Feels Like Home / Norah Jones よく晴れた気持ちのいい一日だった。
用事で朝から出かけた帰り、あてもなくぶらぶら散歩しながら、このままどこか知らないところへ旅に出たくなるような、そんなふっきれたようにさわやかな午後だった。
ナチュラルでしなやかで、ちょっとスモーキーでブルージィな声が素敵な、ノラ・ジョーンズの2ndアルバム『Feels Like Home』は、そんなクールな秋の午後みたいなレコードだ。
グラミー賞を総ナメにしたデビューアルバムがブルーノートレーベルから発売されたこともあって、ノラ・ジョーンズのCDは今もジャズのカテゴリーに入れられしまっているけれど、ジャズ・ヴォーカルなんていう狭いジャンルにとらわれてしまうのはもったいない、良質なアメリカン・ミュージック。自らのピアノ弾き語りを中心にした都会の夜のイメージの1stとは大きく違って、レンガ造りの古い家や野原や干し草の香りのする、トラディショナルでカントリーっぽく、ピアノよりもギターのよく似合うサウンド。それは開放的で心地よく、ノラ・ジョーンズらしさがより出ているように思う。
大ヒットした1stと同じ路線で、ジャズ界の歌姫に収まることも出来たのに、あえて大きく違う質のレコードを作るのは勇気が要ることだ。レコード会社だって反対するだろうし、ファンの支持を得られるかどうかもわからない。でもそんな雑音を撥ね退けても、より自分が自分らしくナチュラルに表現できることを選んだのだのだろう。
歌の巧いだけのお人形さんシンガーには興味がない。いくら声質がよくても音域が広くても技術が巧くても、のっぺらぼうじゃ心の底まで届かない。ノラの声が心の底まで届くのは、結局のところそこに彼女の意志があるからだと思う。
(拙訳:What am I to you)
わたしはあなたの何かしら?
ほんとうのことをおしえて
わたしにとってあなたは広く蒼い海
あなたが落ち込んだときは
真っ先にわたしに話して
もしあなたが傷ついたのなら
わたしも泣いてしまう
あなたのためならなんでもできる
だってあなたが好きだから
もしわたしの空が落ちてきそうになったら
きっとあなたの名前を呼ぶわ
心を開いて
離れ離れになりたくない
わたしの大切なものをあなたに預けておきたいの
あなたの瞳を覗き込んだら
まるで蝶々になったみたいな気分
あなたが憂鬱なときも愛しているわ
ほんとうのことをおしえて
わたしはあなたの何かしら?
あなたの瞳を覗き込んだら
まるで蝶々になったみたいな気分
どうかわたしの愛に気づいて
わたしを刻み込んでほしいの
うそでわたしの心をいっぱいにしないで
あなたが憂鬱なときも愛しているわ
ほんとうのことをおしえて
わたしはあなたの何かしら?
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