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♪冬の十字架 / 忌野清志郎

冬の十字架
冬の十字架 / 忌野清志郎 Little Screaming Revue


いわゆる「中国産冷凍ぎょうざ」問題。いや、「事件」か。
確かに今までさんざんあった偽装事件とはレベルが違う。健康被害が出た、そのことに対する食品会社や輸入者、販売者の責任は重い。
しかし、まだ原因も明らかでない中でのマスコミの過剰なまでの報道はどうなんだろうか?逆にいたずらに不安を煽ったのではないか、という気がする。
原因不明の中での被害の重大性・拡散性・緊急性を考えると、危険の想定される当該の商品に対しての「絶対に食べないでください」という呼びかけは必要だ。けれど、残留農薬の混入原因は不明のままなのに「中国産は危険」「検査をしていなかったのはけしからん」といった論調がまかりとおり、「生協の安全への信頼が損なわれた」とこれみよがしにコメントして、そんな報道を朝から晩まで見てたら誰だって不安になるんじゃないかと思う。一体、どこで何を手に入れたら安全なのか?子供たちに何を食べさせればいいのか?母親の悩みは当然だ。
だからといって即「中国バッシング」に走るのは違うと思う。
今や40%を下回る日本の食料自給率。それを支えているのは、海外のあらゆる場所からのありとあらゆる種類の食料調達と、低賃金で高技術のアジアの労働者たち。その筆頭が中国。
本当に安心できる食料を調達するには、全部自分で作るしかない。そんなことは実際不可能なのであって、相手と取引をする以上は必ずどこかにリスクが発生する。だいたい、高くても国産を、って言ってもそもそも国内には今の日本人全員を養えるだけの食料生産力がないのだ。自分自身は農業に携わりもしないでそれはおこがましい願いだろう。国産品信仰は、即ち、限られた人間だけが安心して暮らせればいい、まるでノアの方舟の選民思想のようで好きじゃない。だったら、どうやって中国をはじめとする外国と、うまくおつきあいしていくのか、そのことを考えていくしかないのであって、「中国産」=「危険」と排除してしまえば済む、そんな簡単な問題ではないのだ。まして「中国人はいいかげんだ」的な、生産現場を実際自分の目で見てもしないで思い込みのレッテル貼りはやめておこう。
また、「冷凍食品」の是非を問う声も聞こえて来るけれど、「冷凍食品」は、消費者の利便性だけでなく、出来立ての鮮度を維持するおいしさの面でも、不必要な防腐剤や保存料を使わずに長期保存できる点でもすぐれた技術であり、精神論的に冷凍食品を批判するのも的外れだ。忙しい主婦が冷凍食品を上手に使ってやりくりするのを否定されるべきでないし、外食産業や原料を加工後冷凍して国内工場で製造するなど、食の現場にとっていずれにしても切り離せない技術なのだ。

今回のことは結局、今の「おいしくて、手軽で便利で、安心で、低価格」を私たち消費者が追い求めていった結果としての必然的な事件なのだと思う。日本人がいままでしてきたわがまま放題贅沢三昧に対して突きつけられた「冬の十字架」みたいなものだ。
想定の低いリスク点検をして安全性を高めるより、少しでも低価格にしなくちゃ売れない、いくら生協といえども売れない商品を取り扱えない、それが市場原理の社会のルールで、リスクをただで回避できるような魔法なんてどこにもない。「おいしくて、手軽で便利で、安心で、低価格」のすべてを「合格点」にクリアすることはできても、すべてを「100点満点」にすることは不可能なのだ。一定のリスクは常にある。自分が選ぶものにどんなリスクがあるのか、そのことを消費者は自覚しなくちゃいけない。そして、そのリスクを選択するための情報は、まだまだ至らない部分もたくさんあるにせよ、やっぱり生協が一番誠実だと思うのだけれど。
生協は叩きやすいのか?
大手量販でも大手外食産業でもたくさん取り扱っていたJTフーズの冷食。なのにマスコミに叩かれているのは生協ばっかり。ちょっとかっこつけた優等生のチョンボは格好のネタだから?いや、それ以上にテレビ局にとって生協は、スポンサー様じゃないからね。
TVでやってることは、あくまで一面的なものの見方でしかない、ということは押さえておくべきだろう。[COVERS]が発売禁止になったり、「君が代」ロックバージョンが収録されたこのアルバムが自主制作でしか発売されなかったように、権力を持つものにとって不利益な情報は隠されるものだ。

それにしても、なんだかすっきりしない、どんよりとした時代だ。
今、TIMERSがあったら、清志郎、いやZERRYはどんなことを歌ってくれるだろう。このどんより感に風穴をぶち開けてほしい。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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