「冬の寒い夜」は、RCサクセション1990年の“BABY A GO GO”収録曲。もともとの歌はすでに10代の頃に書いてあった作品らしい。清志郎曰く、歌詞中の「君」は、猫のことらしいけれど。 この“BABY A GO GO”は、現在のところのRCサクセションの最新アルバムであり、事実上のラスト・アルバムとなってしまった作品。10年以上一緒にやってきたG2と新井田耕三が脱退してしまい、このアルバムでは旧友で元カルメン・マキ&OZのギタリストである春日博文が新井田の代わりにドラムを叩いているのだが、その春日のドラムが非常にいい。手数が少なくシンプルななんとも素人っぽい演奏が、かえってこのアルバムの素朴さ、純朴さをひきたてている気がする。3人になってフォーク時代の原点に帰る様に、シンプルで素朴な、人肌の温かみがあるアルバムで、80年代のやんちゃさや荒っぽさはないけれど、この味わいは大好きだ。若き日々に当たり前にそこにあったものが失われてしまったとしても、そのことをまっすぐに受け止めて今のありようを見出そうとしている、そんな静かなポジティヴさがある。 もう一曲“BABY A GO GO”の中でも一番好きな、この曲を。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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