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♪1月 冬空にでっかい音で響き渡れ

年が明けて早や2週間、仕事はすっかり通常モード。というか、世間の情勢を反映していつになく“危機感煽りまくり”モード。トップが交代したこともあって、クイック・レスポンスだのなんだのと小うるさい。それなりにそれなりのレベルではついていっとかないと「ダメ」の烙印を押されたらますますやりにくくなりそうだ。
トップの理屈は「個人の成長には限界がない、個人の成長が組織の成長であり発展であり結果としての顧客満足である。」「だからリストラはしない、そのかわり成長への努力を怠る者を放置しない」という理屈。一見筋が通っているようには聞えるけれど、そして実際理不尽なリストラが吹き荒れる世間と比べてみれば恵まれているのだろう。けど、いくら個人の成長には限界がないと仮説を並べられても、常に自己革新を求められるというのは実際のところなかなか窮屈でしんどいことで、仕事の意義であるとか楽しさとかその人らしさを見失ってしまいそうになってしまうのではないかしら、などと不安になる。いっそ「身の丈路線」で減給でも降格でもどうぞ、と言いたくなってしまうのだが生活の術を仕事に頼っている以上そんな啖呵はそうそう切れないのがなんとも歯痒い。

そんなこんなで、自らを鼓吹すべく“ハードでソリッドでラウドなロックを!”と聴いていたのがTHE WHO。
その攻撃的な音に確かに気分は高揚する。しかし、同時にそのギラリと鈍く光る刃のようなサウンドは、聴きこむごとに、自分を内側へ内側へと引き込んでゆくのだ。
自分は一体誰で、今何のために何をしてる?大人になってすっかり忘れてしまっていたそんな気分を連れてくる。 オマエハダレダオマエハダレダオマエハダレダ…。ピート・タウンゼントが、キース・ムーンが、ジョン・エントウィッスルが、僕に刃を突きつけてくる。

まぁいいだろう。どうせそんな気分になるのなら、いっそ深みにはまってしまえばそのうち底をついて浮かび上がってくるんだろう。そもそも冬は思索の季節なのだから。
そんなわけで、今日選んだ5枚の共通点は「ハードなギター・うねるベース・ラウドなドラム」の楽器それぞれが最高にかっこよくて、尚且つ「攻撃的且つ内省的」なアルバム。
冬空にでっかい音で響かせて、そのハードな音に身を委ねながら、あえて内側の世界へ滑り落ちてゆくのだ。


フーズ・ネクスト+7    Grace Under Pressure    フィジカル・グラフィティ

Black Rose: A Rock Legend    izumiya   
 

Who’s Next/The Who
このふてぶてしいジャケットは写真は一体何を意味するものなのだろう?荒地に突き出たまるで墓標のようなコンクリートの塊に、立小便するかのようなWHOの4人。
豪快でありながら繊細、知的でありながら暴力的、崇高で最低で真っ直ぐでどこか歪んだ、そんな音楽は彼らにしか紡ぎ出せない。

Grace Under Pressure/Rush
ラッシュっていうのはどこかワン・アンド・オンリー、独特の孤高な雰囲気を醸しだしているバンド。
超音速で矢継ぎ早に展開していく切れ味の鋭いリズム。北風のようにシャープなカッティング。
人間が聴くことのできる音域の外側で鳴らしているような音楽だというイメージがする。

PHYSICAL GRAFFITI /Led Zeppelin
実際は寄せ集めのアウトテイク集だったといわれるこの二枚組だけど、このふっきれたようなようないい具合の脂の落ち方がなんともカッコイイ。冬の嵐のようにただただ荒れ狂うサウンドを、ただひたすらに大音量で浴び続けていたい、そんな果てしないグルーヴ。

Black Rose: A Rock Legend/Thin Lizzy
一般にハードロック/ヘヴィメタルと分類されるシン・リジィだが、フィル・ライノット…ブラジル系黒人を父親に持つアイルランド人がベースを弾きながらボブ・ディランのように歌うフロントマンを持つバンドがヘヴィメタであるはずもなく、真冬の貧民街で出くわすチンピラのようなストリート感覚に満ちたロックンロールは、死滅した多くのヘヴィメタとは違ってフィル・ライノット亡き今もリアルに響いている。

Self Covers/泉谷しげるWith The LOSER
荒れた埋め立て地に密集する重工業地帯の工場のような風景がよく似合う、金属的で激しく重いサウンドは、むしろ彼らの音楽にこそ、ヘヴィ・メタルという名称が似合うのかもしれない。
吼える泉谷以上にカッコイイのは下山淳の遠くで鳴り響くようなG、セクシーにうねる吉田建のB、村上ポン太の怒涛のDr。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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