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♪Moanin' in the Moonlight / Howlin' Wolf

モーニン・イン・ザ・ムーンライト(2イン1)
Moanin' in the Moonlight / Howlin' Wolf


月のきれいな夜だった。明日あたりが満月。
「狼」つながりってわけでもないけれど、「月」と「狼」といえばハウリン・ウルフ。
ハウリン・ウルフは、1950年代、マディ・ウォーターズとシカゴのブルース・シーンを二分したブルース界の大ボス。実際ルックスそのものがギャングの大ボスみたいな人で、その吼えるようなダミ声はまさにウルフというか獰猛な肉食獣を思い起こさせる。
どちらかといえば繊細で起伏に富んだ表現が好みの僕にとっては、ウルフの吼えるブルースは豪快すぎる。月がきれいだなぁ、なんてムードもへったくれもなく吼え、わめき、怒鳴り散らすウルフのブルース。
けれど、そこで表現される世界はとてもシンプルで凝縮されているだけに、とてもイマジネイティヴだ。くどくどした説明抜きに展開する物語の行間からこぼれる、ブルースという名でしか表現できないようなやりきれなさ。
例えばこんなブルース。


I asked her for water
Oh, I asked her for water, she brought me gasoline
Oh, I asked her for water, she brought me gasoline
That's the troublingest woo-hoo , that I ever seen

The church bell tollin', the hearse come driving slow
The church bell tollin', the hearse come driving slow
I hope my baby, don't leave me no more

Oh tell me baby, when are you coming back home?
Oh tell me baby, when are you coming back home?
You know I love you baby, but you've been gone too long

水を頼んだら あの女ガソリンを持ってきよったんや
水を頼んだら あの女ガソリンを持ってきよったんや
そらもう、今まで見たことないような
どえらい大騒ぎになってしもうたわ

教会のベルがなり 霊柩車がゆっくりと出発する
教会のベルがなり 霊柩車がゆっくりと出発する
今度こそもう
どこへも行かんといてほしいねん

いつになったら帰ってきてくれるんや?
いつになったら帰ってきてくれるんや?
俺の気持ちを知ってるくせに
長いことほったらかしでどこにいっとんねん?


詞の行間から滲み出るブルースという名でしか表現できないようなやりきれなさがわかるだろうか。
そしてそれをぶっとばすかの如く吼えるウルフも、心に宿ったブルース的なフィーリングがぶっとばせっこないことなどわかりきっていて、だからといって真正面からそのやりきれなさに向かい合える強さなどないこともわかりきっていたから、そのブルース・フィーリングをぶっとばすように吼え続けることを選んだのだと思う。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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