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♪Blue Valentines / Tom Waits

ブルー・ヴァレンタイン(紙ジャケット仕様)
Blue Valentines / Tom Waits


彼女が送ってよこした
青いヴァレンタイン・カード
記念日に送られた
遠くフィラデルフィアから
あの頃を思い出させる
まるで牢獄からの外出許可証のようだ
或いはふと思い立って鏡で後姿をチェックするような

名前を変えた理由は
俺は今も逃亡の途中だから
おまえが俺の居場所を知ってるなんて思いもしなかった

彼女が送ってよこした
青いヴァレンタイン・カード
まるで半分忘れかけた夢のように
靴の中の小石のように
街を歩くたびに
おまえの思い出が俺を追い掛け回して
茨のようなキスをして
バラをへし折るような気分にさせる
タロットの占いははずれ
俺は袖の下に隠れこむ
振り向くたびにおまえの姿が見える

彼女が送ってよこした
青いヴァレンタイン・カード
いろんなことを思い出させる
俺たちの愛を激しく主張する
なぜ俺はこんな激しい思いを
サイドテーブルの引き出しにしまったままにしていたのだろう

そこで俺はたまり場へ出かけてゆく
べろんべろんに酔っ払っても大丈夫な場所があるだけでも
俺はラッキーなんだろう

  (Tom Waits / Blue Valentines)


ヴァレンタイン・デイ。
世界中のあちこちの、たくさんの人の胸の中で、それぞれの思いが、
かたちになったりならなかったりしながら交錯する日。

そんな日は、トム・ウェイツで酔っ払ってしまうに限る。
ジャジーなギターに乗せて、何かにかきたてられるように狂おしく、独特のダミ声を絞りだすトム・ウェイツ。
そんな音楽が共にあるだけでも、俺はラッキーなんだろう。


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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