このアルバム、この見事なバンド・アンサンブルが聴けるのは、Roundaboutの他、Southside of the Sky、Long Distance Runaround、Heart Of The Sunriseの4曲のみ。他の曲は各メンバーそれぞれのソロ・プロジェクト的な楽曲が1曲ずつ収められている。 リック・ウェイクマンによるブラームスの交響曲の多重録音のCans And Brahms、ジョン・アンダーソンのコーラスが幻想的なWe Have Heaven。Five Per Cent For Nothingはビル・ブルーフォードによるジャズ・ロック的なリズムの小品で、The Fishはクリス・スクワイアの主導によるもの。そしてスティーヴ・ハウのスパニッシュ趣味がよく出たMood For A Day。 これら各メンバーのソロ的な曲がたくさん収められていることが、緊迫した世界観が続いて息が詰まりそうになることの多いこの手のアルバムに全体として山あり谷ありの起伏をもたらしていて僕は好き。 これらの曲はそれぞれのプレイヤーが際立った個性と卓越した技術を持ったを持った強者たちである証。 けれど、技術だけでは人が感動する音楽は生まれない。そこに何かがスパークしたときにだけ宿るある種のマジック。 これらの小品からは、そういう音楽が持つマジックのタネを少し垣間見るような気がするんですよね。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
先日来日した時Roundaboutをやってましたがやっぱりすごく良かったです
最もハウに関してはAsiaでの分かりやすくポップなプレースタイルが1番好きなんですけども
鍵盤のジェフ・ダウンズが大好きなのもあると思いますが