Blonde on Blonde/Bob Dylan コートとマフラーを着込んで、じっと遠くを凝視するディラン。 雑然とした瓦礫のようなサウンドの中に転がるものは、宝石かもしれないしただの石ころなのかもしれない。いまだによくわからないものを探しに、吹き荒れる風の中を行くのだ…。
Same Old Man/John Hiatt 若い頃の無茶のツケを背負ったかのようないがらっぽい声、ちょっと錆びた鉄っぽい感じのギター。 ジャケットの夕暮れの田舎道の如く、ひなびて黄昏た味わい。でも決して枯れてしまってはいない。 歳くって皺の数は増えても、ハイアットの骨太で不良っぽいガラっぱちさは健在だった。
Sleepless/Peter Wolf R&RとR&BをクールにワイルドにキメてたJ-ガイルズ・バンドの頃に比べてグッと控えめになったピーター・ウルフ。けどそのソウルフルな持ち味はますます深みを帯びて、僕の心を強く揺さぶるのだ。 ミック・ジャガーがコーラスで参加している“Nothing but the Wheel”を聴きながら、アメリカのだだっぴろい草原を吹き抜ける冷たく乾いた風と、やがて訪れる冬の厳しさを思ってみる。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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