FC2ブログ

Entries

♪So Much Trouble in The World / Bob Marley & The Wailers

レベル・ミュージック+1
Rebel Music / Bob Marley & The Wailers


原因が特定できないまま、中国餃子事件…事件?騒動?問題?…の報道の温度は日を追うごとに鎮まりを見せている。あれほど殺気だって「国産品以外買わない!」と騒いでいた主婦は、今日何を食べたのだろう?買い物するとき裏の表示を見たところで、店員に聞いたことろで、100%避けれっこないってことに気付いただろうか?「中国からの輸入は停止すべき」とのたまっていたコメンテイターが今朝飲んだ味噌汁のわかめは果たして国産だったのだろうか?新聞でも、事件の云々かんぬんの記事は影を潜めて、「消費者は保護されるべきか」とか「食品表示に関わる法令について」とか「日本の自給率について」とか、解説調の記事が増えた。テレビはもはや、次のこきおろしターゲットを見つけることに躍起になっている。大声で叫んでいるのは無責任な週刊誌の見出しばかり。

あの事件からはいろんな、今の日本の、世界の「問題点」が見えたのだと思う。批判すればするほど、その批判はいずれ自分自身のふるまい方に返ってくることがわかってしまったから、誰も何も大声でいえなくなってしまった、そんな気がする。

中国と日本の経済格差の問題。それがあって初めて成立する「便利で」「手間のかかった」加工品。経済格差の名を借りて潜む、日本と中国に間に横たわる憎しみや偏見。

そもそもの日本の世界の中でのポジション。石油と穀物を大国に握られたままの経済大国。砂上の楼閣のような繁栄でしかないのに、世界中から贅沢品をかき集めて、祖先がこの四季に恵まれた土地で培ってきた技術を次世代に伝えないまま朽ち果てさせてゆく。

自給率が40%をきるほどに国から「農」の根本を失わせたのは都市化と工業化。それに伴って増えた核家族と、個人主義という名の下に消えた地域の絆。けれど、その都市化と工業化のお陰で今の繁栄がある、そんなパラドックス。

餃子なんて手作りすべきだという論調に垣間見えた男性側の論理。手作りなんてしてたらいくら時間があっても足りない、手作りすべきという意見そのものが女性を家事労働にしばりつけている、という女性側の論理。私たちの頃は手作りした、冷凍食品なんて使わなかった、という姑のひとことが事態をややこしくする。

消費者行政と言いながら結局縦割り行政の枠から抜け出せないまま、過去の悪しき前例主義で事なかれで済まそうとしてきた行政と企業。一方で、消費者の権利と言いながら、自分で学ぶことすら放棄して、ただ与えられるのを待って右往左往している人たち。
事件を冷静に振り返る中で、そもそもそんな商品を支持し、作らせてきたのは、国産の農業も工業もを衰退させてきたのは、自分たちの消費行動そのものだったことに気付いてほしい。「消費行動が生産を作る、その逆はない」と昨日の新聞の記事に農家の方のコメントがあったのだけれど、まさにその通りだと思う。
けれど、マスコミから消費者まで、大きな問題が起きた時に、ヒステリーと興味本位だけで大騒ぎして一種のお祭りにしてしまうこの国の本質は、戦争に巻き込まれていった頃と結局何にも変わっていないのじゃないだろうか、という恐ろしさも同時に感じたりもした。

ボブ・マーリィが歌ったのは、搾取される側、つまり、自分の口に入らないものを誰かの命令で作っている人たち、からの視点の歌。だからこそ、第三世界を中心に、抑圧されてきた人々に圧倒的に支持されたのだ。
そもそも経済格差があって成り立っている世界の構造。富は集まるところに集まり、貧しい場所からは更に吸い上げられてゆく。そのことに気付いて是正しようとした共産主義すら人間の欲望の前には機能しないことがもう20年も前に証明されてしまった。貧しさは連鎖し、憎しみも連鎖する。その連鎖を停めるのは貧困からの脱出なのだろうけれど、しかし、すべての人々が今の先進国並みの贅沢な暮らしをするだけの、エネルギーがもはや地球にはないし、そんな事態に地球は環境は耐えられない。

かつてマーリィが歌ったように、世界はトラブルに溢れている。
にっちもさっちもいかない世界で、さぁ、僕らは一体何をすれば良い?
せめて、自分の身の回りことくらいは自分でできるように、自分自身に不相応で手に負えそうもないことには手を出さないように、そんな慎ましさを持って生活していこう、と改めて思った。


So Much Trouble In The World

世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている
世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている

お日様がまた昇って
僕の目に恵みをもたらしてくれる
自然はただ回り続けてゆくから
どんなことだって起こり得るのだ

人々のエゴを乗せた宇宙船が
ふらふらと舞い上がっていくのが見えるかい
現実から100万マイルも離れた場所で
僕や君を置き去りにしたまま

世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている
世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている

あんたがたのやっていることは
とれるものだけとりきって
与えることはほんのわずか
たったのたったのたったのわずか

解決方法が見つかったかと思ったら
また別の幻想が現れる
潮の流れをチェックする前に
あの曲がり角を曲がってしまっていたんだ
毎日直面するいろんな問題
どんなことが起きようとも
我々現場を知る人間が話し合って
悪戦苦闘していくのだ

みんな時限爆弾の上に座っている
今、時が訪れて
やってくる、やってくる、やってくる

世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている
世界はトラブルでいっぱい
世界はトラブルに溢れている


スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://goldenblue67.blog106.fc2.com/tb.php/608-af3d307e

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

Profile

golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

Calendar

07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

Gallery

Monthly Archives