Our Kind of Soul/Daryl Hall & John Oates ダリル・ホールとジョン・オーツが、若い頃から大好きで昔からさんざんプレイしてきたであろう70年代ソウルをカバーした逸品。故ダン・ハートマンが自らヒットさせた“I can Dream About You”は実はH&Oのために書かれた曲だったなんてエピソードも交えつつ、トシ食っても全然枯れる気配の無さになんだかほっとする。
Nick of Time/Bonnie Raitt ワーナーから契約を切られ一時期はアル中になっていたというボニー姐さんが再起をかけて89年に発表したこの作品は、等身大の自分自身ありのままに作られた、肩の力の抜けたこざっぱりした作品だった。もう売れなくったって好きな音楽ができればいいや、とあきらめたとたんにそれが大ヒットしてしまうのだから不思議なものだと思う。
In the Dark/Grateful Dead カントリー・タッチのなんとも心地よいコーラス・ワークの美しさと、拭いきれないブルース感の絶妙のハーモニーを聴きながら、生きてればいいこともあればよくないこともあるのが当たり前という当たり前のことに今さらながら気付かされる。
Goodbye Cruel World/Elvis Costello & the Attractions アクの強いパンク寄りのデビュー作から、カントリー、ソウル、といろんなスタイルを試してきたコステロの、とりあえずぐるっと一回り終了といった感じのする、奇妙に落ち着いた不思議なのどかさやなんともいえない繊細な美しさを湛えたこのアルバム。コステロ本人が「最悪のアルバムだ」と自嘲しているらしいけれど、このぼんやりしたソウル風味が僕は結構好きだ。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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