マリアの元気なシャウトで始まる1曲目は、ご機嫌なボ・ディドリー・ビートの“East of Eden”。 2曲目は“After The Flood”はスプリングスティーン的な曲調と展開のフォーク・ロックっぽい曲。 続く“Ways to be Wicked”はトム・ペティと、ハートブレイカーズのマイク・キャンベルによる彼ららしいシャープなナンバー。ハートブレイカーズのメンバーも客演しています。 4曲目“Don't Toss Us Away”はマリアの実兄、元ラブに在籍していたというブライアン・マクリーンによるカントリー調のバラードで、哀感の中に芯の強さを感じるあたり、ちょっとリンダ・ロンシュタットにも共通するテイストです。 5曲目はうってかわってハイスピードのダンス・ナンバー、“Working Late”。ちょっとポーグスにも通じるような、トラディショナルなのにパンキッシュさがかっこいい! 6曲目からはB面。“Sweet Sweet Baby”は、ツボを押さえたいかにもB面1曲目らしいポップでキャッチーなナンバーでスティーヴン・ヴァン・ザントが共作。スティーヴンっぽいR&Bの要素が盛り込まれたポップさに引き込まれる。 次の“Pass It On”、これもトム・ペティっぽいナンバーで、ベンモンド・テンチの弾くオルガンが印象的。 アルバム後半には“Wait ’till We Get Home”、“Soap,Soup and Salvation”と、ライブでもガンガンに盛り上がりそうなナンバーが続いてぐいぐいとテンションを高めていって、ラストにアルバムを締めくくるのは、しっとりとせつないカントリー・バラード、“You are the Light”。「あなただけが私の暗い世界を照らす光」なんてせつなく歌われたらコロッといっちゃうかもね(笑)。マリア自身が吹くか細いハープも素敵。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
ローン・ジャスティス、すごくいいバンドだったのにねー。マリアのキャラだけを目当てにもっと売りたがったレコード会社につぶされてしまったような感じなのかもしれません。
でも、このレコードに残っている演奏のかっこよさは、30年近く経ってもまったく古びてませんよね。