Full House Live / J Geils Band J-ガイルズバンド。古いブルースやR&Bを、とびっきりのビートと黒っぽいフィーリングでプレイするシンプルでワイルドでいなたくて男臭くて最高にかっこいいバンド。
山川健一氏は著作『みんな十九歳だった』の中で、浪人しながらアルバイトしていた19歳の頃に初めて聴いたJ-ガイルズバンドのことを書いている。「バイトから帰ってきて三畳の部屋で聴くと、くそっ、ボストンの冬も寒いんだろうな、などと思い元気になった。少年にとって一番大切なこと、それはシンプルであるべきだということだった。」、と。
シンプルであること。
例えば世の中には問題が山積みされている。放っておいてもいずれにっちもさっちも行かなくなることがわかっているのに、あちら立てればこちらが立たず、権利関係も含めていろんなしがらみで、明らかな改善策が実行されない、ありとあらゆる問題。問題解決の為に深く物事を知ろうとすればするほど、その複雑に入り組んだ背景にどうしようもない思いがしてしまう。そんなとき大切なのは、シンプルであること。いろんな思いや打算や値踏みや筋書きを越えて「ほんとうは自分はどうしたい」のかだけを考えること。その気持ちに忠実に生きようとすること。何も考えないのとは少し違う、あらゆることを知ろうとし、考え、その果てにシンプルに考えること。
複雑に入り組んだ樹海のような世の中で道に迷わないためには自分なりの方位磁石が必要だ。その指針となるのが、例えばそんなメッセージだと思う。
そして、そんなメッセージを、僕らはロックンロールを通じて受け取ってきたのだ。例えばこのライヴアルバムに収められた、“Lookin' for Love”のシンプルなビートとシャウトから。
(拙訳:Lookin' for Love)
ずっと愛を探していた
そして今も愛を探し続けている
愛を探している もうずっとずっと
こっちも探した あっちも探した ありとあらゆる場所を探した
で、今もずっと探してる
愛を
朝、やさしく僕を揺り動かして
朝食を温めなおしてベッドに運んでくれる、そんな誰か
遅く家に帰っても家事をしてくれる誰か
たくさんの愛に満ち溢れたキスをしてくれる誰か
いつも街角にいる誰か
彼女はとても働き者
人がなんて言ってたって関係ない
彼女に愛を告白しよう
そして彼女をいつも慰めてあげよう
あぁ彼女が僕のものだなんて
最高に素敵な気分さ
愛を探している もうずっとずっと
こっちも探した あっちも探した ありとあらゆる場所を探した
で、今もずっと探してる
愛を
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