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♪FIRE AND WATER -My Vintage(70)-

Fire and Water
Fire and Water / Free

Released:1970

ジャケットに映る4人の面構えがかっこいい。
ふてぶてしいというか、怖いもの知らずというか、なんぼでもかかってこんかい!という感じの肚の座った目つき。
MyVintageに選定する基準には実はジャケットのかっこよさも重要な要素なのです。
持っているだけで心の中に野獣を一匹飼っているような気分になります(笑)。

もちろん音も最高にかっこいい。
ポール・ロジャースの男気あふれるブルージーでソウルフルなヴォーカルは当然のこと、ビシッ、バシッと一音一音をどっしりとタイトに叩くサイモン・カークのドラム、もぞもぞとうねりまくるアンディ・フレイザーのベース、ぶっきらぼうで愛想も可愛げもまるでないけれど、ここ!というところでグイグイとツボを攻めてくるポール・コソフのギター。
そんなキャラの立ったメンバーの全員が全員「俺様状態」でびりびりと火花を散らしながら凌ぎを削っているからこそ出てくるこの何ともいえない、男の色気とでもいうような妖しさ。
バンドなんて、自己主張をぶつけあってなんぼ。
という意味では、まさにこれぞロック・バンド!という音だと思います。

Fire And Water
Oh I Wept
Remember
Heavy Load
Mr. Big
Don't Say You Love Me
All Right Now

たった7曲、でもこの7曲が過不足なく全部いいんです。
Fire and Water、Heavy Load、そしてAll Right Now、全部大好きだけど一番好きなのはMr.Bigだな。

So Mr. Big You'd better watch out
When only you hang around me
Oh for you now
I will dig A great big hole in the ground.

 お偉いさんよ、気をつけたほうがいいぜ
 いい気になって調子に乗ってたら
 あんたのための
 でっかい穴を掘るぜ

こういうクソ生意気というか、鼻っ柱の強いところがフリーの音の真骨頂。
芯が太い。ふてぶてしい。自信たっぷり。
自信なんてもん、根拠があろうがなかろうが言ったもん勝ちなんだよな。
ガタガタ抜かすな、やれることは全部やる、できないことはできるように努力する、やるべき意味合いが見いだせないことはやれない。それだけのことだ。
あんたの言い分だけがすべて正しいとは思えない、思わない。

と、こういうぶっとい音を浴びると、少しずつ少しずつ体力が回復してくる気がする。
たまには分厚い肉の塊も食わなくっちゃ、ハードな季節を乗り切れないぜ。





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コメント

[C2273]

非双子さん、こんにちは。
フリー、ずっしりと重い手応えがありますよね。
ブルースバンドでもないし、ハードロックの重さとも違う、王道でありつつ意外と似たバンドのいない不思議な存在感だと思います。

[C2272]

Freeは重々しさが好き!

アルバム違うけど「Heartbreaker」をよく聞いてました。
  • 2014-06-10 20:46
  • 非双子
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[C2271]

GAOHEWGⅡさん、こんばんは。
勝手に雰囲気で訳しているので正しいかどうか自信はないのですが、前後の文脈からいうとこういう感じかな、と。
下世話ソングの可能性もありますが、Mr.Bigの穴を掘る、というと、かなり違う方向へ行ってしまいそうで・・・(;゚ロ゚)

[C2270]

goldenblue様 こんばんは

フリーいいですね!大好きです。
自分はライヴから入って、2枚目にこれを買った記憶があります。(後追いで高校時代に)

ミスタービッグの訳はお偉いさんって意味だったのですね。てっきり下半身的下世話ソングとばかり・・・目からウロコです。

[C2269]

わんわんわんさん、こんにちは。
そう、見事な構図だと思います。
そして4人の表情の微妙な違いが、そのままこのバンドの好き勝手ぶりをよく表していると思います。
  • 2014-06-09 07:36
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2268]

名盤さん、こんにちは。
ツェッペリン好きの名盤さんがフリーはスルーしていたとは意外です。ブルースをベースにした英国バンドとはいえ、アプローチはまるで違いますが。
ジャケットは大事ですよね、音の世界へのイマジネーションを広げてくれます。配信だと持っていること忘れてしまいそうで・・・やっぱりブツで所有したくなります。そういうの、もはや古いのでしょうけどね。
  • 2014-06-09 07:31
  • goldenblue
  • URL
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[C2267]

ジャケット写真の構図がものすごく計算されており、シンプルながらも4人の存在感が抜群ですね。これは思わずジャケ買いしそうです。
  • 2014-06-08 21:17
  • わんわんわん
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  • 編集

[C2266]

ジャケットのカッコよさ、重要ですよね。
でも、レコードからCDになり、さらには配信が増えてきて、ジャケットの重要性が低くなってきてるのが寂しく思います。
フリーは「オールライト・ナウ」しか知りません。
今度アルバム聴いてみよう!

[C2265]

yuccalinaさん、こんにちは。
まさにロックの黄金時代の一枚、って感じですよね。
やることなすこと、音も歌も佇まいもぜーんぶサマになっている。
聴くたびに発見があって、飽きることのない一枚です。

  • 2014-06-08 19:02
  • goldenblue
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[C2263] Re: All Right Now

deaconblueさん、こんにちは。
>有り体に言えば街でナンパしたお姐ちゃんをお持ち帰りする歌で,歌ってた頃はみんな若い。だけど何とも言えず格好良い。渋谷陽一が「質実剛健ロック」と称していたがまさにそんな感じがする。ただ歌詩の中身がブルース・ロックで売り出した彼等らしからぬと当時は結構メディアに叩かれたそうです。いやあ了見の狭い話だ(苦笑)。

そうなんですか。いや、All Right Nowなんかでも、お姉ちゃんをナンパするだけの歌にあれだけのパッションを込められるというのは、じゅうぶんにブルースやR&Bの流儀と伝統にのっとっているのではないかと思うのですがねぇ。当時はもっとロックには反逆性や哲学性が求められていた、ということなのかもしれませんね。

  • 2014-06-08 18:51
  • goldenblue
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[C2262]

こんにちは。
私もこのアルバム大好きです。ビートクラブで3曲ほど、映像も見ました。ロジャースの「フーンッ!」てな掛け声がソウルフルで、格好えかったっす。
  • 2014-06-08 12:32
  • yuccalina
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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