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♪POORBOY BOOGIE -My Vintage(36)-

Poor Boy Boogie
Poor Boy Boogie / Willie & The Poor Boys

Released:1985

今回のMyVintage盤は、新宿の中古レコード屋で見つけた一枚。
正直このレコードのことはすっかり忘れてしまっていたのですが、思いがけない懐かしい再会にすっかり気分が盛り上がってMyVintageに選定!

さてこのゴキゲンなアルバムは、イギリスのロックの大御所たちによる古いロックンロールやリズム&ブルースのカバー集で、首謀者はあのビル・ワイマン。
多発性脳脊髄硬化症という難病に冒された元スモール・フェイセズ~フェイセズのロニー・レーンを救うためのチャリティとして組まれたARMSプロジェクトの一環だったのだそうです。
中心メンバーはビルとチャーリー・ワッツの他はP:ゲラント・ワトキンス、G:ミッキー・ジー、G&B:アンディ・フェアウェザー・ロウ、Ds:テリー・ウィリアムズ(Ex.ロックパイル)という英国R&R畑の地味渋な人たちなのですが、ゲストにはクリス・レアやケニー・ジョーンズ(Ex.スモール・フェイセズ~フェイセズ~フー)、そして当時TheFirmを結成していたジミー・ペイジ(Ex.ヤードバーズ~レッド・ツェッペリン)とポール・ロジャース(Ex.フリー~バッド・カンパニー)も参加している。
ペイジとロジャースが参加しているのは、オーティスの名バラードのカバーThese Arms Of Mineと、リトル・リチャードのSlippin' and Slidin' の2曲。ポール・ロジャースは TheFirmでも“You've Lost That Lovin' Feeling”を演っていたけど、堂に入ったソウルフルな声はほんま渋いですねー。
クリス・レアはオープニングのBaby Please Don't Goのみ。

そもそもこういった50年代のロックンロールのカバー集は、ジョンの『ROCK AND ROLL』を筆頭に、ザ・バンドの『ムーンドッグ・マチネー』、ロバート・プラントのハニードリッパーズ『Volume1』、ストレイキャッツの『オリジナル・クール』やヒューイ・ルイス&ザ・ニューズの『バック・トゥ・ルーツ』などなどいずれも大好物なのですが、中でもこのアルバムはかなりゴキゲン度が高い。
ポール・ロジャースの2曲はもちろん素晴らしくかっこいいのだけれど、それ以外の曲もそれはそれでかなりいい感じ。それぞれのバンドマンが交代で歌うヴォーカルは実に味があるし、バンドっぽい和気あいあいとした雰囲気があってたまらないのだ。
ピアノのG・ワトキンスが、Saturday NightChicken Shack Boogie、ミッキー・ジーがRevenue Man (White Lightning) 、アンディ・フェアウェザー・ロウがCan You Hear Me?Let's Talk It OverSugar BeePoor Boy Boogieのリード・ヴォーカルを担当。ビル・ワイマンもYou Never Can TellAll Night Longの2曲でいなたい喉を聴かせてくれている。
とにかくゴキゲンで楽しさにあふれる一枚。
そういえば選曲も、ストーンズやキンクスやアニマルズがカバーしていたチャック・ベリーやチェスのシカゴ系のブルースよりも、リー・ドーシーやロイ・ブラウン、エイモス・ミルバーンといったニュー・オリンズ~テキサス、ジョージア方面の元ネタが多いのが特徴。

このバンドの実質の中核メンバーであるゲラント・ワトキンス、ミッキー・ジー、アンディ・フェアウェザー・ロウの3人は、70年代の半ばにはゲラント・ワトキンス&ドミネイターズというバンドで一緒に活動して一枚アルバムも発表していたことがあるらしく、ニック・ロウやデイヴ・エドモンズといったいわゆるパブロックの大御所たちとも昔からの馴染みだったらしい。
ニック・ロウやエドモンズのレコーディングやツアーの他、ワトキンスとミッキー・ジーはその後もビル・ワイマンのリズム・キングスやヴァン・モリソンのバンドにも名を連ねているし、アンディ・フェアウェザー・ロウはクラプトンの『アンプラグド』のサポートでも名を馳せました。
ほんまええ仕事してはります。

こういう裏方街道でしっかりと仕事をこなし続ける職人さんって、なんとなく共感してしまうんですよね。
自分らしさへのこだわりは持ちつつも、でしゃばらずに求められることを理解しつつ、自分らしさの押しつけではなく誰かとの共同作業の中でとてもハイ・クオリティで欠かすことのできない味わいを紡ぎ出すことができる人たち。
そういう立ち位置って、実は誰にでも務まるわけではなく、仕事へのプライドと仲間への信頼や敬意や愛情、そして謙虚さがないとできないことなんだろうと思います。
そういう感じに憧れつつ、僕自身はまだまだ修行中なのですが(笑)。





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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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