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♪Real Love / The Beatles

Real Love
Real Love / Beatles


Real Love

僕が思い描いていたことなんて
もう忘れてしまった夢みたいなもので
僕のしてきたことはすべて
あなたに出会うためのものだったみたいだ

まるで小さな子どもが
小さなおもちゃで遊ぶみたいにして
僕らがやってきたことは
この愛を待ち続けること

もう決してひとりぼっちじゃない
もう決して孤独なんかじゃない
それが今ここににある愛
それは確かに今ここにある

僕の人生の行き先の
そのひとつひとつがはっきりと見える
まるでこの愛をずっと待っているために
今までを過ごしてきたみたいな気がする

もう何も怖がることはない
もう何も怖がることなんてないんだから
それが今ここににある愛
それは確かに今ここにある

恋に落ちたことはあるけれど
僕の心はもっと何かを必要としていたんだ
まるであなたをずっと待っているために
今までを過ごしてきたみたいな気がする

もう決してひとりぼっちじゃない
もう決して孤独なんかじゃない
それが今ここににある愛
それは確かに今ここにある



1996年に発表された、ビートルズの最後のシングル曲“Real Love”。
ジョンが撃たれる前に遺していたデモ・テープに、ポール、ジョージ、リンゴがバックを付けなおしたこの作品をビートルズの作品と呼んでいいのかはともかく、いかにもジョンらしいラブソングだ。
幼い頃に母親に捨てられ、スーパースターになってからはあらゆる種類の嘘や裏切りや妬みに直面してきたジョンは、自分自身をありのまま受け止めてくれる誰かが必要だったのだろう。

この曲の日本語訳ではだいたいが“Real Love”を「真実の愛」と訳しているけれど、「真実の愛」って言葉はどうもうそ臭い気がする。じゃあ、真実じゃない愛って一体何なんだ?誰かを愛する、という気持ちそのものは何であれ真実の感情だろう?とかみつきたくなるのだ。
ジョンが“True Love”じゃなくあえて“Real Love”としたのは意図したものだと思う。言葉のニュアンスとしては、“True”はやや観念的で、正解か不正解かということを問うている言葉。“Real”は、より実体を伴って確かに目の前にある、感触がある、要はモノとして確かにあるのかないのかを表す言葉。何が“True”なのかは考え方によって変わるけれど、“Real”はそこにあるかないかなのでどんな考え方であれ変わらない。
そんな違いがあると考えて、「今ここにある愛」と訳してみたものの、正直もう少しやわらかくフィットする言葉があればいいと思ってはいるのだが。

ちなみに“リアル・ラヴ”で検索してみると、出会い系サイトやら風俗店の情報がたくさんでてきた。孤独な現代人のためのリアル・ラヴ。それはそれであながち間違いではないのかもしれないと思いつつ、リアル=実体がある=肉体的行為、ではないだろう、それはあまりにも安直じゃないのか、と。
ジョンが歌おうとした“Real Love”は、心の奥底から理解しあい、お互いを必要としあう心の実在、その延長上にお互いを体で確かめあう愛を含めての“Real Love”。そして、そんな“Real Love”に巡りあう事ができたとしたら、それは何であれ最高に素敵なことだと思う。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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