彼らの唯一のヒット曲、 In A Big Country のこのフレーズが好きで、冬になると時々とても聴きたくなる。 名曲です。 のっけからの“ハッ!”という掛け声からもうグイグイと引き込まれる。 アダムソンの弾くエフェクターを多用したバグパイプを模したギターは当時としては画期的で、その音色は彼らのトレードマークになった。 ゲート・エコーのかかったドラム、ベースは意外にも撥ねまくり、そして巧くはないが誠実さの伝わるヴォーカルもいい。 大平原の中を煙を吐いてひた走る蒸気機関車のように力強く、武骨なかっこよさと素朴さにあふれている。 当時の人気としては、同時期に出てきたU2やエコー&ザ・バニーメンよりも上だったはず。 今となってはIn a Big Countryだけの一発屋のイメージがつきまとうけれど、収録された楽曲はいずれも独特の味わいがある。 疾走感のあるInwardsやパワフルなFields Of Fire。 荒れた風景の中に遠い希望を抱かせるようなChanceや1000 Stars。 スコットランドの古い民謡を思い起こさせるようなメロディのThe Storm やHarvest Home。 壮大な氷の大地を黙々と走り続けていくようなPorrohman。 そしてアルバムタイトル曲なのに後に出た再発盤のボーナス・トラックとして収録されたThe Crossingの、スコットランドの平原に訪れる遠い朝焼けのような、儚いけれど晴れがましくもあるような美しさも素晴らしい。 大らかというか、ビッグ・カントリーの音から聞こえてくる風景の広さがいいんだな。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
80年代にはイギリスの田舎に、パンク~ニューウェーヴの流れを組んだいいバンドがたくさんありました。
U2、アラーム、ウォーターボーイズ、アズテックカメラ、エコー&ザ・バニーメン、ポーグス・・・全部まとめて好きだったんですが、その中でもビッグカントリーは大好きでした。
アダムソンさんが亡くなってしまわれたのはほんと残念です。
yuccalinaさんのブログにもまた寄せていただきますねー。
今後ともよろしくお願いします。