Brian Wilson / Brian Wilson (拙訳:Love and Mercy)
みすぼらしい映画館で頬杖をついて
スクリーンに映し出される暴力に圧倒されていた
今夜、必要なのは愛と慈悲の心
だから、今夜、あなたにもあなたの友達にも
心からの愛と憐れみと慰めを
部屋に寝転がってTVでニュースを見ていた
たくさんの人々が傷ついていて
本当にぞっとしてしまう
今夜、必要なのは愛と慈悲の心
だから、今夜、あなたにもあなたの友達にも
心からの愛と憐れみと慰めを
バーにぽつんと佇んでそこにいる人々を眺めていた
この世界中に溢れる孤独
どうにもやりきれない
今夜、必要なのは愛と慈悲の心
だから、今夜、あなたにもあなたの友達にも
心からの愛と憐れみと慰めを
夕方帰着した配送担当者から「何か事件があったみたいで通行止めでたいへんだった。」という報告は聞いていた。夜になって、“今日の夕方、○区のマンションの七階から五歳の男の子が、母親が外出した間にベランダから転落して死亡した”との事故があったことをニュースで知った。そして、その痛ましさに涙が出てきた。
母親がマンションの管理人室へ書類を届けに行ったすきだったようだ。ベランダには80cmほどの台があり、男の子はそこから転落したらしい。
母親はきっとそのことを一生悔やむだろう。一生自分を責めるだろう。
でも、不注意だろうか?五歳の男の子を置いてほんの少し外出することが。不注意だろうか?いつもはどうだかわからないけれど、その日に限ってベランダの扉が開いていたことが。この事件を聞いた世間の主婦は「気をつけなきゃ」って言い合うのだろう。でも、それじゃぁ彼女が気をつけていなかったから事故が起きたのか?彼女だってじゅうぶんに気をつけていただろう。それでも事故は起こるのだ。
日常生活の闇に悪魔はいつも潜んでいて、ほんの偶然のタイミングでのその牙をむき出しにする。それは生き物の世界には必ずあることで、僕たちがこうやって生きてこれたのは、ある意味偶然の積み重ねでしかないのだと思う。だから、どうか、自分の不注意を責めないでほしい。誰も悪くはない。誰も悪くはない。
4歳や5歳の子どもたちはまだ人間の領域ではなく無邪気な天使の領域に属している天国からの借り物なのかもしれない、と我が子の寝顔にそう思った。
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ずいぶん前に書いた記事なので書いたこと自体忘れてしまっていましたが、自分でも読み返してみて、そうだな、と思いました。
この記事を書いたときに5才だった娘は、もう中学2年生になりました。
ろくに勉強しないし生意気も言うようになったけど、普通に生きてくれているだけでありがたいと思います。