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♪MY VINTAGE あとがき的雑談

golden(以下g):「いやぁー、108枚書くのに二年以上かかったね。」
blue(以下b):「ほんま、よーやるわ、って感じやけどね。」
g:「初志貫徹!」
b:「まぁ心がけとしてはええことや。」
g:「ちょっとライフワーク的にね(笑)、がんばった。」
b:「ひまなんちゃうの、実は。」
g:「(笑)、まぁ、それはともかくさ、こうやってリストを見直してみると、直球ド真ん中の大名盤よりも、ちょっとストライク・ゾーンぎりぎり気味のものが多い、みたいな気がするね。」
b:「そやな。天邪鬼やな。」
g:「それと、どっちかっていうと、アルバム全部一色、というよりも、一枚の中にバラエティ感のあるもののほうを選んでいる傾向があるね。」
b:「偏屈なくせにどこにでも首突っ込んで、オールマイティーにバランスをとりたがる性格がよく出てしまってますな。」
g:「選択の基本ルールとしては、同一アーティストからは複数選ばないにしたんだけど。」
b:「その中で敢えて複数選んだのは、えーっと、ストーンズ3枚、スプリングスティーン2枚、佐野元春2枚、RCサクセション2枚、か。」
g:「もっともRCは、清志郎・チャボのソロも含めると4枚、ビートルズもジョンとポールを含むと4枚になります。」
b:「ロッド・スチュワートもフェイセズを含むと2枚ってことになるで。」
g:「ストーンズの3枚はね、それぞれ時代が違う、ある意味違うバンドみたいなものだからあんまり迷いはなかったけれど、『メインストリートのならず者』を外さざるを得なかったんだよな。」
b:「まぁ、しゃーないか。」
g:「RCは『シングルマン』『Blue』『OK』を、清志郎では『夢助』を、チャボは『麗蘭』を残念ながら選べなかったし、スプリングスティーンは『明日なき暴走』とのかぶりで『青春の叫び』が選外になってしまいました。」
b:「『ジョンの魂』は何で選ばへんかったん?好きやったんちゃうん?」
g:「うーん、なんていうかね、今、ということを基準にすると漏れた。めちゃくちゃ衝撃を受けたレコードだったのは確かだけど、今、ああいう風に自分の内面と向き合うことはないからねー。」
b:「ブルーハーツのファーストも同んなじ理由かな。」
g:「今の自分に響くかどうか、はけっこう重視したので、ある一時期とても衝撃や影響を受けたものや個人史的には思い入れのあるものもたくさん外しましたよ。佐野元春の『SOMEDAY』『VISITORS』や浜省、モッズやアナーキー、或いはいくつかのハードロック・バンド・・・」
b:「逆に、この最近お気に入りだけどあまり長く聴きこんでいないものも選んでないんやよね。」
g:「そもそもの基本コンセプトはMY VINTAGE、熟成されたものを選びぬく、という視点だったからね。」
b:「同一アーティスト、という点でもいろいろ外した?」
g:「Jガイルズ・バンド、入れたかったけどピーター・ウルフのソロを入れたので却下。 スタイルカウンシルも悩んだけど、ポール・ウェラーはジャムのみになってしまいました。」
b:「サイモン&ガーファンクルやC.C.Rもポール・サイモンやジョン・フォガティを選んだ関係か。」
g:「一枚を選ぶのにかなり悩んだのアーティストもたくさんいるよ。」
b:「キャロル・キングの『Tapestry』、ニール・ヤングの『After The Goldrush』、ジャクソン・ブラウンの『孤独のランナー』、ボニー・レイットの『Give It Up』や『Nick of Time』。」
g:「フェイセズの『馬の耳に念仏』『Ooh La La』、フーの『四重人格』、クラッシュの『動乱』『Combat Rock』。」
b:「テレヴィジョンの『Adventure』、パティ・スミスの『Horses』『Wave』『Gone Again』、ルー・リードの『New York』、トム・ウェイツの『Rain Dogs』・・・」
g:「いずれも、もっと好きなものがあったに過ぎない落選です。 」
b:「泉谷しげるの『都会のランナー』『吠えるバラッド』、ルースターズの『Roosters a Go-Go』も入れてほしかったなぁ。」
g:「それ、言い出したらキリないよ。ジミー・クリフの『Follow My Mind』と『Give Thanx』、カーティス・メイフィールドの『Curtis』『Back to the World』、或いはインプレッションズ、ダニー・ハサウェイの『Live』。」
b:「やっぱり同一アーティストから複数枚選ばないというのは高いハードルだったか。」
g:「しかし、そうでもしないと絞り込めないから。」
b:「ジャンル的なかぶりから残念ながら一枚も選べなかったアーティストもたくさんやね。」
g:「これはもう数え上げると枚挙にいとまがありません(笑)。」
b:「また改めてどこかで紹介したいもんやね。」

g:「ところでさ、選んだ108枚をちょっと分析してみたのよ。」
b:「傾向と対策(笑)?」

■リリースの年代別では
50年代以前    9
60年代     10
70年代     40
80年代     38
90年代以降   11


g:「リアルタイムで経験したものより古いものが多くなってしまったのは、ロックやソウルの黎明期~発展期が70年代までなのだからやむを得ないけど、意外と60年代ものが少なかったのには我ながら驚きでしたね。」
b:「サイケデリックやヒッピーにはあまり関心を持たへんかったんやな。」
g:「あと、インプロビゼーション中心のブルース・ロックも。」
b:「50年代ロックンロールとR&B~ビートルズ・ストーンズ~70年代パンクというシンプルなロックがやっぱり一番好き、ということが再認識されたわけやね。」
g:「オールディーズのカバー・アルバムを3枚も入れちゃったしねー。」
b:「いや、ストーンズの1stとブルース・ブラザースも含むと5枚やで(笑)。」
g:「ちなみに単年度で一番多かったのは1973年・77年・85年が7枚、次いで1975年・83年が6枚。 83年~85年はリアルタイムで思い入れの深いものが多いし、1977年にはパンクのアルバムがたくさんかたまっています。」

■国籍別では
アメリカ    52
イギリス    32
日本      19
ジャマイカ    3
アイルランド   1
カナダ      1


g:「カナダの1はニール・ヤング、アイルランドの1はU2。ヴァン・モリソンは北アイルランドの出身なので国籍としてはイギリス、ポーグスもヴォーカルのシェインはアイリッシュだけどバンドの結成はロンドンなのでイギリス。クリッシー・ハインドがアメリカ人のプリテンダーズや主要メンバーがカナダ人のザ・バンドも同様。」
b:「まぁ国籍なんて便宜上のものでしかないけどな。」
g:「アメリカとイギリスのWスコア的な差がついたのは、ブラック・ミュージックがほぼアメリカンということによるもので、人種で分けるのは適切かどうかはともかくとして、数えてみるとヨーロッパ系(いわゆる白人)が65・アフリカ系(いわゆる黒人)が21・アジア系(全部日本人ですが)19となりました。 アフリカ系アメリカ人21を抜くと、アメリカ白人は31となり、わずかにイギリスが逆転します。」
b:「なかなか微妙なバランスをキープしたな(笑)。」

■男女別では
男 93
女 13
男女共同名義 2


※紅白歌合戦に倣って、ヴォーカリストが女性のバンドは女としています。

b:「男性が圧倒的に多いのは、男女共同参画社会としてどうよ?」
g:「いやぁー、そうは言ってもやっぱり思春期にガツンと影響を受けて「こんなふうでありたい」と共感したのが男性アーティストばかりだったからね。」
b:「女性アーティストには共感しなかった?」
g:「若い頃は。」
b:「そんな中でここにリストアップされた女性アーティストは?」
g:「うーん、つまり、多分、要するに・・・ここに挙げたような感じの女性が好きなんだと思う(笑)。いや、人として、ね。」

■リリース年代では70年代と80年代が拮抗していましたが、アーティストの生まれた世代にするとバランスに変化が。
20年代まで   4
20年代    6
30年代    5
40年代   44
50年代   34
60年代    7
70年代    1

(※バンドの場合は主要なメンバーの生まれ年)

g:「一番生まれ年が古いのが1901年生まれのルイ・アームストロング、ロバート・ナイトホークとレスター・ヤングが1909年、ビリー・ホリデイが1915年と続きます。」
b:「この辺りの方々は生きていたら100歳を越しているんやなぁ。」
g:「一番多いのは、1940年生まれのジョン・レノンをはじめとする1940年代生まれ。オーティス・レディングやスモーキー・ロビンソン、ポール・サイモン、キャロル・キング、ルー・リード、ストーンズやフーの面々など60年代から活躍している方々で、60年代のアルバムのセレクトは少なめでもやはりこの世代がこの時代の文化を創ってきたということが頷けるわけです。」
b:「ほう。」
g:「固まりとしては一番多いのは1949年~51年の3年間で、ブルース・スプリングスティーンやトム・ヴァーレイン、ジミー・クリフにスティーヴィー・ワンダー、トム・ウェイツ、ボニー・レイット、トム・ペティ、クリッシー・ハインド、ジョン・メレンキャンプ、それに泉谷、清志郎、チャボ、友部正人らがいる。」
b:「48年のジャクソン・ブラウンや52年のジョー・ストラマーやジョニー・サンダースなども含めて、結局のところ、選んだもののほとんどはこの世代を中心に、この世代に影響を与えた先達とこの世代のフォロワーということになってしまうのやね。」
g:「60年代になると一気に減って、自分より生まれ年が後なのはハナレグミの永積タカシ君(1974年生)だけということになっていました。」

■ジャンル分けすることにもあまり意味はないけれど、敢えてジャンルで分類すれば
ロック       67
ソウル/R&B   15
ジャズ        9
ブルース       3
レゲエ        3
その他       11


g:「ジャンルの境目は独断です。その他としたのは、例えばキャロル・キングや矢野顕子など、いわゆるロック的というよりもポピュラー音楽としての要素が強いもの。」
b:「ロックとひとくちに言っても様々だけど、ソロ・シンガーが多いのと、やっぱりパンクが多いな(笑)。」

人間の身体がタンパク質やビタミン、カルシウム、脂質、といった自分が食べたもので出来上がっているように、聴いてきたものが自分の精神の組成に大きく影響しているのは確か。偏食なくバランスよい摂取を心がけてきたつもりなのだが、やっぱり好みが出るもの。
そういう意味では、この比率はそのまま自分の「成分表」なのだという気がします。

そんなわけでぐだぐだと書き連ねましたが・・・今も自分のCD棚を見直すと、あぁあれも入れとくべきだったか、これはよく聴いたな、これは大切な一枚だったんじゃないのか、このアルバムにはあんな思い出があった・・・などなど後悔することしきり。
まぁ、そもそも嫌いなレコードは所有していないのであるからして、選ぶことそのものが至難の業というか、いつまでたっても暫定的なものでしかないのであって、それはもうどうしようもない。おそらく数年後に選べば、いやすでに明日選んでも違うものになるのかもしれないのだけれど、まぁ30数年分聴いてきたものの中から浮かんでくる自分を映すものとしてはまずまずの出来かな。
穏やかな気持ちの時の自分、怒り悔しさでいっぱいの時の自分、楽しくポジティヴな気分の自分、ブルーで憂鬱な時の自分、若い頃の自分、歳を重ねて分別のついてきた自分、いろんな自分がこのリストに見え隠れしていて、この108枚があればだいたいの気分はフォローできるのではないかな、とそんな感じです。




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コメント

[C2504]

mono-monoさん、コメントありがとうございます。
108枚の記事を読み返したりしながら脱稿の余韻に浸っているうちに、けっこう間が空いてしまいました。
ぼちぼち再開するつもりですが、さて次はどーゆー方向で行こうか、まだあんまりアイデアなくって(笑)。
しばらく充電期間、スローペースの更新になるかもしれませんねー。
  • 2015-03-09 23:11
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2502]

MY VINTAGE、108枚ですか!
聴いたことのないアルバムも多数ありましたのでいろいろ教わりました、お疲れ様でした。
ブログがおわっちゃうわけナイスよね?(笑)
こんどはどんな連載が始まるんだろう??、なんて。
今後とも楽しみにしてます!!!

[C2496]

LA MOSCAさん、ありがとうございまーす。
最後のほうの5枚くらいは、僕にとっても特に思い入れ深いです。その分書きにくくて後回しにして時間かかってしまったのですが。
ジャケット、眺めるだけで楽しいでしょ(笑)。
一応当初リストアップしたものを全部書ききれたのは、最後のまとめ記事を書きたかったからかもしれません(笑)。

コメントはもちろん大歓迎です。お待ちしてまーす。
  • 2015-02-26 08:24
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2495] ご相談なんですが・・・

まずは2年以上に亘る連載、お疲れ様でした。
ひとつ前の記事のジャケ見てるだけで楽しいです。
「コレ読んだっけ?」とクリックするとしっかり自分のコメントが残ってたりして(笑)

現在、多忙中につき、毎晩少しづつ読み返していきたいです。

ラスト3つに関してはちゃんと読んで遅ればせながらコメントさせてもらっていいかな?
黙って見過ごせないアルバムなので(笑)

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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