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♪IN CONCERT -My Vintage(104)-

In Concert: Best of
In Concert: Best of Live / Jimmy Cliff

Released:1976

You Can Get It If You Really Want It
Viet Nam
Fountain Of Life
Many Rivers To Cross
Wonderful World, Beautiful People
Under The Sun, Moon And Stars
Wild World
Sittin' in The Limbo
Struggling Man
The Harder They Come

ジミー・クリフの1976年ニューヨークでのライヴを収めたライヴ盤。
これはもう、言うことなしの愛聴盤です。
軽やかで、しなやかで、ゆったりしつつバネのあるリズム、ピンと張りのあるみずみずしい声。
ノーテンキで朗らかでオープンなリズムと歌、ポジティブなヴァイブレーションとメッセージ。

 本当に望むのならば、それは手に入れることができる
 本当に望むのならば、それは手に入れることができる
 けど、そのためには、トライしなくっちゃ
 トライして、トライして、トライして
 そうすればきっと成功する
   (You Can Get It If You Really Want It

 例え君がどんな人間だとしても
 太陽の下、月の下、星の下では
 誰もが楽しみを分かち合うことができる
 幸福を探すんだ
 太陽の下、月の下、星の下で
   (Under The Sun, Moon And Stars

年明け早々のフレッシュな気持ちで聴くには実にゴキゲン。
体の底からエネルギーが湧いてくるような気持ちになる。
もちろんレゲエは、ただエネルギッシュでノーテンキな音楽ではなく、長い間抑圧され搾取され続けてきた民族であるが故の、自由と解放、闘いと連帯のメッセージが込められているのだけれど、例えばボブ・マーリーの重くうねるようなリズムに乗せて歌われるアジテーションに比べると、ジミーさんのそれはずいぶんと牧歌的で穏やかで、どこかすっとぼけているような感じさえしてしまう。そしてボブ・マーリーと違って、ポジティヴでアグレッシヴなばかりではない嘆き節もけっこう歌っている。

 渡るべきか河がたくさんあるけれど
 今、どれが自分が越えるべき河なのか見失ってしまった
 行先を見失って今、
 白いドーヴァーの崖の前にたたずんで
   (Many Rivers To Cross

 地獄と天国の間にしゃがみこんで
 ただ時が過ぎるのを待っている
 地獄と天国の間にしゃがみこんで
 歌を失った鳥みたいに
 彼らは抵抗を諦めてしまったけれど
 僕はこの信念に従っていこう
    (Sittin' in The Limbo

ブルースでもよく歌われるような嘆きの悲しみの歌なんだけど、ジミーさんが歌うと、どこかあっけらかんとしていて、なんだ、あんまりたいしたことでもないやん、というふうにも聞こえてしまう。
その飄々とすっとぼけた軽い感じがジミーさんの最大の持ち味なのだ。
そしていつの頃からか、このすっとぼけて飄々とした中にこそ、本当の強さがあるんじゃないかと思うようになった。
シリアスなメッセージをしかめっ面でシビアに歌うことよりも、軽やかに飄々と歌うことのほうが実はとてもタフでしたたかなことなんじゃないか、と。弱い部分は弱い部分として素直にさらけ出せる方が本当の強さなのではないか、と。
生きていりゃ生きているほど当たり前のようにいろんな問題が降って湧いてくる。
そーゆー諸々を大らかに全部受け止めて、タフに、したたかにやっていきたいものですね。
大きな理想はあきらめずに持ちつつも、ひとつひとつできることから着実にやっていく、そんな強さとしなやかさを手に入れたい、なんてジミーさんの歌を聴くとそう思うのです。

 この世界を見渡してごらん
 この国で今日、起きていることを
 君ならわかってくれると思う
 僕ら、もう少しましなやり方ができるはず
 愛を心に持つことができれば
 お互いに愛し合うことさえ学ぶことができたら
 いらいらしたり、争いあったり、
 ごまかしたり、かみついたり、
 あげつらったり、嫌悪したりする代わりに
 そうすればきっと
   (Wonderful World, Beautiful People

 日中にはお日様が、夜にはお月様が輝くように
 何度失敗したとしても、高いところに手を伸ばすんだ
 今日を生き抜くために明日の計画を練ろう
 消えてゆくその前に、花のように僕らは咲き誇る
   (Struggling Man



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コメント

[C2456]

ezeeさん、どーもです。
ジャケットもかっこいいんですよね、これ。
黄色に黒の星のシャツとハンチング、このシャツどっかで売ってないかなー、と思ってます(笑)。
今年も屁理屈かましまくりでいきまっせー。
よろしくお願いしまーす。
  • 2015-01-07 23:16
  • goldenblue
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[C2455]

まいど、どーもです。
ジミー・クリフ、すごく懐かしいです。暫く聴いてませんが、
大学の頃、ジャケにも惹かれLPで買いました。
確かに重いテーマも軽く歌ってるのが、この人らしくていいです。
また本年も深い記事、よろしくです!

[C2453]

ひるのまりさん、新年おめでとうございます。
映画のジミー・クリフ、かっこよかったですよねー。
ボブ・マーリーはレゲエの神様なんですが、ジミーさんのもちっと凡人くさいところが素敵です。
ぜひ聴いてみてくださーい。
  • 2015-01-06 23:51
  • goldenblue
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[C2452]

オギテツさん、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

Limboって宙ぶらりんという意味なんですね。
辞書引いても載ってなくって、宗教用語として“天国と地獄の間”ということがわかったのですが、なるほど、って感じです。
ジミーさん、後のアルバムでこの曲をテンポアップさせてレゲエ・ヴァージョンにした“Stepping out of Limbo”っていう別ヴァージョンも演ってます。
  • 2015-01-06 23:47
  • goldenblue
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[C2451]

遅ればせながら 明けましておめでとうございます!

ジミー・クリフは映画を見てLPを聴きました
なので映像が ひろがっていきますね。

ボブ・マーリーのCDはたくさんありますが ジミー・クリフのはないのですが あの生命力あふれる歌はすごく印象に残ってます!

今年もよろしくお願いします♪
  • 2015-01-06 22:01
  • ひるのまり
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[C2449]

最近、頻繁にブログを更新していない僕ですが、こちらは精力的に書き込んでいらっしゃいますね。

僕も”Sittin' Here in Limbo”が好きです。僕の中では、何となく、オーティス・レディングの”Doc of the bay”にダブルところが有ります。
リンボウというのはいわば宙ぶらりんの状態な訳で、港で日がな行きかう船を眺めて日を送るのと似ている所が有ると思います。

それでは、今年も宜しく!

オギテツ
  • 2015-01-06 12:30
  • おぎてつ
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[C2448]

GAOHEWGⅡさん、こんにちは。
遅ればせながら新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

ジミー・クリフはベスト盤もいろんな時代のものがたくさん出ていますが、やっぱりこれが一番かと。バンドの音がやっぱりライヴならではのハネやノリがあって、お客さんもノリノリだし、選曲もベストです。
  • 2015-01-06 08:08
  • goldenblue
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[C2447]

LA MOSCAさん、こんにちは。
ベスト100の記事、何故か今まで拝見したことなかったです。。。このシリーズのセレクトと10枚くらいはかぶってましたねー。
ジミー・クリフはかなり好きなんです。
このゆるさと陽気さとピンと張った艶感はなかなか他にない種類の音かな、と。

  • 2015-01-06 07:59
  • goldenblue
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[C2445]

golden blue様 こんばんは

あけましておめでとうございます。

ジミークリフは何枚か持っているのですが
これは持っていませんでした。

Wonderful World, Beautiful People
は大団円な感じがお正月っぽくていいですね。

[C2443]

このアルバムは俺も大好きです。
自分のブログのプロフィールにベスト・アルバム100枚挙げてるんですけど
コレも入れました。
確かにボブ・マーリーのような重さはないですよね、この人には。
持ち味というか資質の違いというか。
俺はどっちも好きだけど所持してるアルバムはマーリーの方が多いかな?
でも時々、無性に聴きたくなる愛着ある、コレは。
一番好きな曲は「ワンダフル・ワールド、ビューティフル・ピープル」です。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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