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♪One O'Clock Jump / Count Basie

ザ・ベスト・オブ・アーリー・ベイシー
The Best of Early Basie / Count Basie


ビッグバンド・ジャズにはほとんど詳しくない。ビッグバンド・ジャズと聞いて思い浮かぶのは映画『上海バンスキング』や『スィング・ガールズ』、終戦直後の進駐軍の映像のバックに流れるグレン・ミラー楽団の「ムーンライト・セレナーデ」くらいのもなのだけれど。1930年代にカンサス・シティで録音されたこの時代のカウント・ベイシー楽団はダントツに別格にカッコイイ。
1930年代、アメリカ全土で実施されていた禁酒法から唯一逃れた街、ミズーリ州カンサズ・シティにはアメリカ中から才能のあるミュージシャンがやってきた。後に“オール・アメリカン・リズム・セクション”と呼ばれるベイシー自身のストライドピアノに、フレディ・グリーンのリズムギター、ウォルター・ペイジのベース、ジョー・ジョーンズのドラム。テナーサックスにレスター・ヤングやバック・クレイトンをはじめとするホーン奏者。ヴォーカルに“ブルース・シャウター”ジミー・ラッシング。まるで先日亡くなられた稲尾和久や、豊田泰光、中西太、仰木彬らがいた伝説の西鉄ライオンズみたいに、アメリカ中西部の田舎町につわものどもが集まっていたのだ。
彼らが繰り広げる音楽は、西アフリカから奴隷として連れてこられた黒人たちが脈々と受け継いできたリズムと、ヨーロッパから逃げ出すように新世界へやってきた白人たちが持ち込んだフォーク・ソングの融合の中で生まれたジャズやブルースという音楽を、もう一回ごった煮にしてコクと旨みをアップさせた音楽。それは後に世界中に発展するリズム&ブルースやロックンロールの原点になっていったに違いない。
ベイシー楽団が弾き出すハッピーでホットな演奏は、豊かな未来への予感にワクワクさせ、誰もを夢見心地にし、世界中をスィングさせる。ジャズとはもともとそんな音楽だった。民衆が酒を飲んで踊って憂さを晴らすための陽気なダンス・ミュージック。今でこそずいぶん小難しく小洒落た敷居の高い音楽になってしまったけれど。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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