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♪セイヴ・ミー

メランコリックなピアノにのせて、フレディー・マーキュリーが思いをたっぷり込めてSave meを歌いはじめる。

そう、最初はうまくいっていたんだ。
私は、子どもたちの笑顔に魅了された。市場にたっぷりと並んだトマトやスイカやナツメヤシ、交わされる会話と賑やかな喧騒に魅了された。
それらは私の生まれ育った国ではとうに失われてしまっていたのだ。GNPとかGDPとか言われる数字で表される経済成長とともに。
彼らは私を快く受け入れてくれた。それは経験したことがないような懐かしさだった。そんな子どもたちの笑顔が、争いで曇っていくことを見るのはとても辛い出来事だった。この笑顔を守りたいと思った。世界中の人に、この地で起きている悲惨な出来事を知ってもらいたいと思った。
それなのに。
彼らには私の願いは通用しなかった。
私はまんまと罠にはめられてしまった。
彼らはそれほどまでに恨みと憎しみに冒されていた。
そのことを甘く見てしまったのは私の過ちであり私の責任だとは思っている。
ただ、これほどまでの憎しみを生み出してしまったものは何だったのか、そのことをどうか考えてみてほしい。
それとも、そもそも世界の平和を望むことそのものが罪だったのだろうか。

愛する人に会いたい。
もう一度抱きしめたい。
おいしいご飯が食べたい。
ご迷惑をお掛けしたたくさんの方々にお詫びをしたい。
生き延びてちゃんと顔をあわせて謝りたい。

助けてほしい。
私を見捨てないでほしい。
助けてほしい。
何もかもなくして、故郷から遠く離れて。 

Save me, Save me, Save me
I can't face this life alone
Save me Save me Save me
I'm naked and I'm far from home

ブライアン・メイが、切り裂くようにギターを鳴らすのが聞こえる。
金切り声のような叫び。

Save me.
Save him.
Save her.
Save them.
Save us.

これほどまでの憎しみを生み出したものはいったい何なのか。


The Game (+ Bonus Track)
The Game / Queen




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[C2462] Re: 神の居ない場所

deacon_blueさん、こんばんは。

> ☆ 先日ふと思ったのですが,神様は世界中のあらゆる場所にいて,ただ一ついない場所があるとすれば,それがすべての人(の中)なのではないかと。

神様というのは、人間の心の中にある何かに折り合いをつけるためのシステムだと僕は思っています。
そのことを利用して人を思うように動かしたい人たちが、神の名を借りて争いを起こす。
そういう人たちの中に、神様はいないでしょうね。

  • 2015-01-31 18:51
  • goldenblue
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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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