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♪In a Big Country / Big Country

Crossing
Crossing / Big Country


1980年代前半。スコットランドやウェールズ、アイルランドといった英国の辺境の地から、高い精神性とパンクの反逆の精神を併せ持ったかっこいいロック・バンドが続々と出現していた。今や超ビッグネームになってしまったU2をはじめ、先の記事のウォーターボーイズやアラーム、エコー&ザ・バニーメン、ポーグス、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ、アズテックカメラにペイルファウンテンズ、ブルーベルズ…先頃自国で環境大臣に就任したピーター・ギャレットのいたミッドナイト・オイルのオーストラリアも英国の辺境か。
その当時の英国が置かれた閉塞感や斜陽感、過去に倣った事なかれ主義がツケを更に拡大し、改革の痛みで人々の心は軋んでいる、そんな状況は今の日本とよく似ていたような気がする。改革よりも既得権益を守ることに汲々としている大人よりも、若者たちの方が状況を敏感に察知して何かを伝えようとしていたところも。
その当時、U2以上にかっこよくって人気があったのが、スコットランド出身のビッグ・カントリーだった。
バグパイプを模したようなスチュワート・アダムソンのギター、撥ねまくるリズム隊。雪で白く染まった雪原を、蒸気を吐きながら雄々しく走る機関車のように、ビッグ・カントリーの音楽は、力強かった。彼等の音楽から、蒸気機関車の吐き出す煙や、汽車の中で燃え盛る石炭の炎や、力強い車輪の回転が見えるような想いがした。
アダムソンはかつてスキッズというパンク系バンドでかつてデビューしているが、泣かず飛ばずで終わり、このビッグ・カントリーは彼にとって夢破れた末の最後のチャレンジ、起死回生のための再スタートだったのだろう。ポジティブに、しかも青臭い理想主義だけじゃない、破れた夢からの再生への思いを高らかに歌い上げた気持ち。その当時も好きだったけれど、むしろそれなりに年食った今のほうがよく分かる気がする。

“砂漠の中で花が開くことを期待してはいない”のだ。
砂漠に花を咲かせるような魔法なんてどこにもないし、そんな口先だけの約束は信じないほうがいい。ありのままの現実を受け入れて、その中でできることを誠意を込めてひとつづつひとつづつ積み重ねていくしかないのだ。そして、そんな仕事を続けていくためには、夢や理想、ビジョンが必要だ。それさえ見失わずに心に灯しておくことができたなら、僕らはまだまだ歩み続けてゆけると思う。


In a Big Country

特に理由などないけれど
あなたにはもう会えないのでしょう
約束は忘れ去られ
季節は通り過ぎてゆくものだ

誰かの顔から笑顔が
消え去ってしまうことを僕は望まない
まるで子供のようなその笑顔を

偉大なる故郷では
夢ははまだそこにある
恋人たちのささやきや
山の中腹の篝火のように
今も生きている

痛みも真実も重要なことだと僕は思う
けど、打ち砕かれたたったひとつの希望だけでは
きっとやってはいけないよ
砂漠の中で花が開くことを期待してはいない
けれど、僕は生きて、呼吸をしているから
この冬の時期にお日様が見えているから

偉大なる故郷では
夢ははまだそこにある
恋人たちのささやきや
山の中腹の篝火のように
今も生きている

少し距離を置いて眺めてみてご覧よ
そいつはきみには全然似合っていないし
それはきみが処分を受けるってことでは決してないんだから
顔を上げて、フロアに下りて、声を上げてみるんだ
ちょっとでもほしいと思ったことのあるものを
残らず求めるために叫び声を上げるんだ

痛みも真実も重要なことだと僕は思う
けど、打ち砕かれたたったひとつの希望だけでは
きっとやってはいけないよ
砂漠の中で花が開くことを期待してはいない
けれど、僕は生きて、呼吸をしているから
この冬の時期にお日様が見えているから

偉大なる故郷では
夢ははまだそこにある
恋人たちのささやきや
山の中腹の篝火のように
生き続けているんだ


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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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