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♪ボランティア

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畑の草抜きの作業を終えての休憩時間、小川の水で冷やしたスイカにかぶりつく。
スイカっていうのは、たくさんの人数で外で食べたほうが絶対においしい。

水曜日の夜から土曜日まで、陸前高田へのボランティアに参加してきました。
去年は忙しくて行けなかったので2年ぶり。
楽しかったです。
災害被災地でのボランティアで「楽しかった」という感想は不謹慎だと思われるでしょうか。
でも正直な感想として「楽しかった」のです。
今までと違って今回は一般の方20名のボランティアの引率役、言わばボランティアさんがスムーズに活動できるためのボランティア、みたいな立ち位置でした。集まったのは中学生のお子さんとのご家族から、友達同士の高校生、女子大のグループから、何度も来られているベテランの方まで上は74才から下は12才までという、それこそ普段なら何の接点もない人たちですが、そういう方々が片道14時間のバス移動の疲れをものともせず明るく元気に協力しあいながら打ち解けていく様子はとても気持ちよかったし、何ていうか、とてもあたたかいものをいただきました。

あの津波に町が呑みこまれてから3年と5か月。
陸前高田の旧市街地にはもうがれきの山もたくさんの死者が出た市民会館や市役所の遺構も取り払われ、巨大なベルトコンベアがつながって山から土砂を運び込んでいます。再び市街地にするために、10m以上の「かさ上げ」をするのだそうです。海岸では、かつてあった高田の松原を再建する工事、そして高さ12.5mの防潮堤の工事。
その是非については陸前高田の住民が決めることなので私たちが口をはさむべきではないのだけれど、とにかく町は今は巨大な工事現場の様相で、実際に一般のボランティアができることなんて畑の草抜きとか仮設住宅訪問くらいしかなく、それは正直言ってお役に立てているのかどうか何とも実感が伴わない程度のものでしかありません。
それでも、僕は現地を訪れることに意味があるのだということを、今回改めて実感しました。
ひとつは訪れた仮設住宅でのお母さんの言葉。
「大阪から?あんたらずっと来てくれとるねぇ。そうやって忘れんでいてくれるのが一番ありがたいわ。」
被災地にとって、忘れさられてしまうことが一番悲しいことなんですよね。
もうひとつは、津波の最高到達点の高台で、ここから見える景色が全部海になってしまったと説明したときの、初めて来る学生さんが言った言葉。
「ずっとテレビとかでは見ていたけど、こうして実際の場所に来るとどれだけ恐ろしいことだったのかがわかるような気がします。」
テレビの中の悲惨な出来事が、ひょっとしたら自分にも起こりえることなのかも知れない。もし自分の町が大きな災害に見まわれたら、もし自分が愛する人たちや普段の暮らしをこんな風に奪われたら・・・。
現地に立つことで初めて生々しい実感として感じる。その実感は、その人に確かに何かを残す。福島のこと、原発のこと、パレスチナやウクライナで起きていること、戦争の準備を着々とすすめるこの国のことに当事者意識を持って接することができるかどうかも、きっとこういう経験が響いてくるのじゃないかしら、なんて思うのです。
ボランティアに参加する価値は、それだけでもうじゅうぶんにある。
だから、眉間にシワを寄せたりヘンに力こぶを作って「がんばらなくっちゃ!」なんて気負う必要はなくて、だからこそ気楽に楽しく参加できるということがとても大切だと感じました。
それこそ観光気分でもいいと思う。現地を見て、ここで起きたことを想像し、我が身を振り返る。
被災地の「語り部」さんも「私たちの一番ののぞみは、私たちと同じような被害にあってほしくないということ。自分自身に起こるかもしれないと考えて行動を起こしてください。それが亡くなった方への一番の供養になる、と私は思います。」とおっしゃっておられました。

復興にはまだまだ気の遠くなるような時間がかかるのでしょう。
でも、今回ちょっとだけ希望も見えた気がしました。
今回参加した若い学生さんたちが、例えば結婚して子供が生まれ、その子どもたちが物心着いた頃「お母さんが学生の頃、ここは何にもなくなってしまっていたのよ。でも、たくさんの人の思いと力でこんな町ができたのよ。」なんて語りかけている姿を想像したりしてあたたかい気持ちになりました。
そういうの、夢じゃないのかも知れないな、なんて。
そして、そういうあたたかい気持ちが、擦り切れてしまいそうな日常にちょっとだけでも優しさや強さをもたらしてくれるような気がしています。


ボランティアからの帰り、14時間の長距離バスの中でそんなことを思いながら聴いていたのはこの曲。

Bridge Over Troubled Water / Kirk Whalum

Millenium Promise Jazz Project
Promises Made / Kirk Whalum


カーク・ウェイラムさんの、スムーズでハートフルなサックスの音色、やわらかくも生命力を感じるリズム。
この曲の他にも、Stand By MePeople Get ReadyA Change is Gonna Come なんていう、あたたかくも力強いメッセージが込められた曲が多数収録されています。
少しだけでも、明るい未来を信じてもいいかな、なんて気分になれます。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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