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♪LIGHTS OUT! -My Vintage (4)-

lights out
Lights Out! / Peter Wolf
released:1984

ピーター・ウルフ、言わずと知れたJ-ガイルズ・バンドの看板ヴォーカリスト。
苦節10年の末に大ヒットした“墜ちた天使”を最後にバンドを脱退し、84年に初めてリリースしたアルバムがこの『ライツ・アウト』。
84年という時代を反映して打ち込み中心のちゃかぽこしたチープな音で、このあたりはかなり好き嫌いが分かれるところだとは思うのだけれど、僕はこれかなり好き。
いかにも1曲目らしいパワフルなナンバー“Lights Out”はもちろん、“Oo-ee-Diddley-Bop”なんてめちゃくちゃファンキーだし、思いっきりモータウンな“Baby,Please Don't Let Me Go”には思わずニコニコしてしまう。
ちょっとカーズみたいなアレンジのポップ・ヒット“I Need You Tonight”や“Here Comes That Hurt”のついつい歌っちゃうようなポップなメロディをふんふんとハナウタで口ずさみつつ、極めつけのミック・ジャガーとのデュエット“Pretty Lady”へ。
いずれもポップで華やかでアレンジこそ80年代だけど、曲そのものは50年代のアメリカン・ポップスや60年代のR&Bのニオイがプンプンしているんだな。
そして、音がチープだからこそ、よりピーターのヴォーカリストとしてのかっこよさがくっきりと浮き彫りにされる感じ。しょぼいヴォーカリストだったら、まるで聴くべきところがないんじゃないか、と。

ピーターのヴォーカルのかっこよさは、一言でいえばブルースやR&Bに根ざした泥臭さや男臭さ、野性味ということになるのだろうけれど、それだけで片付けてしまってはいけない気がする。
泥臭さや男臭さ、野性味というだけならなんだかとても田舎くさい感じがするし、そういうヴォーカリストなら他にもたくさんいる。
この人の演っている音楽は実はJ-ガイルズ時代から一貫してもっと都会的なのだ。
クールでシャープで洒落っ気もたくさんあって、ある意味とても洗練されている。ただし漂白されてはいない。
このあたり、ブルースやR&B=泥臭い、と簡単にまとめてしまわないことが大事。
ビートルズやストーンズだってかなり洗練されているし、そもそもブルースやR&Bは都市の音楽なのだから。

洗練に憧れつつ、自分自身のベースである泥臭さに正直に。
それがピーター・ウルフの持ち味。
洗練に憧れるっていうのは、平たくいえばかっこつけたがるということで、ただこの人のかっこつけはダンディーやニヒルやキザのほうには走らない。あえていえば、いなせ、とでもいうのだろうか。
洗練と泥臭さの狭間で、時には揺れ動きながらも微妙なバランスでスパンッとやっちゃう感じこそが魅力的で、そこがかっこいいなと思うのです。



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コメント

[C1566]

Okadaさん、こんばんは。
このアルバムはかなり80年代の音で、今の渋い路線とはかなり違うので、お口に合うかどうか。
めっちゃポップです。
ただ、J-ガイルズ・バンドの後半のポップさとは違って60年代っぽいソウルフルさです。
キーボードのセス・ジャストマン主導のポップ路線に脱退したピーターが「俺のポップはこれ!」と言い切ったようなアルバムです。
まさかセス・ジャストマンと仲直りしてるとは、って感じもしますが、やっぱり見てみたいですね。
  • 2012-10-30 23:05
  • goldenblue
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[C1565]

ピーター・ウルフのソロは数枚持ってますが、
なぜかこれはスルーしていた一枚です。
ヤフオクではLPは手頃な値段で出ているので、
近いうちに入札してみようかな。
ぼくは渋い路線の彼のアルバムが大好きですが、
これも良さげですね。

しかし、J.ガイルズ抜きのJ.ガイルズ・バンドっていうのも皮肉なものですね。
J.ガイルズが訴訟を起こしたとかニュースに出ていましたが。
でも、聴いてみたい。

[C1564]

ezeeさん、こんばんは。
“堕ちた天使”、いかにもJ-ガイルズ・バンドっぽいB級なPVでしたね。
「Lights Out」は現在廃盤でなかなか入手困難、何万も出すような名盤ではなくチープさが魅力ですので、YouTubeにある映像をお楽しみくださーい!
  • 2012-10-27 18:30
  • goldenblue
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[C1563]

まいどっす
ピーター・ウルフ、かっこいいですね!
しなやかな腰つきの“墜ちた天使”のPVは今でも残像がビシャリ。
このアルバムはノーマークでTVでよく見た“ライツアウト”しか知りませんがいいんでしょうね~ 今度聴きますわ!
  • 2012-10-27 00:01
  • ezee
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[C1562]

リュウさん、毎度です。
これ、やっぱりいいですよー。
ピーター・ウルフ、モータウン好きだったんだな、と思います。
僕が持っているのは実はレンタルで録音したカセットテープ、CDは未だに再発されず、アメリカのアマゾンでも99$とか法外な値段になっていました。
そこまでするほどでもないので、再発をずっと待ち続けています。

  • 2012-10-26 00:25
  • goldenblue
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[C1561]

konomiさん、こんばんは。また夜勤ですかー。お疲れ様です。
興奮していただきありがとうございます(笑)。
これ、やっぱりかっこいいですよね!
ミックを従えてちゃんと真ん中張れる人はそうたくさんはいないですから。

そして「忘れじのエブリナイト」、懐かしいっ!
バブルガムのファーストはめっちゃ好きでした。
「ソウル・スピリットpart1」とかね!
そのうちこのシリーズで書くことにします。

  • 2012-10-26 00:20
  • goldenblue
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[C1560]

goldenblueさん、毎度!
おーっ、懐かしいところ!!
コレは当時ものすごく聴きまくったアルバムです!
今は滅多に聴かなくなりましたが、久しぶりに聴いてみます、有難うございます!
  • 2012-10-25 22:28
  • リュウ
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[C1559] コレだーーー

ごぶさたです。
実はここ何日かこのアルバムで記事を書こうと逡巡してたとこ。まさかここで巡りあえるとは。。つーかこれだけ書いてくれてあればもう書かずに済むな~と悔しかったり嬉しかったり(笑)

ちょうど20歳の大学時代、超ヘビロテで聴きまくった一枚です。打ち込み全盛期ゆえの音の軽さが今聴くと違和感ありますが、仰るように曲自体のクオリティの高さとウルフのボーカル力がハンパないッスね。ミックとのコラボも完全にゲスト扱いしてるとこなんか余裕を感じます。

いやぁ、書いてて興奮してきました(笑)
エエ記事をありがとさんでした。

そう言えば、この後にデビューしたバブルガムブラザーズの「わすれじのエブリナイト」を耳にした時に真っ先に浮かんだのがこのタイトル曲でしたw
  • 2012-10-25 09:22
  • めれんげkonomi
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[C1558]

名盤さん、こんばんは。
ピーター・ウルフの腰つきですかー。
確かに見え見えで挑発的なセクシーとは違う、もっと大人の男の色気、いやセクシャルじゃない色気、仕事人!みたいな(笑)感じですかね。
歌にもそういう感じがあります。ミックみたいに挑発的じゃないところが好きです。いや、ミックももちろん好きなんですが、共感できるのはピーターのほう。
  • 2012-10-24 23:35
  • goldenblue
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[C1557]

LA MOSCAさん、こんばんは。
ミックの「She's the Boss」がこれにインスパイアされたって説はけっこうあり得そうですね。
俺ならもっとヒップにスマートに演るぜ、みたいな。
ピーター・ウルフの近作はかなり大人路線ですが、噂ではこの夏にJ.ガイルズ抜きのJ.ガイルズ・バンドでツアーをやってたそうですよ。
  • 2012-10-24 23:26
  • goldenblue
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[C1556]

ピーター・ウルフの腰つきが好きです。独特の腰のひねり方。セクシーとは少し違う、なんかいい感じだと思ってます。

[C1555] アメリカの正しいロックン・ロールってカンジ

J-ガイルズ・バンド、1枚しか持ってない俺も何故かコレ持ってます。
確かに今聴くと音はモロ80年代してるけど曲はこの人らしい根っこがブレてないのばかりですよね。
今だったらどんな音作りするかな?なんて考えてしまいました。
コレの翌年に「シーズ・ザ・ボス」が出たことを考えると
ミックもインスパイアされたところがあるのかもしれませんね。

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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