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♪LONE JUSTICE -My Vintage(30)-

Lone Justice
Lone Justice / Lone Justice

Released:1985

なんだかんだで慌ただしくしているうちに10月になりました。
空はよく晴れて高く澄んだ青色、空気はさらりと心地よく、なんとも気持ちのいい季節。
一年中ずっとこんな気候だったらいいのだけれど。

そんな心地のよい秋の空に聴きたくなるのがこのバンド、ローン・ジャスティス。
LAのバンドでデビューは1985年、聴いたきっかけは当時大好きだったトム・ペティやスプリングスティーンの相棒・リトル・スティーヴンらが全面協力しているという音楽雑誌の情報からだった。最初はカントリーっぽさがちょっと田舎臭さすぎるとの印象だったのだけれど、じわじわとその魅力がわかってきた感じでいつの間にか手放せない一枚になっていました。
秋の空みたいに晴れ晴れと清々しい気分になれます。

ローン・ジャスティスの魅力の一番はなんといってもヴォーカルのマリア・マッキーのかっこよさ!
当時19歳、青い瞳のお人形さんのようなルックスとは裏腹に、恐いもの知らずの堂々とした佇まいと、ちょっとパンクっぽさもあるむき出しのワイルドな歌い方はほんと惚れ惚れするくらい。
なんていうんだろうか、心の底から歌いたくってしかたがない衝動、あふれるような気持ちが抑えきれないマグマのようにとめどなく噴き出しているような感じ、自分の中にある吹き荒れるような混沌とした感情を、コントロールしないままぶっ放しているような感じがなんとも魅力的なのです。
バンドの演奏も荒々しくて奔放で、ポップ・ミュージックのトラディションに沿ったツボの押さえどころとワイルドなはみ出し方がかっこいい。

マリアの元気なシャウトで始まる1曲目は、ご機嫌なボ・ディドリー・ビートの“East of Eden”。
2曲目は“After The Flood”はスプリングスティーン的な曲調と展開のフォーク・ロックっぽい曲。
続く“Ways to be Wicked”はトム・ペティと、ハートブレイカーズのマイク・キャンベルによる彼ららしいシャープなナンバー。ハートブレイカーズのメンバーも客演しています。
4曲目“Don't Toss Us Away”はマリアの実兄、元ラブに在籍していたというブライアン・マクリーンによるカントリー調のバラードで、哀感の中に芯の強さを感じるあたり、ちょっとリンダ・ロンシュタットにも共通するテイストです。
5曲目はうってかわってハイスピードのダンス・ナンバー、“Working Late”。ちょっとポーグスにも通じるような、トラディショナルなのにパンキッシュさがかっこいい!
6曲目からはB面。“Sweet Sweet Baby”は、ツボを押さえたいかにもB面1曲目らしいポップでキャッチーなナンバーでスティーヴン・ヴァン・ザントが共作。スティーヴンっぽいR&Bの要素が盛り込まれたポップさに引き込まれる。
次の“Pass It On”、これもトム・ペティっぽいナンバーで、ベンモンド・テンチの弾くオルガンが印象的。
アルバム後半には“Wait ’till We Get Home”、“Soap,Soup and Salvation”と、ライブでもガンガンに盛り上がりそうなナンバーが続いてぐいぐいとテンションを高めていって、ラストにアルバムを締めくくるのは、しっとりとせつないカントリー・バラード、“You are the Light”。「あなただけが私の暗い世界を照らす光」なんてせつなく歌われたらコロッといっちゃうかもね(笑)。マリア自身が吹くか細いハープも素敵。

プロデューサーはスプリングスティ―ンのアルバムのエンジニアやトム・ペティとの仕事で有名なジミー・アイオヴァインで、バンドの生々しい音や荒々しい演奏を硬質な音作りで見事に表現しているし、緩急のある曲順や構成もさすがだと思うし、当時新興だったゲフィン・レコードがかなり力を入れて売り出しにかかっていたのもよくわかる。
でもまるで売れなかったんだな。
セカンド・アルバムではマリア以外のメンバーは総入れ替えになって、挙げ句バンドは空中分解。
思えば1985年にはカントリーなんてカビ臭く古臭いカッコ悪い音楽でしかなかったのだ。パンクでさえとうに終わった音楽で、時代の方向はエレクトロニクスを取り入れたコンピューターで作られる音楽だったのだから、時代が合わなかったのだろう。
でも、そんな時代にあえて自分たちが大好きな音楽を自分たちなりのやり方で、若さと勢いに任せてぶっ放してしまう彼らのやり方は、語弊と買いかぶりを承知で言えば、1962年のビートルズに匹敵するかっこよさではないか、という気がするのです。



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コメント

[C1995]

nemuriさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。

ローン・ジャスティス、すごくいいバンドだったのにねー。マリアのキャラだけを目当てにもっと売りたがったレコード会社につぶされてしまったような感じなのかもしれません。
でも、このレコードに残っている演奏のかっこよさは、30年近く経ってもまったく古びてませんよね。

  • 2013-10-03 22:57
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C1994]

はじめまして。
いつも、こっそりと覗かせていただき、読み逃げしていたのですが、このジャケットについ反応してしまいました。

私もレコード持ってました。ヘビロテで聴いてました。
あのカントリー・テイストがたまらない魅力だったんですけどねぇ、次のアルバムを聴いたら、その好きだったところが全部取っ払われてしまって、哀しくなったことを思い出します。
辛うじて、マリアの歌だけは滋味を増していたような気もしますが・・・。
とにかく、この1stは、今聴いてもときめきますね。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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