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◇40年

5月15日、沖縄が日本に復帰して今日で40年。
沖縄が今も抱える様々な問題については思うところはあるけれどそれは別の機会に改めるとして、思わず「えぇぇぇぇ~」と唸ってしまうのは、自分自身がしっかりと記憶している事柄が、今や歴史の中で語られるような「昔の話」になっているという事実。
1972年は弟が生まれた年。浅間山荘の事件や日中の国交が正常化して上野動物園にパンダがやってきたのもこの年だった。僕は5歳、幼稚園の年長さんだった。それくらいのころからかなりはっきりとした記憶が残っているようだ。
以前もどこかで書いたかな、うちの父親は長く労働運動をやっていて某政党系日刊紙が当たり前にあって母親は当時熱心に黎明期の生協運動をやっているような人だったから、家族の食卓の場でもそんな社会的な事柄がよく話題に上っていた。
フィンガー5の影響もあったのかな、沖縄=アメリカ、という印象は当時ものすごくあったのだ。その沖縄が日本になるということがどういうことなのかを理解していたわけではないけれど、沖縄では英語は公用語だとか、車は右側通行だとかそんな話を聞いては、沖縄の人は今からは日本語を勉強しなおさないといけないなんてたいへんだろうな、なんて思ったりして、5歳なりにとても大きな変化が起きているのだと感じたことをよく覚えている。

考えてみればあの頃って、敗戦からたった27年しか経っていなかったんですよね。
今から27年前といえば1985年、それって僕たちにとってはけっこう最近、っていう感覚じゃない?少なくとも歴史上の出来事とは到底感じないですよね。
戦争なんて僕たちにとって遠い遠い歴史上の出来事だと思っていたけれど、当時大人だった人たちからすれば、僕たちが今1985年に対して感じる身近さと思い入れと同じように戦中や終戦直後の時代のことを感じていたんだな。
逆に今の子供たちからしたら、1985年なんて歴史の彼方なんだな。
何となく不思議な感覚だけど、それぞれの立場の数だけそれぞれの時代認識がある、ということなのだ。

人間は誰しも、生まれ育った場所と時代の影響を強く受けて育つ。
経験していることも考え方もまるで変わってくる。
ジェネレーション・ギャップが生じ、それが埋まらないのはある意味とても当たり前のことなんだな。
増してや、こんなにも速いスピードで物事が移り変わってゆくこんな時代ならば、年寄り世代と考え方が合わないことも、若い世代と外国人並みにコミュニケーションがとれないことも実は当たり前のことなのだろうな。
そもそも育ってきた背景が違うのだから、通じ合えると思うのが大きな間違いなのだ。
そしてそんな人同士がわかりあうためには、お互いの生まれ育った時代背景を知ることは大切で、それぞれの時代がどのように連なってきたのかを知れば、変だと感じていた相手の行動や考え方にもある程度許容できるような気がして来る。
そういう意味で、歴史や文化を学ぶことは大切なのだ。
学校にいた頃はただただ年号を暗記させられるだけの退屈な学科だと思っていたけれど。


高等学校琉球・沖縄史
高等学校琉球・沖縄史 / 新城 俊昭


この本は、以前に沖縄に行った時に沖縄の本屋さんで買ってきたもの。
歴史なんてものは所詮、勝ち残ったものが勝ち残った側を中央とした解釈で書くものだから、辺境側からの景色は伝わりにくい。
同じ景色は反対側から見たらどう見えていたのかという点で、地方の視点から書かれた歴史は興味深い。



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コメント

[C1264]

リュウさん、こんばんは。
奄美も占領下にあったんですね。外国人に自分が生まれ育った土地を力で奪われるというのはどんな気持ちがするんでしょうね。考えただけで複雑な気持ちになりますね。
いまだにニュースやなんかでも当たり前に使われる「本土」って言葉がどうも気持ち悪いです。どこまでが本土?沖縄は「本土」でなければ「外地」?
その認識がそもそも基地の問題の解決を遠ざけているのかな、と思ったりします。占領されたのが例えば千葉だったら、静岡だったら、長崎だったら、、、もっと早くに解決しているのでは、みたいな気がしてしまうんですよね。

  • 2012-05-17 23:38
  • goldenblue
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[C1263]

花マロリンさん、こんばんは。
ジェネレーション・ギャップはありますねぇ、最初からギャップはあるもんだと思っておつきあいした方がいちいち「なんでそーなる!」とカリカリしなくていいようです。
とはいえやっぱり同世代がわかりやすくていいですね。

40年っていうのは一人の人生としてはそれなりの時間ですが、歴史の中ではそう長い時間ではないようです。
そのお客様が育ってきた時代では、人生80年は当たり前ではなかったのですね。
40年後が今からは想像もできないような時代にならないとも限らなくて、そのとき80いくつかになった僕はどう思うのかなぁ、なんて思ったりします。

  • 2012-05-17 23:28
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C1262]

お早うございます♪
意外に知られて居ないのですが、我が奄美大島も占領→返還と言う歴史があるのですよ…。そして、沖縄返還と言うのは名ばかりで実際の主権が米軍にあるところが問題。当時の状況では居たしかたないと思いますが、あれから40年…今だと思うのですが…。基地の街、福生生まれだけに、尚更思う次第ですm(_ _)m
  • 2012-05-17 08:16
  • リュウ
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[C1261]

こんばんわ♪

ジェネレーションギャップって大きいですね
私が今日書いたブログもそういうお話なのかも



沖縄が復帰してたった40年なんですね

ついこの間まで 日本は暗かったことを思うと
今のライフスタイルは 奇跡ですよね

先日、お客様が 
「 私は70歳だけどずいぶん長生きだと思う」

そうおっしゃってて 
えーー今って皆さん寿命が延びて
人生、80年だよねって思ったんだけど

なんと姥捨て山の時代のお年寄りと
ご自分を比較されてました

なんだかんだ言っても
昔に比べたら
日々、幸せなのですね
  • 2012-05-17 00:05
  • 花マロリン
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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