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♪GRATEST HITS(THE BOMB) -MV番外SNNその2-

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Gratest Hits(The Bomb) / Parliament
Recordrd:1974-78

しょーもないけど憎めないアルバム、SNN第二弾はこの人たちです。
ごってりと濃厚でお腹いっぱいになるボリューム感。
ラメラメでゴッテゴテの衣装でギラギラの楽器のコッテコテでいかがわしさ満点のルックスに、ぶっといリズム、分厚いホーン&コーラス&キーボード、歌われるのはスターチャイルドやらドクター・ファンケンシュタインやらサー・ノーズ・ドヴォイドファンクやら荒唐無稽なキャラも登場してのファンク賛歌。
ドリフのバカ殿コントを思い起こさせるようなアホくささ、バカバカしさ満載でありながら、「スティーヴィー・ワンダーを芸術大臣に!アレサ・フランクリンを大統領夫人に!」なんていう黒いメッセージもあって、これぞFUNKの真髄かと。

Up For The Down Stroke
Chocolate City
P. Funk (Wants To Get Funked Up)
Mothership Connection (Star Child)
Give Up The Funk (Tear The Roof Off The Sucker)
Do That Stuff
Bop Gun (Endangered Species)
Flashlight
Aqua Boogie (A Psychoalphadiscobetabioaquadoloop)
Theme From The Black Hole

実を言うと、FUNKという音楽はそんなに得意ではありません。
数曲聴く分にはアドレナリン上昇の効果がありますが、このゴテゴテと脂っこいのを一枚通して聴くと正直胃もたれがする(笑)。
ブーツィー・コリンズ、バーニー・ウォーレル、ゲイリー・シャイダー、エディ・ヘイゼル、マイケル・ハンプトン、ジェローム・ブレイリーにメイシオ・パーカー、フレッド・ウェズリー・・・といった錚々たるメンバーの繰り出す音は、ノーテンキでコミカルだけどふてぶてしくてパワフルで、ただ、ルックスやステージングの印象以上に実は意外とオーソドックスなんですよね。
どっしりとタイトなリズムにのるメロもけっこうハナウタ的にポップでゴスペルっぽいし、同じリフのコール&レスポンスでグルーヴを盛り上げていく様も実にゴスペル的。派手派手の衣装やおかしなキャラがふんだんに登場するストーリーも、実はアフリカン・ルーツなのかもしれません。

ミズーリ州ファーガソンで、丸腰の黒人少年が白人警官に射殺された事件で、大陪審がこの白人警官を不起訴処分としたことから、これに反発した黒人住民らの暴動が発生している。ことの是非はこの場で論じるべきではないけれど、アメリカにはまだまだ人種間の深い溝がある。自由の国の標榜とは裏腹の黒人であるが故の不当な負のスパイラルがある。
P-ファンクの下世話さやわかりやすさこそは、インテリ層ではなくあくまでも一般大衆に向けて黒人文化の偉大さを発信しようとした総帥ジョージ・クリントンの狙いで、その表現の核にあるのは、徹頭徹尾黒人であることへのこだわりなのだと思う。黒人文化の偉大さを発信、なんてもんではないな、むしろ布教活動や政治活動に近いのであって、そういう意味では日本人に理解できないのは当然のことなのかもしれない。
ただ、そんなそもそもターゲット外の日本人ですら踊らせてしまうのが、ブラック・ミュージックのグルーヴのすごいところ。
なによりこのごってり濃厚感、寒い夜には、卵を落とした味噌煮込み鍋焼きうどん並みに温まりますな。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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