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♪BROTHER BLOOD

父親が亡くなってから、必然的にやりとりが増えるようになったのが兄と弟。
子どもの頃はそれなりに仲がよかったものの、思春期を経てそれぞれがお互いに干渉せずそれぞれに独立して暮らすようになってすでに20年以上が過ぎ、正月だなんだのとで少し顔を合わせることはあったとしても、3人が揃うのは実は亡くなった父親が病院から運ばれてきた朝が10数年以上ぶりだったはず。
まぁ、男兄弟なんてそんなもん。

「会話の“間”が兄弟3人ともまったく一緒や。」とか「字のクセがそっくりやなぁ。」とか以前から妻にはからかわれてはいたのだけれど、兄弟っていうのはやはり何の意識もしないのになぜかとても似てしまうものらしい。ああいうのはどうして似るのかな。いわゆる遺伝的なもの、それに生まれ育った環境的なもの、おそらくはどっちも影響あるんだろうけれど、ほんとうにどうでもいいところがよく似る。

ただそのどうでもいいようなところが、意外と人と人とのおつきあいでは大切だったりもする。
中でもこの“間”は大事。
“間”っていうのはなかなかに難しくて、別に嫌いじゃないのになぜか間の合わない人っているんですよね。相手が悪いわけではないけれどどうも“間”が合わない。その人とやりとりするとなぜかどうもうまく話が噛み合わずに、怒るつもりもないのに最後はカッときてしまったり。逆に好き嫌いにかかわりなく、なぜかすっと気のあう人もいて、正直気の合う人と仕事をするのはとってもスムーズ。
この“間”についてはもう努力や学習でカバーできるものではない性質のもののようで、無理に合わせようとしてもなかなかそうはいかない。
理屈じゃない、阿吽の呼吸、的な。
兄や弟と話をしていると、一から全部説明しなくてもすんなりとわかりあえる感じがあって楽。モノの考え方も根本のところではやはりよく似ているし、別々の暮らし方をしていても興味を持つものが同じだったり。不思議なものです。一緒に仕事したらめちゃくちゃやりやすいんだろうなぁ、なんてちょっと頼もしく思ったりもして。


兄弟で演奏しているバンドやグループは数多くあるけれど、やっぱりこの“間”が自然に合う、空気感だけでいろいろ共有できる、ということはとても代え難いものなのだろうと思う。
そんな兄弟グループの中でも兄弟らしさが素晴らしいのがネヴィル・ブラザース。

Brother Blood

Brother blood, brother blood
We're of the same spirit, of the same mud
Brother blood, brother blood
We" re from the same water, we're from the same
I've got scars from living, scars from love


ブラザーズ・キーパー
Brothers Keeper / Neville Brothers


アート、アーロン、シリル、それぞれがそれぞれ個性的でありつつも共通性のある節回しで聴かせてくれる。
それぞれのメッセージが、大きなうねりの中でやがてひとつの大きなメッセージになっていく。
そしてその合間を縫うように歌うチャールズのサックス。

個人的には次男のチャールズにもっと目立ってほしい気もしつつ、飄々としてちょっと外れたところにいる感じが次男っぽくて好きだったりもする。
ネヴィルズは4人兄弟だけど、長男と末っ子はやっぱり仲がいいんだろうな。次男チャールズと三男アーロンには、兄アートに影響を受けつつも自分の道を行く感じがするけれど、四男シリルには、長男の影響下で無邪気に楽しんでいる感じがするのは、自分が真ん中育ち故の曲がったものの見方でしょうか(笑)。




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コメント

[C1788]

おぎてつさん、こんにちは。
確かにウィンター兄弟、ヴォーン兄弟、レイナードスキナードのヴァン・ザント兄弟、AC/DC、ヴァン・ヘイレンやTOTOのリズム隊、ブレッカーブラザースやナット&キャノンボールのアダレイ兄弟などなど男兄弟か、ビージーズやビーチボーイズみたいなファミリーがほとんどで、これも男ばっかり。
兄妹は珍しいし、姉弟に至っては皆無ですね。男女のメンタリティの差が何かあるのでしょうか。
検索したらポップコーンというデュオが出てきましたが・・・レッツゴーヤングで歌ってた記憶がかすかに(笑)。

  • 2013-03-25 08:24
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C1787]

僕も母親が亡くなってから、兄とはもっと電話をするようになりました。
僕の場合は、身内が段々と少なくなって来ているので、生きているうちに会話しとこうという気持ちなんでしょうけど。

ところで、異性の兄弟同士のデュオって意外と少ないかも。すぐに考えられるのは、カーペンターズぐらいかな?

おぎ

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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