“Ladies and Gentleman,I give you the Celtic Soul Brothers...” そんなアナウンスで始まるデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの1982年のアルバム。 バンドのテーマ曲のようなThe Celtic Soul Brothers で幕開け、ホーンセクションがソウルフルなLet's Make This Preciousへと軽快に続いていくご機嫌なオープニング。 それぞれの曲が切れ目なく続いてひとつの物語を織りなしていくような感じは、映画のサウンドトラックというか、ミュージカルやオペラみたい。 ケヴィン・ローランドの独特の声質とやや芝居がかった歌い方は好き嫌いのハッキリしたタイプ だけど、聴けば聴くほどに味わいの出る魅力的な声だと思う。どこかいい加減でありながらも意志を持って演じているような歌い方。そう言えばこの人の怪しげな風貌はインチキ芸術家を思わせるものがある。 3曲目、All In All (This One Last Wild Waltz)でぐっとペースを落としたあと、続くJackie Wilson Said (I'm In Heaven When You Smile)がアルバムのひとつめのハイライト。ジャッキー・ウィルソンをはじめとするソウルへの賛歌を歌ったヴァン・モリソンの曲を敬意を込めてカバーするこの選曲に、このバンドのケルト音楽とソウルへの姿勢がはっきりと表れている。 そしてA面のラストだったOldがまたいいんだ。 お爺さんのそのまたお爺さんのそのまたお爺さんの時代からずっと変わらない、貧しくもつつましい暮らしを憐れみつつも愛しむような視線、穏やかに枯れた歌。ほのぼのとのどかでじんわりと哀愁を感じさせるメロディーにほろっとする。
You've always been searching for something But everything seems so so-so Tightly close your eyes, Hold out your hand We'll make a stand Forget their plans,and their demands Plan B They're testing you - but don't worry
I'll need tonight to sit and think about this Think what to do I'll take some strength to banish hollow sorrow Hollow sorrow's nothing new Just enough strength to last until tomorrow Till I believe in my soul, till I believe in my soul
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
確かにこの方は天才だと思います。天才が故の狂気みたいなものをはらんでいますね。
ファーストの頃もかっこいいんですが、後のソロ・アルバムも結構好きです。
女装した気持ち悪いジャケでカラオケ大会みたいなカヴァーを披露した"MyBeauty"も、しょぼいんだけどなぜかグッときます。