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♪俺と仲間 / Ron Woodと仲間たち

俺と仲間

I’ve Got My Own Album to Do/Ron Wood

よくお邪魔させてもらっているブログのまりさん、 波野井露楠さん がロン・ウッドについて書いておられたのですが、実は私もこのところめっきりロン・ウッドにはまっているのです。
“I've Got My Own Album To Do”は、1974年、フェイセズ開店休業中にロニーの自宅にミックやキースやロッド・スチュワートが入れ替わり立ち代り遊びに来てはノリでセッションを繰り返してレコーディングされたロン・ウッドのファースト・ソロ・アルバムで、スタジオ代がかからなかった代わりに酒代が莫大にかかっただとか、この共演でロニーとキースが意気投合してストーンズ加入の決定打になっただとかいろんな逸話があるのは有名な話。ミックやキースやロッドのほかにも、ストーンズからミック・テイラー、フェイセズからイアン・マクレガン、そしてジョージ・ハリソンといった面々、リズム隊はアンディ・ニューマークとウィリー・ウィークス!で、いきなりミックのデカイ声のコーラスがかっこいい“I Can Feel The Fire”から始まる、テキトーにルーズでサイコーにかっこいいロックンロール。そして何より、春のウララカな陽気にも似たリラックスした雰囲気。
僕の持っているLPレコードは、白黒でロニーの顔のアップのジャケットなのだけれど、今のジャケットのほうがこのアルバムらしくて好きだな。
そして、邦題『俺と仲間』ってのはロニーらしくていいタイトルだ、と思う。

仲間といえば…週末に、昔の職場の仲間と飲んだ。もう10年以上も前、まだまだやんちゃくれていた頃の仲間だ。そのうちの一人が、この春、乞われてある大学のスポーツ部の監督に転進することになったことがきっかけで集まることになったのだ。
なんだかんだで10数人も集まったのは彼の人柄だろう。
宴はすすみ、それぞれがそれぞれの近況やら思い出話やら何の関係もないバカ話やらの輪があっちこっちで花開く。後輩に説教を垂れる奴、今の情勢について熱く語る奴、ただ黙って肯いている奴、酔っぱらって眠りこけている奴。
そんな光景を見ながら、僕はなんだかとても幸せな気分に包まれたのだった。まぁ、実際酔っぱらっていたから幸せな気分には違いなかったのだけれど、何かキュッと胸にくるような感じの幸せな気分。
哀しいわけじゃない、とっても幸せな感じなのに、なぜか泣きたくなる感じ。
この何気ない幸せな光景がずっとずっと続けばいいのにな、でもいつかこの宴会は終わってみんなひとりひとり自分の今の場所に帰っていくんだよな…なんて思いがどんどん湧いてきたりして…。
わかってもらえるだろうか?この何とも いえない感じ。
その何ともいえない微妙な気分が、なんとなくロン・ウッドの弾くギターの音と共通する何かがあるようにふとそう思ったりしたのだ。
陽気でハッピーでルーズで、だけどただの能天気じゃない、春のウララカな陽気にも似た、清々しいくらいの透明感。その透明な中にうっすらと潜んでいる晴れやかな哀しみの感じ。儚さ、とでもいうのだろうか?その儚さが、ロニーの音楽を、陽気なだけじゃなくとても豊なものにしているのだと思う。

なんにしてもロン・ウッドは本当にイイ奴だ。
日々はあくせくしっぱなしで、必死のパッチで駆け抜けていかなきゃならないような毎日だけれど、だからこそ、ロニーの陽気で朗らかでほんの少し感傷的な音楽がとびきりの元気の素になる。気の合う仲間と最高のロックンロールさえプレイできればあとはなんでもいいじゃないか、ってな気分にしてくれる。
さぁ、もう一回聴いてみよう、“I Can Feel The Fire”!



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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