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♪ダウンタウン・トレイン

終電車。
その日はとても酔っぱらっていた。
とても暑かったし、のぼせ気味だったのかもしれない。
鼻がムズムズすると思って少し鼻を掻いたら、たらっと鼻血が・・・。
やべ。
慌ててポケットを探るがティッシュペーパーが見つからない。
かばんの中、確かにあったはず。
ガサゴソ、ガサゴソ、、、
あれれ?
しまったなぁ。。。

そのとき。
隣に立っていた若い女性が、さっとティッシュを差し出してくれた。
なんだかとても嬉しかった。
照れくさかったけど「ありがとうございます。」とお礼を言った。


震災があろうとなかろうとその女性はそういう性格なのかもしれないけれど、同じ街に生きているもの同士、困ったときには手を差し伸べましょう、ということが、以前よりは自然にできるようになった気がする。
元々誰でも「困っている人には手を差し伸べるべき」とは思っているはずなんだけど、どこか公共の中でそれをするのは『照れくさい』『かっこつけっぽい』『おせっかいだと思われたくない』…なんだかそんな『』付きの気分があって躊躇してしまうようなところがあったのではないかしら。震災以降、そういうことを気にせずまずは正しいことをやるべきだ、という気分は世の中に確かに芽生えていると思う。
組織を守りたいだけの事なかれ的発言や、水掛け論の足の引っ張り合いや、最初から議論するつもりもない不毛な論議や、からまわりするだけのあるべき論や、犯人さがしに終始する責任追及論にはもうほとほとうんざり。
正しいと思うことを、四の五の言わずにさっと行動に移したいものだ、と彼女の行動から改めて思ったのでした。


今日の音楽。
トム・ウェイツの“ダウンタウン・トレイン”。

ロッド・スチュワートのバラード・ヴァージョンもぐっとくるしや、パティ・スマイスの、キラキラしたもろ80年代なヴァージョンもいいけれど、やっぱりトム・ウェイツの声は渋くてかっこいいな。

Rain Dogs
Rain Dogs / Tom Waits





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コメント

[C549]

LA MOSCAさん、こんにちは。
まったく、やらなきゃいけないことがはっきりしているのならば、やるしかないと思うんですがね。
ダウンタウン・トレイン、やっぱりトム・ウェイツが一番ですかね。このアルバムの蒸し暑さ、このむさくるしい夏にはぴったりですね。
  • 2011-07-11 23:01
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C548] やっぱりトムですよね!

もうさ、躊躇してる暇なんかないと思います。
やろうと思ったらやる、即。
なんでそんな簡単なことが出来ないんだろう?
本気でやろうと思ってないから?

この曲はやっぱり!
トム・ウェイツですね!

ひとつ前の記事、心打たれました。

[C547]

ミモザさん、こんにちは。
そうそう、先日のOnly Living Boy in NewYorkのコメントにEBTGのこと書いていたのにうっかり忘れていました。。。
エピソードとしてはEBTGのバージョンの方がしっくりきますねぇ~。でも、この夜の蒸し暑さはやっぱりトム・ウェイツのダミ声的だったのです(笑)。

[C546] ミモザ

僕は筋金入りのチキンなので、かなりハードルが高いです。
気持はあるんすけどね・・

これもエブリシング・バット・ザ・ガールがなかなかイイカバーをしてます。
が、やはりこれはトム・ウェイツですねー
男心にしみる歌唱です^^

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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