L.A.M.F. - The Lost Mixes / Johnny Thunders & The Heartbreakers Released:1977
お盆休みはあっという間に過ぎ、また毎日仕事漬けの日々が始まりました。
そんなわけで気合いを入れるべく今回チョイスしたのはジョニー・サンダーズ&ザ・ハートブレイカーズ。
When I was born, I hada think up a song
To live like I wish I had to flop like a fish
In the confusion I made an illusion
I spit out a track And I don't look back
I Gotta One Track Mind
I Gotta One Track Mind
I Gotta One Track Mind
Over You
生まれ落ちたその時に こんな歌を思いついてた
魚が飛び跳ねるみたいに 生きていきたいだけなんや
混乱の海から 幻惑を生み出し
路上に唾吐いて 何にも振り返らない
そんな感じ、ええやろ
そんな感じでいったんねん、どや、おい
(“
One Track Mind ”)
この曲はある一時期自分のテーマ曲にしようと思っていたくらい好きだった。
ズズチャカ ズズチャカ、ってドラムのイントロからギャンギャンギャンッ、ギャーギャギャーンギャンッとギターが入ってくるあたりからもうテンション上がってキリキリッと気合が注入されるのです。
大阪の自宅から2時間かけて京都の大学に通いながら難波の喫茶店で一人暮らしするための資金稼ぎにアルバイトしていた頃、ヘッドフォンで大音量で聴いていたのを思い出す。
好きな女の子をデートに誘おうと決心した日に、大嫌いだっ たアルバイト先を辞める前の日に、アルバイトで貯めた金で家を出ることを決めた朝に。そんな、びびってしまって流されてしまって一歩踏み出すのを躊躇しそうな自分に喝を入れるために、自分自身を鼓吹するために聴く、そんなある種の「勝負ソング」だったのだ。
今出ているオリジナル・ミックスのアルバムでは9曲目だが、僕が聴いた当時に発売されていたのはこのREVISITED盤の方で、この曲はA面の1曲目だった。
REVISITED盤の曲順だと2曲目以降はこう。
“
I Wanna Be Loved ”
“
Pirate Love ”
“
Let Go ”
“
Do You Love Me ”
“
Can't Keep My Eyes On You ”
“
Get Off The Phone ”
“
All By Myself ”
“
Chinese Rocks ”
“
Baby Talk ”
“
Going Steady ”
“
It's not Enough ”
“
I Love You ”
“
Born to Lose ”
うーん、かっこいい。
いかがわしくも純粋で、ひねくれまくるくらいに真っ直ぐで、ヘロヘロなのにパワフルな、これこそロックンロール!と言い切りたくなるようなロックンロールの塊。
18才の自分がしびれまくったのもよくわかる。
上手いとか下手とかやない、理屈やない、どんだけ振り切ってしまえるかなんや、と。
自分が思ったとおり感じたとおりに吠えまくり叫びまくればええんや、と。
そしてこのビート感を自分のものにしたいと思った。
このギラリとした輝きと切れ味を自分のものにしたいと思った。
そんな18才。
I don't want to talk too much
I just want to get to you
I don't want to see you there
I just want to get you there
All by myself
Not everybody else
つべこべしゃべったりしとうないねん それがほしいだけやねん
眺めてるんじゃ全然あかん それがほしいだけやねん
全部自分の責任で
ほかのことなんぞどうでもええねん
(“
All By Myself ”)
改めて聴くと、当時思っていた以上に正統派でオーソドックスなロックンロールなんだな。
チャック・ベリーから初期ビートルズへ繋がった系譜の先にあるちょっと甘口のやんちゃ系。
ライブではどうだったのかはともかく、演奏だって言われるほどに下手くそではないし、決してジョニーだけではなくウォルター・ルー(g)、ビリー・ラス(b)、ジェリー・ノーラン(ds)を含めたバンドとしての一体感も素晴らしい。
ジョニー・サンダースはやりたい放題わがまま放題の果てにわずか38歳で、薬物の過剰摂取なんていう時代遅れの死に方でくたばってしまったし、この年になってそんな生き方に憧れることなどできないけれど、奴らがその一瞬一瞬にそのときのありったけを込めて演奏した曲に残された魂のようなものは今もしっかり残っていて、すっかり日干しされてしまったような僕の心にさえまだちゃんと響いてきてくれる。
行くのか、行かないのか?迷ってる暇があるんなら行っちゃえよ、とジョニーたちがそそのかしてくる。
うっかりそんな誘いに乗った日にゃぁきっとひどい目にあう、っていうことがわかっていながら、その誘い声についつい乗ってしまいそうな僕がいる。
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いやー、もう単純にかっこいいですよ、ハートブレイカーズ。どの曲もシングル・カットできるようなポップさだしね。
ぜひレンタルして、熱く燃え上がってください!