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♪何でもない音楽って意外と難しい

9月も半ばになるとずいぶんと秋らしくなってくる。
昼間はまだまだ蒸し暑いけれど、朝晩はずいぶんと涼しくて心地よく、ついついいくらでも眠っていたくなる、そんな今日この頃です。
以前は夏が大好きだったのだけれど、今は秋のほうが好きだと思うようになった。
高くてきれいな空、穏やかで落ち着いた空気、時折降る雨でさえ好ましく思う。
いや、単に夏の暑さの厳しさに打ち勝てる体力がなくなってきたというだけのことなのかもしれないけれど。

秋の入り口には、何でもない音楽がいい。
何となく聴き流してしまえるような音楽を少し小さめの音でさらりとかけておくのが気持ちいい。
ぼけーっと外を眺めて、何も考えないでいる時間を、少しの間楽しむのだ。

ただ、この"何でもない音楽"というのが意外と難しい。
CD棚にあるのは基本やかましくてテンションあがってなんぼ、というものやズブズブと異空間へ連れ去ってくれるような音楽が主だし、だからといって気の抜けたイージーリスニング的なものやヒーリング系のものはコシがなくてソーメンみたいに頼りなくてすぐに飽きちゃうし、いかにも大衆受けを狙ったようないわゆるAOR的ものもやはりあざとさが鼻についてしっくりこない。このへんは割と譲れない大事なところ。
ソウルもありつつ、楽曲や演奏の完成度もありつつ、それでいていい気分で聴き流せるというのは実はかな高い要求なのだ。
そんなわけで割とこの時期ヘヴィ・ローテーションになっているのがこのアルバム。

Patty Smyth
Patty Smyth / Patty Smyth


パティ・スマイスの2枚目のソロにあたる92年の作品です。
最初聴いたときはどうってことないなー、と思っていたのですがこれがなかなか常用に耐える質の高さ。
ポップに走りすぎないプロダクションはEストリート・バンドのロイ・ビタンによるもの。ツボを抑えたギターやキーボード、しっかりと腰を据えたリズム隊、ハスキーでテンション高すぎず、けどどっしりと構えた歌。
うん?誉めすぎたとしたらきっとパティ姐さんへの好感度だと思われます。

Patty Smyth with Don Henley - Sometimes Love Just Ain't Enough


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コメント

[C1498]

megumickさん、こんばんは。
大阪は今日も午後から2時間ほど激しく降りました。雨上がりは蒸したけどねー。

何でもない音楽、基本"濃い"ものの旨味を知っているから単なる薄味や人工甘味料的味付けでは物足りないんですよね。味は薄くてもダシはしっかり効いていないと。
軽めのジャズやボザノヴァは、トライしてみたけど今ひとつしっくりこなかったですねー。


  • 2012-09-14 23:40
  • goldenblue
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[C1497]

goldenblueさんこんばんは!
関西は涼しいんですか?
こちらは日中はまだ真夏のようです。

パティーさん、素敵ですね!
何でもない音楽かぁ・・・
去年から、皆さんの影響なのか濃い音楽に偏ってる気がするなぁ・・・(笑)
ボサノバとか軽めのジャズなんかが、そんな感じなのかな~?
といいながら、リュウさんへコメントするため「ラブユーライブ」聴かなくっちゃ!
  • 2012-09-14 20:53
  • megumick
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[C1496]

リュウさん、こんにちは。
我々のように"うるさく"なると(笑)、引っかからずに気持ちいいというのは難しくなりますでしょ(笑)。
ゆうべはリュウさんも好きなSade聴いてました。やはり80年代ものが落ち着く傾向があります。

雨、こちらはちょこちょこ夕立ちとかあります。
雨続きは困るけど、土地や空気に潤いは必要ですね。
  • 2012-09-13 08:00
  • goldenblue
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[C1495]

お疲れっす!朝晩はだいぶ気温下がりましたが、何日降ってないか忘れた位、雨の無い東京…カサカサです^^;
でも、秋は確かに感じますねー♪そして、何でも無い音楽、難しいですね…確かに!自分は、JAZZに走ってます(笑)
  • 2012-09-12 21:14
  • リュウ
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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