1曲目、ジャカジャーンと切れ味のいいギターと♪ヘイヘイヘーイ~というコーラスに合いの手を入れるホーン・セクションがかっこいい“Rebels”ではじまり、2曲目、ぶりっとファンキーな“It Ain't Nothing To Me ”でぐっとテンションあがる。3曲目にはサイケデリックな雰囲気の漂う“Don't Come Around Here No More”。ヒキガエルみたいなトムの声がシタールの音に意外によくあうのだ。 「俺は生まれついての反逆者」だとか「俺にはまるで関係ないってことよ」とか「俺の周りをうろうろすんな」とか、肩で風切って歩くような威勢のいい言葉がポンポン出てくる3曲が続いた後は一転、ぽろんと孤独な本音がこぼれてしまうような4曲目“Southern Accents”は、もうしびれるくらいの名曲。帰る田舎のない僕ですら、故郷が恋しくなってしまうような。このA面の流れは最高にかっこいいな。 そしてB面にあたる5曲目から8曲目もファンキーかつ泥臭さにあふれた演奏が続く。再びファンクなギターとホーンが伸び伸びと秋の空みたいに爽快な“Make it Better”、どろっと妖しげな雰囲気のブルージーな“Spike”、ふっきれたようにタフな“Dogs on the Run”と軽快でチャーミングな“Mary's New Car ”。 そして、ラストを飾るのが“The Best of Everything”。アメリカ中西部の穀倉地帯を思い起こさせるスケールの大きなスロウ・ナンバーで、ロビー・ロバートソンとの共同プロデュース、リチャード・マニュエルとガース・ハドソンが客演していることもあってか、ザ・バンドと同じようなテイストの哀愁が漂っている。 歌われているのはこんな物語だ。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
僕も最初はピンとこなかったほうですね。
メディアではスプリングスティーンと比べられたりしていましたから、もっとストリートっぽいもんだと思っていて、なんか全然ちゃうやん、、、と。
ジャケットからして秋っぽいイメージがあるのですが、よく考えたら小麦の収穫は春なんですよね(笑)。