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♪ぼちぼちいこか / 上田正樹と有山淳司

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)
ぼちぼちいこか / 上田正樹と有山淳司


俺の借金 全部でなんぼや
お好み焼屋の ゆうちゃんから 5000円 借りてきて
全部 パチンコで 負けてもたから
乾物屋の中西に 8000円 借りた
そやから ゆうちゃんに 3000円 返して
2000円 だけ 競馬をやったら
19000円 勝ってしもた
そのなかから 6000円 乾物屋の中西に返して
残りで 飲みにいったら
3600円 足れへんかった
馴みの店やし 明日払うわ 言うて
帰りに車代 1000円 借りた
途中で アルサロの くんちょうに会った          
くんちょうが ポーカーをしようと言うたので
おかまの五郎ちゃんと 朝まで やってしもた
結局 5000円 負けてしもた

あくる日 有山に 6000円 貸した中から
なんぼか 返してくれと言ったら
3200円 返してくれた          

俺の借金 全部でなんぼや
俺の借金 全部でなんぼや
俺の借金 全部でなんぼや


大阪人=ヤクザ、お笑い、商売人・・・などと揶揄されていた時代がもう遠い昔に思えるほど今や大阪弁は全国区で認知された感があるけれど、それよりもっとずっと昔に、大阪弁でカントリィブルースを邦訳していた男たちがいた。上田正樹と有山淳司の『ぼちぼちいこか』。このアルバムの「とったらあかん」とか「俺の借金全部でなんぼや」の笑いの取り方は大阪人ならではの感がある。検索してみたら、この曲を取り上げて「で、本当は借金はいくらなんでしょう?」とクイズを出すようなブログの記事が思いのほかたくさんあった。それくらい耳に残るインパクトのある歌ではあるが、単なるコミック・ソングではない。この曲のテーマは、つまりは、ユーモアの向こうに滲み出る、どん底の暮らしの悲哀。
1900年代初頭アメリカ南部で生まれたブルースは、そもそもは奴隷労働に従事した黒人たちの、癒しと慰めと憂さ晴らしのため音楽であるわけで、そこには世の中の底辺から見た怒りや笑いがある。もはや笑うしかないほどせっぱつまったどん底の暮らしの中で育まれてきた、それがブルース。上田と有山がこのレコードで表現したのは、スタイルとして真似してみただけののブルースではなく、ブルースのスピリットそのものだったのだ、と思う。




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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