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♪My Younger Days / Sonny Boy Williamson

His Best (Chess 50th Anniversary Collection)
His Best (Chess 50th Anniversary Collection / Sonny Boy 'Rice Miller' Williamson


なんとなく重い気分で帰る最終電車の中で、酔っぱらいのじいさんが大きな声で独り言をわめき散らかしていた。何を言っているのかはよくわからない。やがて前の席に座ってメールをしていた若い女の子にからみだした。俺の若かった頃は、近頃の若い者は、とか、そんなことを説教しているらしい。これって「電車男」のシチュエーションだなぁ、なんて思いながらその様子を見守っていた。次の駅で女の子は逃げるように下車し、またじいさんは一人でぶつくさ言い出した。ポケットからウイスキーの小瓶を持ち出してはあおっている。周りの連中はみんな無視を決め込んで、少し体を固くさせながら眠ったフリなどしている。
最初はやかましくて迷惑なじんさんだと思っていたけれど、どうやらいわゆる殺気を感じるような感じではない。むしろ滑稽で少し憐れなような。で、しばらくじいさんのことをじっと見ていたら、ハッと目が合った。
その目が少し笑っているような気がして、そっと人差し指を唇に当てて注意を促したら、じいさんもニッと笑って「シ~ッ」と言った。そのあともなんだかんだでぶつくさ言っていたけれど、そういや昔はこんなじいさんあっちこっちにごろごろいたのになぁ、なんて思いながら、僕はなんだか楽しくなってきて、そのじいさんと話したくなってきた。
「おっちゃん、どこまで行くんや」
「あぁ、あぁ、えらいすんませんなぁ。あと二駅ほど。」
「ほどほどにせんとみんな迷惑してはるからな。」
「あぁ、あぁ、えらいすんませんなぁ、ほんま。」
降り際のたったそれだけの会話。でも、話して良かったと思った。
頑なだった気持ちの何かが解けていったような気がした。
周りの人たちは相変わらず無視を決め込んでいたけれど。

電車を降りて、歩きながら、あのじいさん誰かに似ていると思った。
短く刈った白髪、大きな目、どことなく人懐っこい笑顔。
あ、そうか、サニー・ボーイ・ウィリアムソンだったんだ。


♪My Younger Days
In my younger days, I wished I knowed then like I know now
In my younger days, I wished I knowed then like I know now
I wouldn't be standing around here,
begging for this little woman to let me in her house

Back in those days, I wished I'd knowed then like I know now
Back in those days, I wished I'd knowed then like I know now
The money I was throwing away,
I could have saved it and bought my own house

In my younger days, I wish I knowed then like I know now
Well, in my younger days, I wished I knowed then like I knowed now
I wouldn't be standing 'round, begging this woman to let me in her house

若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
ここにつっ立ったままでいたくない
家に入れてくれ、ってお願いするんだ

あの頃に戻って
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたいと思うんだ
あの頃に戻って
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたいと思うんだ
全財産を投げうって
俺自身のための住処を手にするのさ

若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
若かった頃には 
今知っていることよりもっとたくさんのことを知りたがっていた
ここにつっ立ったままでいたくない
家に入れてくれ、ってお願いするんだ


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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