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音楽とは沸騰であったのだ

言葉の問題をやっておれば、言葉が様々な拍子で沸騰しますし、舞台などでたわけた仕草をしておれば体が沸騰しますしね。そうか、いま気付いた。わたしにとって音楽とは沸騰であったのだ。沸騰しておるのだが、ただ単に水が沸騰しておるのではないのだ。からだや、おもいや、ことばや、悪意や、その他さまざまのものが沸騰する力がわたしにとっての音楽であるのだ。音楽について書かれた、心に残るフレーズ。これは、町田康さんの「...

堕落論

「学校って何のためにあるんですか。試験は何のためにするんですか?制度は人間が必要として作ったもので、それに縛られるのは逆なんじゃないですかー。」気の弱そうな教師に向かって悪態ついていた生意気盛りの高校生の頃の自分。ビシッとしてそうな教師には言わない(笑)。あぁ、めんどくさい高校生だった。こういうことを意気がって言いたくなる年頃ってのは誰しもあるとは思うんだけど(ないか?)、その発言の影響はこの人だった...

山月記・李陵

古典シリーズ第4彈。中島敦。中島敦も、林芙美子や梶井基次郎とそう変わらない1909年(明治42年)の生まれ。どうやら僕は、この世代の物書きに共感度が高く強く惹きつけられるようだ。昔、教科書に「山月記」が載っていて、そのときもこれはわりとおもしろいと感じた記憶はあった。で、改めて読んでみて。こんなにもワイルドだったんだっ!と衝撃。文章の熱量が半端なくって、読んでいる間、エネルギーをたくさん受け取ってい...

みそっかす

古典を読んでみるシリーズ、第3彈は幸田文さん。明治の文豪・幸田露伴の次女。後に阿川佐和子さん、吉本ばななさん、江國香織さん、井上荒野さんらに連なる二世女子作家・随筆家たちの草分けみたいな人。この方、林芙美子さんと同世代なんですね。1904年(明治36年)の生まれ。ただ、作家としてデビューしたのは林芙美子さんとは対称的に1950年、46歳のとき。林芙美子さんは51年に47歳で亡くなっているからまったく...

檸檬

先日、林芙美子さんに感動して、もっと古典に触れてみようと図書館へ。ところが、いろいろ物色したもののいまいちピンと来るものがなくて。その作家と相性が合うか、パラパラと数行読んだだけでピンと来るものなのだ。有島武郎、国木田独歩、島崎藤村、志賀直哉、武者小路実篤、樋口一葉、、なんか違う。こういう感じはあまりなじまない。あぁ、それだったら以前いいなと思ったものを読み返してみよう、と梶井基次郎を手にとってみ...

放浪記

僕はちょっと活字中毒気味のようなところがあって、文字であれば片っ端から読む。なので、ジャンルに関わらずいろんな本を読むのだけれど、意外にも、いわゆる「古典」というものはほとんど読んでいないのです。文庫本の文字が小さすぎる、とか、旧仮名遣いが煩らしい、ということもあるのだけれど、それ以上に拒否感があるのは、中学生高校生の頃に教科書や副読本で読まされたものや、教師が読めと薦めたものが、つまらなかったり...

ことばの生まれる景色

何の予備知識もなく店頭で見かけた単行本をその場で買ってしまうのは、とても久しぶりだったような気がする。何気なく本屋さんのコーナーで見つけて(いつも立ち寄る本屋さんでは、音楽関係の棚と美術関係の棚が隣どうしなのだ)、あぁ、いい感じ、これは借りたり立ち読みしたりではなく、手元に持ってじっくり読みたいなぁ、って思ったのだ。ことばの生まれる景色 / 辻山良雄、nakaban著者の辻山良雄さんは、杉並区荻窪で『Title』...

物語のなかとそと

お正月明け、怒濤の一週間。あー、やっと終わったー。根詰めたんで肩凝ったし。お風呂でゆっくりあったまって、週末はとりあえず寝る(笑)。物語のなかとそと / 江國香織さて、今回も本の紹介を。これもお正月休みに読んでいた一冊。江國香織さんの新刊、というか、江國さんがこの二十年に書いた「読むこと」「書くこと」にまつわる散文を集めたものだそう。江國さんの長い小説はいまいちピンとこないけど、短編や随筆はかなり好き...

洋子さんの本棚 付録対談 goldenくんとblueくん

golden(以下、g):『洋子さんの本棚』はとてもおもしろかったのだけど、本を軸に会話する本編とは別に〈巻末付録 人生問答〉として、インタビュアーの質問に対してお二人が答えるというものがあって、これがまたとてもおもしろくって。思わず、お二人の会話の中に入って「そうそう、それでねぇ~」と言いたくなるような。blue(以下、b):人生いろいろありつつ、ちゃんと意思を持って生きている人たちだからこその含蓄のある問答や...

記憶のあめ玉 ー洋子さんの本棚ー

お正月。時節柄、家族と過ごす時間が多かった。年末に入院した母親の世話とお見舞いもあって、普段はまるで会わない兄弟三人が顔を揃えたりもした。親兄弟というのはどちらかというと苦手なんですよね。身近過ぎてかえってうまく話せない。感謝の言葉を伝えたりするのも苦手。これは大人になってもなかなか変わらないなぁ。想定外の入院になって落ち込み、「もう、体もあっちこっち痛いし、そんなしんどい思いして生きててもしゃー...

名代豆餅  ー日本のすごい味ー

賀茂川と高野川が合流する場所、通称出町デルタ。この時期は底冷えする京都だけど、その日は幸い北風もおとなしくてそんなに寒さを感じなかった。橋の向こうに見える鞍馬山はうっすらと雪の帽子を被っていたけれど、中洲にある飛び石では観光客や子供たちが遊んでいた。水際にはゴイサギが獲物を狙ってじっと立っている。その脇にはカラスが二羽、水辺には鴨、空にはトンビとユリカモメ。学生時代と最初の会社を辞めた無職の頃、こ...

柿は柿色

ぶらりと散歩していたら、あるお家の軒先で柿がたくさんなっていた。「きれいなオレンジ色。」と思ってから、それはなにか違うんじゃないか、と思った。柿は柿色。いつからあの色のことをオレンジ色と呼ぶようになったのか。子供の頃に持っていた色鉛筆では橙色となっていたけど、ダイダイなんてもはや現物を見るのはしめ飾りだけだ。ピンクは桜色や桃色、紅梅色、薄紅色、紫なら藤色、菫色、藍色、赤にだって朱色も緋色もあるし紅...

◇台風の夜のカラスと「ライ麦畑」

先日の台風の夜のこと。9時くらいまではなんてことなくって「台風来る来る詐欺か?」って思ってたら10時くらいから吹いた風のすごいのなんのって。ベランダの向こうに見える大きな木が今にも折れそうにしなっていて。ふとカラスのことが心配になって「こんな夜にカラスたちはどこで眠るんだろう。」ってFacebookで呟いたんだけど。うちの近所には宮内庁管轄の大きな森があって、そこが近所のカラスたちのねぐら。この季節だとま...

◇固有名詞統一戦線、もしくは役に立たない雑学

何気に気になりませんか?なぜ、金正日はキム・ジョンイルなのに、周近平はシュウ・キンペイなのか。金正日は日本語読みでキン・ショウニチと呼ばず現地語読みでキム・ジョンイル、でも周近平は現地語読みでシー・ジンピンとは呼ばない。これは1984年に韓国の要人に関しては現地語で表記せよ、と韓国からの申し入れがあったことを受けてのもの。日本の植民地支配時代に創氏改名を押し付けられたことへの反感と自立心が背景にあ...

◇ポケットに物語を入れて

ポケットに物語を入れて / 角田光代文庫本には必ず巻末に解説が載っている。この解説を読むのがけっこう好きだ。場合によっては、つい解説から先に読んでしまうという、本読みとしては邪道極まりないことをすることもあるくらい。邪道だろうがなんだろうが、好きなものは好きなのだ。その解説で書かれたことが、実際自分が読んだ感想ととても近いこともあれば、まるで違うこともあるのだけれど、たぶんそういうことはどっちでもよ...

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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