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♪MUSWELL HILLBILLIES -My Vintage(34)-

Muswell Hillbillies
Muswell Hillbillies / The Kinks

Released:1971

10月なのに6個も台風が来るという異常気象の秋。台風が去ったかと思えば今度は北からの低気圧が入り込んで、重たい雲がたれこめるどんよりしたお天気。
どうも体調がすっきりしなくて、昨日も今日もお昼過ぎまで爆睡してしまった。
ちょっと風邪気味?周りでもちょっと風邪っぽい人が増えている。
こないだまで30℃近い暑さだったのにいきなり10℃も下がるんだもの、そりゃあ誰でも体調崩すだろう。
かなり疲れも溜まっっているのだろうな、ちょっと気張りすぎた。少しはセーブしないと燃え尽きちゃうよ。
充電が必要な時期なのだ。今日はのんびりダラダラしよう。

そんなダラダラにうってつけなキンクスの“Muswell Hillbillies”が今回のMy Vintageセレクト。
カントリーやブルース、ラグタイムやスキッフルのような古臭く田舎臭い音に乗せて歌われる、イギリス人らしい斜に構えた皮肉っぽいユーモアたっぷりの楽曲たちに心が和む。

   今日はホリデイ。なんて好い日なんだろう。
   ひざまづいて神様にお祈りしよう。
   不安なんて忘れてさ、肩の荷を降ろすように解放されるんだ。
   鎮静剤も睡眠薬も今は要らない。
      (Holiday

アルバムは、キング・クリムゾンの“Twenty First Century Schizoid Man”への返答歌のような荒々しい20th Century Manで始まり、トランペットの雰囲気がダルなAcute Schizophrenia Paranoia Blues へと続く。
Holidayはリストラされたことを皮肉った歌で、続くSkin & Bone は無茶なダイエットで骨と皮みたいになってしまった女の子を憐れむ歌。そして人生の成功者だった男が落ちぶれてアル中になってしまう物語、Alcohol
いずれも40年も前に書かれた歌とは思えないほど現代でも身につまされるような哀れな話ばかりなのだけれど、レイ・デイヴィスのちょっと鼻にかかった飄々とした歌い方と軽妙なキンクスの演奏にかかるとなんだかとても滑稽な物語に聞こえてくる。
こういう軽さこそ、キンクスの真骨頂なんだよな。

   今朝、目が覚めたら首が痛かった。 
   心臓も痛い、それから胸も。
   名医といわれる医者の所へ行ったらその名医はこう言ったね、
   「ちょっとペースを落とさなきゃ、死んじゃいますよ。」って。
   「じたばたしたりがんばったりしないこと。
   そんなの人生を厄介にするだけなのですから。」
      (Complicated Life

ハハハ、レイ・デイヴィスの歌う通りかもしれない。
らりらりら~♪って感じで、じたばたしたり、がんばりすぎたりしないで、お茶でも飲もう。

   ちょっと気分が良くないときや、ちょっと虫の居所が良くないときには
   おばあちゃんのお茶を飲んでみなよ。
   咳も痰も吹き飛んでしまうから。
   肝炎も、慢性の不眠症もあっという間に治ってしまう。
   扁桃腺炎も、膝にたまった水もあっという間に引いてしまうから。
      (Have a Cuppa Tea

Here Come the People In GreyHolloway Jailといったブルージーな曲、ピアノが美しい穏やかなOklahoma USAや、スライド・ギターの映えるUncle Son と続いて、ラストは能天気にポジティヴなMuswell Hillbilly で大団円。

   奴らは僕を小さな箱に閉じ込めようとする
   個性のない画一化
   奴らはコンピューター社会を築き上げようとしてるけれど
   僕をゾンビにすることなんてできないさ
     (Muswell Hillbilly

あんまり自分のキャラではないけれど、たまにはちょっと肩の力を抜いて。
だいたい力みすぎるとろくなことがない。
キンクスみたいに軽いユーモアで飄々といきたいもんですね。


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コメント

[C2029]

おぎてつさん、こんにちは。
いいですねー、ロンドン。ヨーロッパにはまるで縁がなかったので行ってみたいですねー。
っていうか、昼間からパブで飲んだくれたいですねー(笑)。
Have a cuppa tea、らりらりら~、のコーラスが好きです。

  • 2013-11-06 08:07
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2028]

ロンドンに行った時にこんなパブに寄って見ました。平日から昼間からビールを飲んでいる人が多いんですよね。
<Have a cuppa tea>は、時々、ギター弾きながら歌います。結構シニカルな歌が多いアルバムの中では、可愛らしい歌ですよね。
  • 2013-11-06 04:07
  • おぎてつ
  • URL
  • 編集

[C2019]

つき子さん、こんばんは。
その後眠れましたか?
ほんと、経験上もリキむとろくなことがないですから、テキトーにそこそこでとは思うのですが、ついムキになっちゃう性分なのですよねぇ、残念ながら。テキトーにほったらかせない。
折れないように燃え尽きないように、そこそこでいきます。
でもやっぱりみんなにお茶くんで回ったりはやっぱりするんだろうな。。。
  • 2013-10-29 01:34
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2017]

Okadaさん、毎度です。
ガッツリ家事をこなしたとはさすがです。僕はぐーたらしていました(笑)。
だらだらするにはこのアルバムはかなりいい感じです。脱力して、昼間から飲みたくなってしまいます。
仕事の日にうっかり聴くとかなりやる気下がりそうですが。



  • 2013-10-29 01:24
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2016]

今日は仕事がらみの用事で、朝から夕方まで出ていました。そこでフェアをやっていたのでお手伝い、なかなか楽しかったなぁ。でも、お休みじゃなくなった感、残念なんで飲みました。ちょっとうたた寝したら、また眠れなくて…コメントを。こんな時間に、あっ、新聞配達の音、ハハ。
そう、燃えつきない、燃えつきない。あんまりリキムとまわりがひいちゃうからね。美味しいお茶でもゆっくり飲んでください。あっ、みんなにお茶を入れるのに動き回っちゃうか?ハハ。
  • 2013-10-28 03:32
  • つき子
  • URL
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[C2014]

すっかり寒くなっちゃいましたね。
このアルバムはジャケットも良いし、音もええ塩梅ですね〜。
休日にダラーっと聴くにはピッタリの一枚です。
でも、今日ぼくはガッツリと家事をこなしたので、キンクスな気分じゃなかったなぁ。
来週はビールでも飲みつつ『Muswell Hillbillies』聴いて、のんびり過ごしたいっす。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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