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♪Centerfield / John Fogerty

Centerfield
Centerfield / John Fogerty


クライマックス・シリーズ、セ・リーグ第一ステージ。タイガースがドラゴンズにあっさり負けて、奇跡的な追い上げで盛り上がったタイガースの今シーズンもついに終わった。なにしろ、まるで借りてきた猫みたいに「らしさ」をひとつも発揮できずに破れたのがファンとしては情けない。チーム打率最下位の打線が集中力と粘り強さで何とか勝ってきたのに、その集中力も粘りも覇気もなければ試合巧者のドラゴンズに勝てるわけはないのだ。冬になる前の休日をナイターでビールで過ごそうと思っていた野球ファンに、優勝争いをしたとは思えないふがいない戦いぶりをさらけ出したのが尚更情けない。勝ち負けよりも、気持ちのぶつかり合いのグッド・ゲームを期待していたっていうのに。

野球といえば本場アメリカ。
野球のグラブのジャケットのアルバム、元C.C.Rのジョン・フォガティの“Centerfield”。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン、ザ・バンドのロビー・ロバートソン同様、60年代に一世を風靡したベテラン・ロッカーが80年代になって長い沈黙を破って発表した作品だ。

C.C.R(クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル)は、ジョンや兄のトム・フォガティがカリフォルニアで結成したバンド。冗長で重厚なロックが主流だった60年代後半に、南部の匂いのするエネルギッシュでアーシーで埃っぽくて古臭いロックンロールで次々とヒットを連発し、72年に解散した。
それから十数年のうちに、めまぐるしい時代の移り変わりがあり、テクノロジーの進化があり、ファッションも若者の考え方もすっかり変わった。MTVなんていうビデオクリップのお陰で女の子がキャーキャーいうように仕立てられた王子様ルックスのバンドがバカ売れしていた頃に、オーバーオールとテンガロン・ハットの、まるで田舎の頑固親父のような風体の男が、いなたいロックンロールを引っさげて帰ってきたのだ。
描き出された風景は、C.C.R時代から変わらぬ、古き良きノスタルジックなアメリカの風景。トム・ソーヤーやハックルベリィ・フィンが駆けずり回った草原や森や沼や畑の匂いがするような。
昔から何一つ変わらない、相変わらずのただのロックンロール。進化や成長なんてくそくらえ、時代の流行が何であれ、俺のできることなんかたかが知れているし、俺は俺のできることをやるだけ。そんな気概に満ち溢れたレコード。その「らしさ」が何よりもかっこいい。

音楽だって野球だって、ほかのいろんな表現にしたって、僕らが見たいのは結局のところ、その人ならではの「らしさ」なのだと思う。
他の人にあって自分にないものを取り繕うよりも、自分なりの「らしさ」で生きていくのが、結局のところ一番なのだ。あらためてそう思う。


(拙訳:Rock 'n' Roll Girls)

時々思うんだ 人生はまるでロデオみたいだって
ベルが鳴るまで、操り続けるしかないんだ
けど、素敵な場所だってあるってこと、君も知ってるだろ
音楽や愛の中にある、言葉にできない何かみたいなね
みんなの顔に書いてある 電話口での秘密
たとえ時代遅れだって それは他の誰でもない君だけのもの

さぁ、いこう、世界中へ旅に出よう
ロックンロール・ガールズ!

もし自分の道があるのなら 牛追いなんてほったらかして
湖のほとりに腰掛けて 世界が回るのを眺めているさ
陽を浴びた女たちよ ラジオを聴こうよ
砂漠に咲く花みたいにさ、心に虹がかかるから

さぁ、いこう、世界中へ旅に出よう
ロックンロール・ガールズ!



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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