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♪JEFF BECK GROUP

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Jeff Beck Group / Jeff beck Group

Ice Cream Cakes
Glad All Over
Tonight I'll Be Staying Here With You
Sugar Cane
I Can't Give Back The Love I Feel For You
Going Down
I Got To Have A Song
Highways
Definitely Maybe

ジェフ・ベックという人のポジショニングは難しい。
三大ギタリストなんてくくられはするものの、クラプトンほどブルースや南部一辺倒ではないし、ジミー・ペイジほど骨太ではなく、時期によってもずいぶん志向が違ってて、うーん、正直言うとあんまり興味を持ったことがない。
でも、このアルバムだけは、特別に大好き。
ソウル寄りで黒っぽさ満点のメンフィス録音の1972年作品、プロデュースはスティーヴ・クロッパーだ。

このレコードを初めて聴いたのは高校生になってすぐくらいの頃だった。例のメタル好きの兄貴のレコード棚から失敬して聴いた。
三大ギタリストと呼ばれているのは知っていても、ギターのことなんて全然ピンと来なかったけれど、ヴォーカルの人の歌い方はなかなか暑苦しくて泣きも入ってかっこいいな、と思ったのだった。ハードロックっぽい人より全然渋いじゃん、と。
そのヴォーカリストは、ボブ・テンチ。
英国生まれの黒人ハーフで、ハスキーなしゃがれ声のシャウトがかっこよかった。技術としてはそんなに上手い方ではないんだろうけど、実にソウルフルなのだ。
この人、実はバンド・マンとしてのデビューはベーシストで、ジェフ・ベック・グループ解散後に組んだ自分自身のバンドではギターも弾いている。器用なんだろうね。
その器用さが逆に災いしたのだろうか、ジェフ・ベック・グループという天下に轟く有名バンドに所属しながら、結果的には知る人ぞ知るマニアックなミュージシャンとして(実は今も活動しているらしいけれど)ロック史の端っこにちょっとだけ名を残すことになってしまったようだ。何かがひとつ違えば、ロッド・スチュワート並みのビッグ・スターになっていた可能性だってじゅうぶんにあったはずなのに。
そういうことを考えるとき、人生ってのはタイミングなんだよな、と思う。
実力がある人がそのまんまその実力どおりに評価されるわけじゃない。たまたまチャンスを上手く味方にした奴が、結果的にその機会を上手く活かしてのしあがることもある。実力があっても何かタイミングが合わなくて埋もれてしまう才能もある。もちろんチャンスを活かせずに自滅する奴もいる。
そういうものなんだ。
だからこそ、謙虚であるべきなんだろう。
いい立場にいるときは、それが自分の実力ではないと知っておくべきだし、不遇な立場にあるときは、それだけが評価の絶対基準ではないととらえておくのがいい。

ま、それはともかく(笑)。
このアルバムはいいよ。天下のジェフ・ベックに超上から目線評価ですが(笑)、いいものはいい。
ブルース・ロックの延長上のハード・ロックとはまた違う、ソウルをベースにしたハード・ロック。
とってもソウルフル。渋い。かっこいい。
ファンキーなロックンロールの"Glad All Over"でのドタバタ感や、ディランのカバー“Tonight,I'll be.Staying Here with You”のブルージーな哀愁、スティーヴィー・ワンダー作の“I Got to Have A Song”のどこまでもすすんでいくような伸びやかさなんて、とても気持ちがいいよね。
重めのうねり感のあるグルーヴを生み出すクライヴ・チャーマンのベース、マックス・ミドルトンのこの時代っぽいエレクトリック・ピアノのきらきらした音色が素敵。まだ駆け出しの頃のコージー・パウエルのドラムも一音一音がどっしりと魂こめられた感じの存在感がある。ときどきギターが妙に弾きまくって邪魔しなければもっといい(笑)、いや、それは冗談だけど。唯一しょーもなー、と思ってしまうのがラストのフュージョンっぽいインスト曲。あ、いや、しょーもないは言い過ぎでした(笑)、自分の気持ちにはあまり響かないってだけで。
もちろんこの曲が大好きでジェフ・ベックが大好きな方も世の中にはたくさんおられるわけで、つまりは人の評価なんて様々だってこと、いちいち気にしてたらやってらんない。
自分が気持ちいい方向で、自分が楽しめることをやるのが一番だわね。
ロッド・スチュワートになれなかったボブ・テンチが不幸なわけではないのだ。



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コメント

[C2678]

ひるのまりさん、こんばんは。
ジェフ・ベックの良さは結局よくわからないままなんですー。
このレコードはジェフ・ベックの、というよりも、ハードロック寄りのソウル・アルバムとして愛聴しております。
  • 2015-10-22 23:01
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2677]

ジェフ・ベックのよさも 後々で感じたことなので
青春時代に聞き込んでないので いつまでも
親しみをもてないギタリストですね~

オンチでも 歌ってくれてたら また変わってたと思います♪
  • 2015-10-21 19:05
  • ひるのまり
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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