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♪早すぎる夏日の午後に聴く春ROCK

春の穏やかな休日…「行楽地は家族連れやカップルで賑わいました」などという、まるで時候の挨拶のような紋切り型の言葉が今日も夕方のニュースで流れるのだろう。
メディアの中ではいつだって行楽地に賑わっているのは家族連れやカップルだ。それがまるでこの国での幸せのあり方なんですよ、と言わんばかりに。実際、行楽地の大多数は家族連れやカップルなんだろうけど、男同士や女同士や一人ぼっちという人もたくさんいたに違いない。彼らが家族や恋人と一緒でないからといって不幸せだとは言えない。まして行楽地に出かけなくったって幸せはあっちこっちにある。もっとも、行楽地へ出かける家族連れやカップルがみんな幸せ、ということもありえないことなのだけれど。
今日の最高気温は27℃、5月下旬や6月上旬の陽気だったらしい。この二週間で15℃以上…札幌辺りから一気に香港辺りまで飛んだような温度差だ。
気温も25℃を越してくると、ぽやっとしたポップスでは物足りなくなって、ピリッとパリッとカラッとシャキッとしたロックンロールが聴きたくなってくる。湿気は低めでシャキシャキっとした奴。
例えばこんな感じで。


ベスト・オブ・イミディエイト    Best of Manfred Mann - The Definitive Collection    Somethin' Else: The Fine Lookin' Hits of Eddie Cochran

Pretenders    Parallel Lines


The Best of Immediate / The Small Faces
ピリッとパリッとカラッとシャキッとしたシャープなロックンロールといえば、スモール・フェイセズ。
わりと最近、“Sha-la-la-la-lee”を軽自動車かなんかのCMで女の子が歌っていたけれど、親しみやすいメロディ、シャキシャキしたギターとかわいらしいコーラスはとてもポップでかっこいい。
じゅうぶんにワルでしたたかで黒っぽくて、けど純粋で一途な感じの甘さが同居するバランスは、10代後半の頃のナイーヴさにも似て吸い込まれそうに青く。

Best of Manfred Mann - The Definitive Collection/Manfred Mann
あんまりちゃんと聴いたことなかったけれど、散歩しながらふと口をついてきたのが♪ドーワドゥーディディディダンディドゥドゥー♪っていうあのフレーズ、その名も“Do Wah Diddy Diddy ”。もっとポップ寄りだと思っていたけど、ヴォーカルはエリック・バードン並みに渋いし、リズムもオルガンも結構黒っぽくて、ちょっとこのところはまってます。

Somethin’ Else: The Fine Lookin’ Hits of Eddie Cochran/Eddie Cochran
1960年にわずか21歳で事故死したエディ・コクラン。カラッとした音でかき鳴らされるアコースティック・ギター、荒っぽくもどこかスゥィートなシャウト。50’sの青春の風景はいつだって夏日。

Pretenders/Pretenders
オハイオ州の田舎から逃げるようにしてロンドンへ渡った23歳のクリッシー・ハインド。音楽雑誌の記者になり、やがてバンドを結成し…挫折を繰り返しながらひとつひとつ夢を実現させていったクリッシーが率いるザ・プリテンダーズのデビュー作に閉じ込められた若々しいエネルギー。「どんなことがあったってへこたれないわ!だってあたしにはこれしかないのよ!」とでもいうような心意気に魅せられる。

Parallel Lines/Blondie
もう一枚、軽快で、クールで、しかし艶やかで、エネルギーにあふれた、そんな春っぽい音楽は?と考えてふっと浮かんできたのがブロンディの“Heart of Glass”。
1979年全米・全英ナンバーヒット。中学になったばかりだった僕でも覚えているくらい日本でも話題になった。デビー・ハリーはマリリン・モンローの再来だとか言われてたっけ?
今見ても決して美人とはいえないデビーがあんなに輝いて見えたのは、自分たちのやり方が新しい時代を作るんだという若さと自負、自分達が今世界の中心にいるという自信に満ちあふれているからだろうか。綱渡りのロープを全速力で駆け抜けるような危うさも含めて、今聴いてもじゅうぶんにカッコいい。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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