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♪夏の夜のヴァン・モリソン

近畿地方も梅雨が明けた。
朝の光りとともに開けっ放しの窓から涼しげな風が入り込んできて目が覚めた。
まるでラジオ体操に行く夏休みの朝みたいにさわやか。
あぁ、少しはあのうっとおしいムシムシがましになるのかな、と期待しながら出勤したけれど、到着した頃にはすっかり陽射しが強くなってすでに汗だく。
うーん、サマータイムってあってもいいのかもしれないな。朝の爽やかな空気の中でしっかり深呼吸すれば、仕事の能率も高まるのかも?

夜、そろそろ仕事をしまおうかと思ったら、突然の稲光と雷鳴。
続いて、赤道直下の国のような激しいスコール。
傘もないし、仕方がないなぁ、と雨宿りついでにもう一仕事。
おかげで、少しココロに余裕が出来る程度に仕事が片付いた。

雨上がりの夏の夜は、雨上がりの夏の夜にしかない独特の空気が流れている。
さやさやと吹く風は頬にあたるとひんやり心地よく火照った頭を一瞬冷やしてくれるけれど、地面からはもわっとした生温い熱気がせりあがってきてはそのひんやり感を奪い去ってゆく。
大型バスの座席の下のぶるぶる震えるエンジンの振動とむせるような生暖かい排気ガスの臭いみたいに、いくら窓を開けて風を入れたところで、あのもわっとしたうねりはまとわりついて離れてはくれないのだ。


窓の外、夏の夜の嵐を見ながら何となく思い浮かべていたのは、ヴァン・モリソンの“Listen to the Lion”。

 And I shall search my soul
 I shall search my very soul
 And I shall search my very soul
 I shall search my very soul

 For the lion, for the lion
 For the lion, for the lion
 Inside of me
 Oh, oh, yeah

とてもささやかな、しかし音の粒のはっきりしたギターと、パーカッションにのって、静かに歌い始めるヴァン・モリソン。
繰り返す波のような循環コードの淡々とした演奏の中で、それはやがて呻きとなり、叫びとなり、じわじわと熱を帯びながらやがてうねりとなってゆく。


 ライオンの声を聴け

 内なるライオンの声を

 ライオンの声を聴け

 内なるライオンの声を


熱いうねりの中で吠えるモリソン。
嵐ははげしくなり、やがて静かに去ってゆく。
嵐が去った後も、熱いうねりの感覚だけが確かに残る。

   
saint dominic
Saint Dominic's Preview / Van Morrison


70年代前半、『ムーンダンス』、『テュペロ・ハニー』、そしてこの“Listen to the Lion”が収められた『セント・ドミニクの予言』と続く一連のヴァン・モリソンの作品は、傑作ぞろいのヴァン・モリソンの中でも群を抜いて素晴らしい。
なんと言えばいいのだろう、陳腐な言い方だけど、魂が震える。
単に感動的というのではない、単に熱くソウルフルというのでもない、自我そのものを全て音楽に乗り移らせて、すべてを音楽にのみ語らせようとするような気迫に、ただただ圧倒されてしまうのだ。

   
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コメント

[C555]

まりさん、こんばんは。
台風近づいてきましたね、今のところ風が気持ちいいくらいですが。
男同志の飲み会、たぶん高校生みたいにやんちゃなことになりそうです(笑)。楽しみでーす!
このアルバムはいいですよー、ぜひオススメです!
  • 2011-07-19 23:23
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C554] 悪い噂なきよう(笑)

このアルバム 聴こうか聴くまいか 迷っていまだ聴いてません(^_^.)
goldenbuleさん おススメならば 聴いてみる気になりました。
男同士の飲み会がどんな 話になるのか 興味津々であります。
ちなみに 私は普段は普通に平凡に暮らしてる主婦なので 誤解なきよういっときます(汗)
  • 2011-07-19 16:55
  • まり
  • URL
  • 編集

[C553]

Okadaさん、こんばんは。
3連休の過ごし方は決まりましたか?僕も今、ほろよい気分です。
おっしゃるとおり、歳を重ねるごとにヴァン・モリソンのしみ方が変わってきます。特に“仙人”じゃないこの時代の音はしっくりきます。10年たったらまた違う聞こえかたがするのかな、みたいな気になりますね。
8月、楽しみにしています。いいお酒を飲みましょう!
  • 2011-07-16 00:01
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C552]

一日の仕事を全て終えた後、ハイボールを飲みつつ聴く"Listen to the Lion”。ヴァン・モリソンの歌は、じわーっと染みてきましたよ。
彼の声は歳を重ねる毎にどんどん心にフィットする感じがします。
最近夜風が涼しいですね。もう一杯飲もうかな。

[C551]

リュウさん、毎度です!
このアルバムは僕は一番好きですねぇ、たった7曲、しかも3曲が10分近いのですが、長さを感じさせないうねりがあります。クールなのに熱いし、ヴァン・モリソンらしからぬ青さがいいのです。
  • 2011-07-14 23:47
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C550]

ここ東京は梅雨明けと同時に、雨なし・・。
一雨欲しいです・・・汗

そして、、『ムーンダンス』、『テュペロ・ハニー』までは聴きましたが、本作は・・・汗

でもこの初期って、ジャンル関係無し、
強いて言うなら、ジャンル「ヴァン・モリソン」なんですよね!

それが魂を鷲掴みします!!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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