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♪11月は好きじゃない

しばらく更新をサボっているうちにすっかり冬の気配になってきた。
11月って、どうも苦手なんだよなぁ。
空の色は薄くて、どんより曇って、時折冷たい雨が降る。
それでもまだコートやカイロの季節じゃないよな、と秋の盛りの格好で出かければ、夜には風が冷たくなって冷え切ってしまうし、何より日が暮れるのが早い。なんだか一日何にもしないまま追い立てられるように終わってしまう気がしてしまうのだ。それに、血の巡りが悪くなるのかなぁ、首や肩も凝るし、あまりテンションが上がらないまま眠くなってしまう。少し冷えた体を温めようとコタツに入ればついそのままうとうとしてしまうし、暖かい布団にもぐればいくらでも眠ってしまえそうだ。
四季のあるこの国の気候は決して嫌いではないけれど、この季節だけは南の国へ移住したいなぁ…などと本気で思ったりもするが、まぁそうも言ってはいられない。
被災地では平地でももう雪が降っている、とボランティアに参加した職場の仲間からの報告があった。
まだまだ寒い季節はこれからだ。
いや、いっそもっと寒くなれば覚悟も決まる。
どんよりしたまま中途半端でスッキリしないままだらだらと下り坂を降りていくような感じがやっぱり好きじゃないんだよ。

そんな11月、仕事も少し落ち着いてなんだかぼんやりした気分でこのところ何度も聴いているのはダイアー・ストレイツ。中でもとても気持イイのが、この1984年のライヴ・アルバム“Alchemy”。

Alchemy
Alchemy / Dire Straits


2枚組なのに11曲しか入っていない、ライヴ盤ならではの尺の長い曲が結構多いのだけれど、なぜかこれは退屈することがない。
とびきり大好きなバンドでもない。
けど、なんだろう、ただ身を任せているのが心地よい、そんな感じ。


Dire Straits - Once Upon A Time In The West (Part 1) (Alchemy Live
Dire Straits - Romeo & Juliet (Alchemy Live)
Dire Straits - Tunnel Of Love (Alchemy Live)


しかし、考えれば考えるほどこのバンドの立ち位置はどこか不思議だ。
渋くて古くさい感じはあるけれど、懐古的ではない。
アメリカっぽい音ではあるけれどソウルっぽさ、ブルースっぽさはあまりなく、ブリティッシュな香りもする。
演奏テクニックはリズム隊も含め高い、けれどこれみよがしにテクニックをひけらかしたり饒舌なインプロビゼーションに酔ったりすることもない。
ルックスは決してロック的ではないし、飄々とした佇まいで淡々と演奏するイメージがあるけれど、たまにけっこうかっこいいロックンロールもぶちかましてくれたりもする。
良くも悪くもどっちつかずのどんよりした中途半端さは、確かに11月にピッタリだな、ハハハ。

ん?そうすると11月は好きじゃない、ってテーマと矛盾するなぁ??
なんだかんだ言いながら、けっこうどっちつかずの中途半端さが好きなのか、俺??
そうなのかも知れません。いや、きっとそうなのだ。
態度を留保したまま、ただぼんやりと過ごす冬へ向かう日々も、それはそれで必要なのだよ。
そうやって割り切ってしまえばなんとなくスッキリする。
覚悟を決めて、冬の到来を受け入れようではないか。

そんなことをぼやぼやと呟きながら、再びダイアー・ストレイツを聴いてみた。
あぁ、そうか、これは「中途半端」でもなんでもない。
こういうのを「懐が広い」というのだな。
などと、一人でわけのわからない納得をしながらだらだらと過ごす夜もそれはそれで悪くはないものだ。

よし、記事もでっちあがったし、暖かい布団に包まって眠るとしよう(笑)。







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コメント

[C812] Re:

まりさん、こんばんは。
11月は好きじゃないに一票、ありがとうございます(笑)。
ディランのあのアルバムも冬のイメージですね。あんなふうな感じ、素敵だとは思いますがちょっとカッコよすぎるかなぁ。
そういえばダイアー・ストレイツのマーク・ノップラー、ディランの『スロー・トレイン・カミング』というアルバムに参加していますし、『インフィデル』ではプロデュースもしているようです。
  • 2011-11-26 17:32
  • goldenblue
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[C811] Re:

リュウさん、こんばんは。
>長年のツレがお気に入り&信者
おぉっ!そういう方がおられるとは、初めてです。
確かに、ほろ酔いのところにバックでうっすら小さな音でかかっている、って感じが似合います。マーク・ノップラーがその後映画のサントラにひっぱりだこになったのもそういう魅力なんでしょうね。

  • 2011-11-26 17:25
  • goldenblue
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[C810] Re:

波野井さん、こんばんは。
波野井さんも11月肯定派ですか~。僕はやっぱりTシャツ一枚くらいで過ごせる気候の方が好きです。寒いのは気が重い。極端に寒くなってしまえばそれはそれであきらめもつくのですが。
ダイアー・ストレイツ、いいですよ。ただ、ガンガンに盛り上がる音楽ではありません。だらだらと流しているとじわじわと気持ちよくなってくるタイプの音です。

[C809] Re:

haTshさん、こんばんは。
どうもダイアー・ストレイツって中途半端なポジションの印象があったのですよ。音楽好きなら割りとみんな好きになる音だけど、熱狂的ファンっていう人は知らないし、70年代っぽくも80年代っぽくもアメリカっぽくもイギリスっぽくもあって、でもどっちでもない、みたいな。
実はこういう一見中途半端で実はとても懐が深い、みたいなちょっと渋めのポジションへの憧れがあるのかもしれませんね。
まぁ、何にしてもいいバンドです。
  • 2011-11-26 17:15
  • goldenblue
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[C808] Re:

非双子さん、こんばんは。
マーク・ノップラーのギターはほんといい音がしますよね。和やかで温かくて、味わい深い音色だけど、枯れたばっかりじゃなくて艶っぽさもある。
「Sultans of Swing」は、時代遅れのスイングを演っているサルタンという貧乏バンドの話でしたね。
Dire Straits=困窮逼迫、みたいな名前のイメージからレコード会社がつけたのでしょう。それとも意味がよくわからん歌はとりあえず“悲しき”ってつけときゃヒットする、みたいなことだったのかもしれませんね。
  • 2011-11-26 17:09
  • goldenblue
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[C807] Re:

Okadaさん、こんばんは。
確かにこれからがお湯割り、熱燗がおいしい時期です。
冬は嫌いではないのですよ。じわじわと冬に変わっていく感じが好きじゃないのです。
そもそも冷え性気味、血行が悪いのかな。
お酒飲んで温まる必要がありそうですね(笑)。

[C806] 11月は好きじゃないに一票

この月は 野球は終るわ 日は短いわで 楽しみが少なく嫌ですね。
ダイアストレーツは知りません。
自分で楽しみを作る月だと認識してます!
ボブ・ディランの恋人と寄り添って歩いてるジャケットのイメージだと最高ですよね(^_-)

  • 2011-11-26 06:56
  • まり
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[C805]

11月、立ち位置が難しい季節ですね、確かに(笑)
でも、何となく過ぎる日々のクセに、後でしっかり残ってる季節なんですよね♪
為すがまま、それが心地よいのです♪
ダイアーストレイツ、長年のツレがお気に入り&信者で、良く聴かされます(笑)
酒でほろ酔いながら聴くに打ってつけの心地よさ、良いですよね!
この時期の布団と一緒です(笑)
  • 2011-11-26 01:10
  • リュウ
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[C804]

今日、夜7時くらいに職場を出るとき、同僚と「一年中このくらいの気候ならいいのに」と話してたところでした。笑

ダイアー・ストレイツはほとんど知らないんです。汗
聴いてみます(^_^;)!
  • 2011-11-25 23:52
  • 波野井露楠
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[C803]

>あぁ、そうか、これは「中途半端」でもなんでもない。
>こういうのを「懐が広い」というのだな。

ここまでの文章のもっていき方「うまい」って唸っちゃいました。
久しぶりにダイアー・ストレイツ聴いてみます。

[C802]

マーク・ノップラーのギターはエフェクターが少なくシンプルで好き。
上手いけどバンド内でも目立ち過ぎてないし、、、

「Sultans of Swing」を聴いて発売を待ってシングルレコード買ったよ!!
何故日本名では「悲しきサルタン」になるんでしょうね(笑
  • 2011-11-25 21:07
  • 非双子
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[C801]

11月、好きじゃないのですね。
ぼくは結構好きかなぁ。
“涼しい”から、“寒い”に変わりゆくこの時期は
“冷たいビール”から“お湯割り”に変わりゆく時期でもあるのですよね。
あ、そういう話じゃなかったのかな。
このアルバムは全然知りませんでした。
この記事を読んで、昔買ったマーク・ノップラーの『golde heart』ってアルバムを何年も聴いていないことを思い出しました。
ぼちぼち、朝方布団から抜け出すのが辛い時期に突入しそうな気配ですね。
風邪ひかないように気をつけなきゃ。

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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