“片足を墓石に、片足をアクセルにかけている / 俺は生まれながらの反逆者”…そんなシャープなロックンロールからスタートする、トム・ペティの1985年のアルバム『Southern Accents』。いかにも秋らしい風情の穀物の収穫の風景を描いたジャケットとは裏腹に、トム・ペティにしてはファンキーでカラフルな作品で、バーズ直系のフォーク・ロックから一歩踏み出した、ホーンセクションや女性コーラスも多用したソウルフルな仕上がりになっている。 けど、僕がこのアルバムの中で本当にグッとくるのは4曲目の“Southern Accents”とラストの“The Best of Everything”の2曲。カラフルな作品群が逆にモノクロームな風景の浮かぶこの2曲を引き立てている気がする。
“たとえ君が今夜どこにいようとも/君が世界中で一番最高なものを見つけることを願っているよ/君が何を探しているにしたって”(The best of Everything) “ほんの少しの間、夢を見たんだ/ほんの少しの間、それは確かな感触だった/ほんの少しの間、彼女はそこに居た、俺と一緒に”(Southern Accents)
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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