カラリと晴れた演奏、ビートはなくても心地よくなるゆったりとしたリズム。 でも、そんなほっこりと和む演奏とは裏腹に、歌われているのはヘヴィーな悲しみの感情なのだな。 ブルースの世界とも共通するような、やるせなくどうしようもない感じに、キュッと切なくなる。 じんわりとしみてくる。 このアルバムにはそんな切ない歌がたくさん収められている。 エミルー・ハリスとのデュエットで歌われるカントリー・スタンダード、We'll Sweep Out The Ashes In The Morningはもうこれ以上愛してはいけないと思いながら深みにはまっていく背徳の恋の物語。 同じくスタンダードのStreets Of Baltimoreは、彼女にせがまれて田舎での暮らしを捨てて都会に出て、工場であくせく働らく男の物語。やがて男は疲弊し、都会の魅力に取りつかれた彼女を残して故郷に帰ってしまう、そんな苦い結末のドラマ。 How Much I've Liedは、嘘ばっかりついて生きてきた男の懺悔の歌。 そして、ギュッと切ないバラードのSheはこんな感じの歌だ。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
今年は残暑がゆるくて、その分ちょっと秋が長くてありがたいです。
例年、こないだまで30℃だったのに一気に15℃みたいなことが多いですからね。
>後悔を抱えつつも小気味よいアップテンポで元気に生きていこう、という感じがいいですね。
ほんとそうですね。
切ない歌も多いですが、悲しみに暮れるという感じではないのがいいです。