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♪2000Miles / The Pretenders

Learning to Crawl
Learning to Crawl / Pretenders


(拙訳:2000Miles)

彼は行ってしまったの
遥か2000マイルの彼方に
雪が降る
日ごとに募ってゆく
あなたを恋しい気持ち

子供たちが歌う
「キリストはクリスマスには帰ってくる」という声が
「彼が帰ってくる」って聞えてしまうの

凍てつくような聖夜
時々あなたが夢に現れるの
紫色の空の下 雪のきらめきがダイヤモンドみたいに輝いて
まるでクリスマスみたいね、って私たちは歌うのよ

2000マイルの遥か彼方から雪が降る
あなたがどこへ行こうと
あなたのことを思っているわ

彼は行ってしまったの
遥か2000マイルの彼方に
雪が降る
日ごとに募ってゆく
あなたを恋しい気持ち

人々が歌っている
「クリスマスにはきっと」
人々が歌っている
「クリスマスにはきっと」




クリスマス。
キリスト教の行事とはいえ、もはや完全に日本に根付き日本化した風習だと思う。そもそもはイエス・キリストの誕生日を祝うお祭りとされているが、実はイエス・キリストの誕生日がいつであるかの記述は聖書にはどこにもないらしい。一説には、昔からこの時期に行われていた冬至が明けるお祭りがいつのまにか変化したものである、とされている。
牧畜や農耕で暮らす民族にとって、太陽はまさに恵みの象徴で、その日照時間が日々減って暗闇に近づいてゆく冬至までの期間はとても心細く不安なものだったのだろう。だからこそ、これからは明るくなってゆくばかりの冬至明けに希望を託し、心から祝福したのだろう。そのことと、迫害されたキリスト教徒の希望の星であったキリストを祝う祭りが融合していったのはとても自然なことだと思う。それがなぜ日本では、ケーキを食べ、子供たちがプレゼントを貰い、恋人たちがはしゃぐ日になったのかは摩訶不思議ではあるけれど。現代の日本人の暮らしにとって「希望」なんてものが似合うのは子供たちと若い恋人たち以外にはありえないから?などというと皮肉に過ぎるか?

プリテンダーズの“2000マイル”は、はしゃいだり愛を誓い合ったり、愛してるだの、きっときみは来ないだのといった類ではない、レクイエムのようなクリスマスソング。
この歌の「2000マイル」という距離の遠さが象徴するのは、とても手の届かない遠いところ、雪の降ってくる場所、つまり天国、なんだと思う。このアルバム発表の前年、プリテンダーズは相次いでメンバーを二人ドラッグや事故で失っている。そんな彼らに捧げられた歌のようにも聞こえてくる。大切な人を失った悲しみを浄化し生きる希望に変えてゆく、そんなクリスマスもある。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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