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♪CENTERFIELD -My Vintage(32)-

センターフィールド
Cemterfield / John Fogerty

Released:1985

森の中に伸びた一本の長いコードをどんどんどんどんとたどっていくと、ブルージーンズとGジャンの田舎くさい無骨な親父がいなたいギターを弾いて歌っている、そんなプロモーション・ビデオが印象的だった「The Old Man Down The Road」から始まる、ジョン・フォガティのアルバム『センターフィールド』が発表されたのは1985年、18才の頃だった。
ちょうど60年代、70年代のロックの名盤を片っ端から聴きあさっていた頃だったから、「おーっ!これがあのC.C.Rの!」と感動したのをよく覚えている。何しろ当時はMTVの全盛期で、ルックス重視ビジュアル重視のオカマっぽいキラキラしたバンドやちゃらちゃらしたバンドばっかりがヒットしていたから、ジョン・フォガティの泥臭くてブルージーなアメリカンな音はかなり異質でインパクトがあった。
CDの解説によると、ジョンはC.C.R時代の楽曲の版権の関係でもめていてレコードが出せなかったそうで、このアルバムは実に8年ぶりの作品。当時43才。え、43?ずいぶんおっさんだと思っていたけれど、今の自分より3つも若かったのか・・・(笑)。
まぁそれはともかくも、8年ものブランクがあっただけに、その間に書きためられた楽曲は粒ぞろいで全曲いい。

一番有名なのは、今も野球場で使われたりしてたくさんの人に愛されているタイトル曲かな。

Centerfield

♪太鼓叩いてメガホン持って
 今日はいいお天気
 張り替えられたグラウンドの芝も鮮やかで気分もフレッシュ
 三塁を回ってホームにスライディングするブラウン・アイド・ハンサムマン
 こんな気分味わってみたくない?

 コーチされて、もう準備万端、やる気満々
 さぁ、監督、出させてくれよ、いつでもOK、フィールドの真ん中へ

C.C.Rにももちろん共通する、屈託のない明るさや親しみやすさがいいな。ついニコニコしてしまうような。

このポップさが大好きなんだけど、もちろんジョン・フォガティの持ち味はポップなだけではない。
Searchlight」はアーシーでブルージーで泥臭いナンバー、「I Can't Help Myself」では持前のソウルフルさが溢れ出て、「Big Train (From Memphis)」は郷愁を誘うカントリー・ソング。すんなりと何にもない田舎町で汽車を見ながら都会を夢見ている少年の気持ちになってしまう。
I Saw It On T.V.」では“それって本当だよ。だってテレビで見たんだもの。”と現代社会のさみしい一面をさりげなく告発していたり、「Mr. Greed」では、“この強つくばり野郎、あんたどんだけ奪い取るつもり?”と訴訟の原因となった元レコード会社の社長を激しいシャウトで痛烈に非難したり、東洋風の不思議なメロディが印象的な「Vanz Kant Danz」では皮肉とユーモアたっぷりに嘲笑ったりもする。
一般的にはジョン・フォガティは、アーシーで泥臭い古き良きアメリカン・ロックの担い手として認知されているだろうし、実際そういう聴き手に支持されているだろう。
僕ももちろんそういう部分でも大好きなのだけれど、意外と直球一辺倒ではなくいろんな感情をそれぞれの曲で表現して見せるバランスの良さも僕にとってはこのレコードの大きな魅力。
しかも、このアルバムの、一聴して田舎くさいもっさりしたおっさんたちが納屋で一発録りしたようなバンド・サウンドが実は驚くべきことに、ギターもベースもドラムもすべてジョン自身による演奏の多重録音なのだ!
アーシーで泥臭くワイルドなだけの人ならきっとアメリカ中にごまんといる。年がら年中スタジオにこもって緻密に音を重ね続けていくようなマニアックなミュージシャンもきっとごまんといるだろう。でも、これだけアーシーで泥臭い音を多重録音で作っちゃう人はそうそういないのではないかしら?
そんな、豪快さと緻密さ、シニカルさとポップさ、一見相反するような要素を併せもっている人って、ほんとうにすごいと思うし、憧れちゃうな。


最後に、一番大好きなこの曲を。

Rock And Roll Girls

♪時々思うんだ 人生はまるでロデオみたいだって
 ベルが鳴るまで、操り続けるしかないんだ
 けど、素敵な場所だってあるってこと、君も知ってるだろ
 音楽や愛の中にある、言葉にできない何かみたいなね
 みんなの顔に書いてある 電話口での秘密
 たとえ時代遅れだって それは他の誰でもない君だけのもの

 さぁ、いこう、いけるとこならどこへでもいってみよう
 ロックンロール・ガールズ!

 もし自分の道があるのなら 牛追いなんてほったらかして
 湖のほとりに腰掛けて 世界が回るのを眺めているさ
 陽を浴びた女たちよ ラジオを聴こうよ
 砂漠に咲く花みたいにさ、心に虹がかかるから

 さぁ、いこう、できることならなんでもやってみよう
 ロックンロール・ガールズ!

この曲に込められている、シニカルな世界の中でポップにやっていこうという世界観。
今も、いやむしろ今だからこそ共感してしまいます。



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コメント

[C2005]

ひるのまりさん、毎度です。
台風、関西はたいしたことなさそうでよかったです。

ジョン・フォガティ、おおらかでガサツなように見えて実はかなり芸が細かいところが魅力的。それに、音楽への愛情が感じられますよね。


  • 2013-10-16 08:13
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2004] 台風気になりますね

こんばんは! ジョン・フォガティいいですねえ♪

「雨をみたかい」が有名やけど そのほかにも いい曲がたくさんありますね。

このアルバムは未聴やけど ほっこりさせえるものがありますね!

力強い声と 土臭さと 幅広い音楽性が 最大の魅力!
  • 2013-10-15 21:34
  • ひるのまり
  • URL
  • 編集

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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