fc2ブログ

Entries

♪Maggie May / Rod Stewart

エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー
Every Picture Tells a Story / Rod Stewart


(拙訳:Maggie May)

起きてよ マギー 君に言わなきゃいけないことがある
もう9月も終わり そろそろ本当に学校に戻らなきゃ
君を楽しませてきたつもりさ
けどなんだかうまく利用されてたような気もする
ねぇ、マギー、これ以上続けてはいけないよ
君は孤独になりたくなかったから僕を家から引きずり出したんだ
君は僕の心を盗み取ってしまった
だけどそれは僕らを深く傷つけてしまったんだ

朝の光が君の歳をはっきりさせる
そんなことはどうでもいいことだけど
僕に見えるのは君だけ 君のジョークにはいつも笑わされたよ
僕らの恋が燃え上がるのには石炭すら必要なかったんだ
けど、マギー、これ以上はもういっぱいいっぱいだ
君は孤独になりたくなかったから僕を家から引きずり出したんだ
君は僕の心を盗み取ってしまった
それはとっても耐えがたい痛みなのさ

僕が必要としていたのは僕の手をとって導いてくれる親友だった
けど君は恋人や母親になってしまった
君が僕に恋人の衣装を着せたがったけど
君のすることはいつも僕のベッドで遭難すること
そして朝になったら僕の頭を小突くこと
ねぇ、マギー これ以上続けてはいけないよ
君は孤独になりたくなかったから
僕を家から引きずり出したんだ。君は僕の心を盗み取ってしまった
もし君が望まなければ
君から離れていけそうもないんだよ

僕は本をかき集めて学校へ戻るよ
それとも父親のキューを盗みだしてビリヤードのプロになろうか
メンバーを募集してるロックンロールバンドに加入ってのもいいな
ねぇマギー 君の顔なんてもう見たくもない
君は僕を最高級の愚か者にしたんだぜ
僕もそんなになるほど盲目だったわけだけど
君は僕の心を盗み取ってしまった
でもこれ以上君を愛してはいけないんだ…

こんな日々から抜け出して 早く学校に戻らなきゃ



「もう九月も終わり。」そんなフレーズで始まるロッド・スチュワートの“マギー・メイ”。
ロッドのしゃがれた声、ロン・ウッドの透明感溢れるアコースティック・ギターやマンドリンが描き出すたわいもない恋の物語。けど、よくある「誰よりも愛してる」なんてラブソングよりもよっぽど恋愛の本質を描き出した歌だと思う。

恋とか愛とかっていったい何なのか、いくつになってもよくわからない。こればっかりは場数を踏めばわかるというものでもないらしい。そもそもはっきりした答えや法則があるようなものでもなさそうだし。それぞれのその時々にお互いの感情があり、それが何かのきっかけでスパークして、膨らんだりしぼんだりしながらどんどん転がってゆく。なんとかなると思いながら気が付いたらどうしようもない場所にたどりついていた。そんなことはどこにでもあること、よくあることなんだろう、きっと。男と女がいる限り、誰にでも起こり得るありふれた出来事なのだろう。
けれどそのひとつひとつは、本人にとっては人生左右しかねないかけがえのない感情なのだ。そして“この気持ちはかけがえがない”と思えるということがきっと一番素敵なことなんだと思う。そんなことはそう頻繁に訪れるものでもなさそうだから。

それにしても、女の人はどうして最後には「母親」か「恋人」になってしまうのかな。もちろん男も、いつまでたっても「男の子」から抜け出せないのだけれど。
そうじゃない関係、母親でも恋人でもない、信頼できる男と女の関係っていうのもありだと思うのだ。成就しなかった恋の粘土細工が、窯で焼かれた果てにそんな美しい焼き物になればそれはそれでガラス細工のように壊れやすい少年時代の恋なんかよりはるかに素敵なのになぁ。なんて、そんなことを思いながら、マギー・メイの一節、♪All I needed was a friend to lend a guiding hand~って部分を口ずさんでみるのだった。



スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://goldenblue67.blog106.fc2.com/tb.php/501-25b2cb9a

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

Profile

golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

Calendar

02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

Gallery

Monthly Archives