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♪THE POET -MyVintage(89)-

Poet
The Poet / Bobby Womack

Released:1981

ここまで選んできたMy Vintageのリストを見渡してみて、ソウル関係のどす黒いのが不足している気がしてきた。
えげつなくて泥臭いの。きらびやかで塩っ辛いの。
自分の中でメインではないけれど、要素としてはやはり必要なもの。
ってなわけで、きらびやかかつ塩っ辛いのといえばコレでしょう、の一枚、ボビー・ウーマック師の大傑作『The Poet』。
敢えて80年代前半モノです。
ディスコ・ミュージックに食われて瀕死寸前のソウル・スピリットを全開にして、おかわり何杯でもいけるご飯がすすむ塩っ辛さ満点で、なおかつキラキラしていながらあざとさには堕ちていない。ソフィスティケイトを目指しつつもお里が知れるどす黒さ。
少し時代を下ればもう、どんどんと打ち込みリズムでのっぺりした肌触りのブラコンが台頭してくるだけに、このダサさ寸前のシンセやぼってり分厚い人力リズム隊でのキラキラソウルっていうのはけっこう貴重なのです。

オープニングは、ギターのチャカチャカしたカッティングがいかにもでかっこいいSo Many Sides Of You
続いてちょっとA.O.R的美コーラスとぶりぶりチョッパーがダサかっこいいLay Your Lovin' On Me。ポップでキャッチーでちょっと当時流行りのフュージョンっぽいSecrets
少しペースを落として、ウーマック師がメロウに歌い上げるJust My Imagination
そしてシンセのリズムがゴリゴリ迫ってくるダークでブラッキーでストリーティーなファンク・ナンバー、Stand Upで前半のハイライトを迎える。 うひゃぁー、ってひっくり返ってしまうくらいのダサかっこよさに腰もうずくってなもんです。
B面に移れば、再びぐっとメロウにGames。冒頭の語りもウーマック師ならではのかっこよさ。
そして時代が変わっても歌い継がれる名曲、If You Think You're Lonely Nowでエヴリバディーすすり泣きの大技をばしっと決めて、ラストは渋いグルーヴのスロウ・ファンク、Where Do We Go From Hereで締めくくり。

ギターは70年代ソウル・セッションで引く手あまたのデヴィッド・T・ウォーカー。ベースは後にクラプトンとの仕事でロックもブルースもお得意さんのネイサン・イースト、ドラムスは70年代人力ソウルを支えた立役者のひとり、ジェイムズ・ギャドソン。ピアノは後にアニタ・ベイカーのアルバムをプロデュースするパトリック・モーテン。パーカッションといえばこの人、ポウリーニョ・ダ・コスタの手さばきも効いてるし、コーラスにはセシルを始めとするウーマック・ファミリー総出演。
ほんまええ仕事してはりますわ。
この人たちの力によって20世紀の宝、ソウル・ミュージックが21世紀に生き長らえたと言っても言い過ぎではありません。
今日の文章はいつになくテンション高いな(笑)。
正直、てんてこまいに忙しくて、テンションアゲアゲにしなきゃやってらんねー、ってとこもあるのですが。

いやぁ、しかしこのアルバムはいいよ。
ソウル・ミュージックをグツグツ煮込んでそのおいしいところをギュゥッと凝縮したという感じ。
ディスコ寄りのファンクからミディアム、スロウまでたった8曲ながら実にバランスのよい配分、暑苦しい部分はとことん暑く、クールなところは実にクール。
とっつきやすくかつ聴き減りしない程度のまろやかさをベースにしつつも、この人だからこそのアクともコクとも言えるパンチのある濃さや、この瞬間ならではスパーク感もしっかり残されていてゾクゾクするスリリングさもあり。
万人に支持される中庸な作りと盛り込まれた個性のバランスを両立させることは、簡単なようでとても難しいプロダクションだとつくづく思うわけです。




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コメント

[C2363]

yuccalinaさん、こんばんは。
ザ・ラスト・ソウルマン、惜しい人を亡くしました。
糖尿病やガン、いろいろ患っていたらしいですね。

ちなみにワタクシ、ウーマック師と同じ誕生日、ちょっとうれしいです(笑)。

  • 2014-10-04 23:20
  • goldenblue
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[C2362]

ezeeさん、こんばんは。
70年代モノもいいけど、ウーマック師といえばやっぱりコレですね。
ベタだけどツボにはまる作り、暑苦しさとまろやかさ。
ライヴ盤でのくどい語りもかっこよかったです。
  • 2014-10-04 23:04
  • goldenblue
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[C2361]

80年代ニューウェイヴにどっぷり浸かってたワタクシですが、ピーター・バラカンさんのお蔭で、ボビー・ウォーマックはちょくちょく耳にしておりました。もっと歌声を聴きたかったものです。
  • 2014-10-04 12:18
  • yuccalina
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[C2360]

いいですね〜 
If You Think You're Lonely Now! コレとSecretsは
Iphoneに常備させてまっせ!
死ぬ前に見れなかったのを今もぐじゅぐじゅ悔やんでます。。
  • 2014-10-04 00:31
  • ezee
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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