL__SS280.jpg 61-8DQVxWjL__SL1050_.jpg 61dZdC6t62L__SY355_.jpg 71aWAFuF6BL__SL1050_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 51JbSP69QaL.jpg 渚にて 5197RcTXXnL.jpg 81A5c2hHeyL__SL1425_.jpg 81qgW6uhF1L__SL1500_.jpg Born to Run Nils Lofgren 61BdFFiXniL__SX425_.jpg スネイクス&ラダーズ(ベスト)(紙ジャケットCD) ROCK 'N' ROLL 61ijQ7n04TL__SL1065_.jpg 31vqqUxOjnL.jpg 612tlGtI4sL_SX425_.jpg Malpractice c674c8d38b834d1a46f26cee2f0381b7.jpg 71f0CPCXaJL__SL1050_.jpg 71s7uOgUVBL__SL1092_.jpg 81-hcf-9GdL__SL1228_.jpg In Concert: Best of Pretender 3112T4QJV9L.jpg Equal Rights Songs in the Key of Life “1976” 6184mADL6LL.jpg Ronnie_Lane_-_One_For_The_Road_-_LP_RECORD-57899.jpg Brinsley_Schwarz_Surrender.jpg 51sDSqlWYbL.jpg マーキー・ムーン Ramones L.A.M.F. - The Lost Mixes Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols マイ・エイム・イズ・トゥルー+1 New Boots & Panties 7139dYLoG8L__SL1050_.jpg 21EXZVPG4AL.jpg 51fnZ7zzuUL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 4129-Q6sVHL.jpg 61NLoHBAYAL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg Black Woman Chaka Briefcase Full of Blues 616WAJF3SGL.jpg 91U+8UJ1+vL__SL1500_.jpg 80 51Cm3YGmDQL.jpg 51JKKZA9W4L_SX425_.jpg 518Vq58mgUL.jpg 41VQXG3BFML.jpg 31V0AVW674L.jpg Long Run 71Y9bXH9D+L__SL1412_.jpg labour_of_lust_nick_lowe.jpg Into the Music London Calling マラッカ(紙ジャケット仕様) Rickie Lee Jones 81zR19Ga9VL__SL1079_.jpg 41cLeG0ZrFL.jpg The River Emotional Rescue THE ROOSTERS Woman and I...OLD FASHIONED LOVE SONGS(紙ジャケット仕様) RHAPSODY 41Tcvs70ZPL.jpg 51tRgx3mLgL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg Poet david lindley 91nimun-gdL__SX425_.jpg A00003808.jpg 800.jpg 51au3oRpDSL__SS280.jpg Heart Beat 61rH90dDhtL__SL1050_.jpg 71gHPyBVGqL__SL1050_.jpg lookout.jpg milk_hi.jpg 女の泪はワザモンだ!!<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様) Pipes of Peace 51QeHiRUz8L.jpg JOAN20JETT202620THE20BLACKHEARTS20I20LOVE20ROCKN20ROLL.jpg 62805277.jpg 71WCRrbfr5L__SL1500_.jpg 51YJOxD55iL.jpg 51SSVnYVsJL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 812JxniX3jL__SL1500_.jpg 41o+TOhThhL__SL500_.jpg 嘉門雄三 51wXhNgjs4L__SS280.jpg 510RsGZt0KL.jpg 71fefvSZXFL__SL1076_.jpg 71sCe7ReLUL__SL1273_.jpg Innocent Man 91nimun-gdL__SX425_.jpg 51ipQpNEBPL.jpg 51b+kbtwmZL__SX355_.jpg Uh-Huh (Rpkg) Learning to Crawl North of a Miracle 510NH8D9RTL.jpg 61gyVhU1QCL.jpg Ocean Rain インナ・ビッグ・カントリー<30周年記念デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様) LIGHTS OUT 41uaexamSNL.jpg 819qdTNLMxL__SL1500_.jpg 616vZDe-wFL_SX425_.jpg 51Nh3RjwObL.jpg 31219QDNA0L.jpg Live in Italy YELLOW BLOOD(紙ジャケット仕様) 0831oyamatakuji.jpg 51xUBB5IDXL.jpg 51W5vbzNSoL_SX425_.jpg This is the sea Southern Accents Centerfield Rose Of England Poor Boy Boogie 51KQnRGfZkL.jpg 61P1R84YZTL.jpg THE仲井戸麗市BOOK 81xvZZeDEqL__SL500_.jpg 71uNe1yRlOL_SX425_.jpg 41BiuimcyaL__SL500_.jpg 71mWhnbZlBL__SL1045_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 51Uv2AegNJL.jpg Lone Justice Shake You Down 71qx7rhRauL_SL1247_.jpg Talking With The Taxman About Poetry 71PrfBnIAlL__SL1417_.jpg 51JC0ZVZ2JL.jpg 41FRDVE5HHL.jpg 51MCNZnwnYL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 41kyWjIskxL.jpg 61pfESgIsfL.jpg 51161GGhY3L.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 81341iLwJBL__SL1500_.jpg 41G391YlKQL.jpg 41H2ZNKB5BL.jpg RogerTroutmanUnlimited517753.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 71+LokGlumL_SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 51vj8mxfgpL_SX425_.jpg 61r6gn5Zw7L__SL1050_.jpg 81KoDrysvWL__SL1402_.jpg 81CONxXc05L__SL1425_.jpg MARVY Dream of Life 41P61852YRL.jpg First of a Million Kisses covers.jpg 51WXla6D4UL.jpg 51iMxsNHHpL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg MONKEY PATROL If I Should Fall From Grace With God Lou Reed NY アメリカ roy orbison mystery girl NZO.jpg tbirds.jpg ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 浮世の夢 51lOB6A0QuL.jpg 31TRAKHBS3L.jpg 41HETTEDKEL.jpg 61WRTiXKDxL__SX425_.jpg 71XidOygo4L__SL500_.jpg 71VhTv2GwpL__SL1079_.jpg 61GF12GYFTL.jpg 41CX6E9PEDL.jpg 29b546020ea0dffa61f19110_L.jpg thEJUVZLEV.jpg 71sLT+3QzeL__SL1000_.jpg 51EXCEcq9XL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 51Cu2Y3de7L__SS280.jpg album-worldwide.jpg 416RTFVCTCL.jpg 愛があるから大丈夫 71-OO+VcMTL__SL1400_.jpg STICK OUT 91nimun-gdL__SX425_.jpg Through the Fire 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg album-four-chords-several-years-ago.jpg Mitakuye Oyasin Oyasin/All My Relations king-cake-front.jpg 81nBa9cn4ML__SX425_.jpg 71mdoTOXk2L__SL1084_.jpg 51zRUTKe5SL__SX425_.jpg 51AeVTRTGL.jpg 51uHHCgmeUL.jpg New World Order Sound of the Summer Running 41PFEPPAEHL.jpg 615 61umgDYJ83L_SS500_SS280.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg Home Girl Journey All That You Can't Leave Behind 91nimun-gdL__SX425_.jpg 31ARJGY84EL.jpg 31BGVPYMTKL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 日々のあわ Soulbook 廻る命(DM008) 41mNSDBqy6L__SX355_.jpg Dance-With-My-Father-by-Luther-Vandross-J-Rrecords.jpg 81XonM-Wu4L__SX355_.jpg Okinawauta.jpg 41JYS3WjE6L.jpg 81DSuwZXaxL__SL1400_.jpg cover32.jpg 61gyVhU1QCL.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg 91nimun-gdL__SX425_.jpg yjimage.jpg

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