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♪SO

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So / Peter Gabriel

Red Rain
Sledgehammer
Don't Give Up
That Voice Again
In Your Eyes
Mercy Street
Big Time
We Do What We're Told
This Is the Picture (Excellent Birds)

スマホの調子が悪くてね。
買い換えてまだ一年くらいなんだけど、時々ちゃんと充電できないことがあって。どうやら、コードを差し込むジャックの部分が馬鹿になっているらしい。機械そのものの性能はどんどんよくなっていくのに、充電のジャックなんていうアナログな部分が真っ先にいかれるなんてね。皮肉なものです。
で、今日、仕事を途中で抜けてケータイ・ショップへ行ってきた。ケータイ・ショップってなんでいつもあんなに待たせるんだ・・・という愚痴はともかく、予想通り一旦今のスマホを預けて修理に出して代替え機種をレンタルすることになりました。
修理に出す僕のスマホはデータを移し替えて初期化する、っていうんで、データをすべてバックアップして代替え機に入れ換えて・・・この手順がまたくそめんどくさいのだけれど、いろいろありつつまぁなんとか移し終えて。
スマホにそんなにこだわりはないのだけれど、やっぱり自分なりのカスタマイズっていうのはいっぱいあったんだな。違和感ありありのレンタル機の初期画面に一杯出ているわけのわからんアプリを全部消して、facebookやらlineやらを再インストールして、よく使うメモ帳やらタイマーやらを使いやすい配置にして壁紙を貼り替えたらやっと気分が落ち着いた。
逆に、自分のスマホの中身を消去して初期化した途端、今まで愛着があった自分のスマホが急に見知らぬ他人のスマホに見えてきてね。なんか、すっごく不思議な感覚に襲われたのです。自分が他人に乗っ取られたような。自分が消えてなくなってしまった、みたいな。新しくインストールしたのは同じように見えてまるですり替えられたダミーであるような、そんな奇妙な感覚。
自分が他人と入れ替わる。他人が自分を乗っ取っていく。かけがえがない唯一無二だと思っていた自分が、実は既製品のパーツの組み合わせでしかなかった、世界とは実はそういうものだったのか。そんなからくりを見せられたようでただ茫然としてしまったのです。

さて、ここからが本題(←長っ!)。
この不思議な感じっていうのは、たとえばピーター・ゲイブリエルなんかがそんな感じかな、と。
非現実的な浮遊感というか、自己存立基盤の喪失危機的感というか、ピーターさんの音楽にはそういう揺らぎがある。
大ヒットしたこのアルバムは、実際バカ売れしたし、SledgehammerやBig Timeの刺激的なPVの印象も相まってかなりポップなイメージもあるし、とても完成度が高いのですんなりと違和感なく耳になじんでいくのだけれど、だからといって居心地のいい音楽とも言えない。
どちらかというと不穏な空気の流れているざらざらとした感触がどこか奥底の方でとぐろを巻いていて、どよーんとした何とも言えない不安感が漂っている。リチャード・ティーがゴスペル・タッチのソウルフルなピアノを弾くDon't Give Upですらさえも、どこかに不安と揺らぎが潜んでいて、それが奇妙にギクシャクした感覚に陥れられてしまう感じ。
もぞもぞと地をはうように呟くトニー・レヴィンのベース、やわらかでいながらとても複雑なリズムのうねりを作るマヌ・カッツェのドラム。ささやくように絞りだすように、ときにすっとんきょうに歌うピーター・ゲイブリエルの声は、歌うというのとはちょっと違う、震えであったり、叫びであったり、言葉以前の領域のもの、という感じがするのです。

でも、こういう奇妙な感覚っていうのは、決して心地よくはないにも関わらずどこか中毒性があって、ついついはまりこんでしまうのですよね。
それはどうしてなんだろう。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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